実は実習最後の3週間はWICという施設で働きました
これは公衆栄養の実習の一環です。
WICとは低所得の世帯の妊婦さん、出産後一年までのお母さん、
新生児から5歳までの子供を栄養面からサポートする国のプログラムで、
Special supplemental nutrition program for wemen, infants, and children の略称です。
実際には低所得の人たちが健康な赤ちゃんを産めるよう、
生まれたあかちゃんに健康な母乳をあげられるよう、
あかちゃん、子供が健康に育つように定期的に血液検査の結果を確認したり、
体重の増加具合、身長の変化などを確認しつつ、
野菜、豆、全粒粉パン、玄米、粉ミルク、牛乳などを購入できる金券(check)を支給します。
この金券は購入できる品目が決まっているので
健康的ではない食品などには交換ができません。
私の配属されたセンターは私の家から電車で一時間半の行ったこともないマンハッタンからやや離れた場所にあります。
行ってみて初めて知ったんですが、この地域はユダヤ人のたくさん住む地域。
電車を降りたら、
「どこの国に来たんだ???」っていうほど道行く人が異国の人風。
男の人は白いシャツに黒いズボン、黒い足首まであるジャケットを着ています。
大抵黒い手品に使うような帽子をかぶっているか、
丸いお椀みたいな帽子を頭にかぶっています。
もみあげがすっごく長くてしかもベルサイユのバラの登場人物みたいにクルンクルンにカールしています。
女の人はこれまた白いシャツに黒いスカート。真夏でも長袖。
髪型は内巻き風のストレート(色白の美人が多い!)
びっくりすることに既婚の女性はカツラ着用か、スカーフで頭をすっぽり包んでいます。
(傍目から見たらカツラとはわかりません)
ユダヤ人って日本では見る機会ないですよね...。
ユダヤ人は宗教的な規律が厳しいのでも有名。
特に食べ物の制限はすごく厳しいです。
①Kosherという認定された食べ物しか口にしない。
特に肉などはの仕方や育成の記録のチェックなどが厳しく、
認定された場所からの限られたお肉しか食べない。
②肉と乳製品は一緒に食べてはいけない。
チーズバーガーとか、ピザとかありえません!!!
調理も一緒の場所でしてはいけないので外食してもKosherのキッチンで作られたものしか食べれません。
肉を調理した鍋をいくら洗っても、そのあと乳製品を使ったら鍋から微量しみだしてきて混じるっていう考えらしい。
③市販の加工食品や調味料もすべて厳しいKosher 規格にのっとった認定マークつきの製品しか使ってはいけない。
④豚肉、貝類、カニ、エビなど(ヒレのついていない魚介類)を食べてはいけない。
というわけでいろいろな規則が満載
栄養指導する上でも宗教上の制限を十分理解しないと指導になりません。
もっとも、私の働いたセンターは栄養士もほぼ全員ユダヤ人なんでそんな心配はありませんでしたが・・・。
なのでクッキングデモをしても私が作ったら、Kosherの厳しい規則にのっとって、
Kosherのキッチンで作ったかどうかいまいち信用してもらえない可能性大なので
クッキングでもはやらないことにしました。
もしやったとしても試食してくれる人はあんまりいないかな。
妊婦さんやお母さんと会うと栄養のリスクを把握するために食生活や生活習慣などを聞くんですが、
ここでユダヤ人っていいな~と思ったことがあります。
それは
・タバコ吸わない
・テレビを持っていない
・家族団らんの時間を大切にする
ってことです
これは宗教に深く絡んでいるらしく、会った家庭ほとんどがそうでした。
特にユダヤ人は金曜日の日没から土曜日の日没まで電気を使うものに触れてはいけないので、
料理もしないし(コンロで火をつけるときの最初の火花は電気が絡んでるらしい・・・)、
電子レンジも使わない、エレベータはもちろん、パソコンもケータイも使いません。
仕事もできないので、家族と話したり友達の家に遊びに行ったり・・・
もちろん車も使えないので同じ宗教の人たちは本当に密集して住んでいるわけです。
びっくりですよね~
でもそんな昔に戻る生活を一週間に一日していると思うとややうらやましい気も。
不便なのは、クーラーや暖房は日没の際についていたら次の日の日没までつけっぱなし、
消えていたら次の日没までオンにできません
ほんとこんな日本人から見たら摩訶不思議な規則が存在するんです。
この3週間、母子栄養についてとっても貴重な勉強をしましたが、
栄養指導の合間をみてユダヤ教についても他の栄養士さんたちに質問しまくって
いろいろなことを学びました。
世界は広く、まだまだ知らないことだらけということがよくわかりました。
長くなっちゃうのでまたまたぼちぼち報告しますね~