4日の朝は5時起床で6時過ぎにタクシーで稽古会場へ向かいました。相変わらず盛況で毎年稽古の人が増えているような気がします。
さて、僕はというと今日は東京のN先生にお会いし稽古を願うのが大きな目的です。先日メールしたところ、今回は奥様と京都でゆっくりしようと予定していたらしいのですが、こちらの要望に答えてくれて、わざわざこの4日の朝稽古の為に防具を持ってやって来てくれました。
1年振りの稽古でした。以前からなかなか歯がたたないと感じていた先生ですが、今回自分で試してみようと思っていた攻め口がなんとか効果を発揮し、久々に先生に「参った」と言ってもらえることができました。最後のその1本だけですが・・・。稽古後も様々な解説を戴き、最後に「岡田さん一皮剥けたよね」と言ってもらえました。これは大きい収穫ですね。本当にありがとうございました。
気が付いたら8時をとっくに過ぎていて、その間色々な方達と一時間半も稽古をやっていました。自分の立合は多分お昼過ぎになるであろうことは分かっていましたが、普段よく稽古をしているY君やI君という地元の仲間がそれより早く立合うのでそれに間に合わなくてはなりません。急いで会場を出て近くの※「はとや食堂」(東大路丸太町の交差点角にある朝6時から開いている小さな食堂。その隣が※「ときわ」(ここは本当に麺類、丼、何を食べても美味しい、皆は鯖寿司が・・と言うが実は海苔巻が絶品です。僕は剣道が関係ないときでもたまに立ち寄ります。ほとんどの人はここが創業100年以上の歴史があることは知らない・・まさに隠れた名店だと思います。海苔巻きです・・・・)」で、朝食を取りそのまま今度はバスで帰宅、汗をかいた稽古着を着替え10時頃に間に合うように再度出かけましたが何と、彼らの立合はすでに終わったばかりで結局見ることがかないませんでした。時間に余裕を待ちすぎていました、進行が早かったようです・・残念・・・。
さてさて、自分の立合はというと、お相手は大阪のK先生。彼も今回の二日目の審査で一次突破されていたらしく、強豪であることは間違い有りません。身長も高く懐が深そうです。立ち合ってまもなくひやっとする面を打たれましたが、ここの立合ではかなりしっかりと打たないと一本になりません。それをなんとかしのいで数合い後、僕の仕掛けた小手、面の連続技が手応え通り一本になりました。僕は内心これで充分だと感じていましたが、お相手は残り時間を意識されたのか再び大きい面を繰り出してきました。それに対し身体が自然に反応し胴に返していました。おーー!何と二本戴き勝ちを収めることができました。
正直、ここの大会は何十回となく出ていますが二本勝ちは初めて(二本負けはある・・・)で本当にこの勝利は嬉しいでのですが、なんと言ってもお相手のしっかりした打ちがあってからこそですから・・・・剣道の勝ちとはそんなものなのです。特に、この京都の立合では高段者同士が単なる試合の域を超えて自分を表現するという意味合いが濃いのです。このお相手のK先生、お人柄も良く、僕が立合後ご挨拶に伺うと 「ありがとうございました。また稽古しましょうね」と言ってくれました。なんともまた嬉しい出会いができました。
そんな訳で本当に気持ちよく今年も立合いを終えることができました。立合を見てくれていた様々な先生や多くの同僚達からたくさんの褒め言葉を戴きましたが、僕は今回、審査の結果も踏まえ、これは必ず糧にする!と明確に自分の意識が決めたことを確認しました。
そして、5日は八段以上の先生方の立合です。以前この場所で立ち合ったことのある先生が数人いました。うらやましいやら悔しいやら・・・何となく複雑な思いです。
その日玄関前で京都のI範士に出会い「あんた、昨日の立合い見たで・・・さすがやなぁ。あんたは、今日やらなあかんわ・・」と一言言って去って行きました。辛口のこの大先生にこのようにおっしゃって戴き本当に誇らしく嬉しく思いましたが、それと同時に身がきゅっと引き締まる思いがしました。結局夕方ほとんど最後まで観戦しました。本当何年ぶりだろうか・・・・。
大会が終わり会場を後にする先生方、相当な年配の先生方やそのご家族とおぼしき人達もまた各先生お付きの若い人も、そして、おっさん達も、皆何とも良い笑顔ではありませんか・・・こういう瞬間に剣道の本当の良さを感じるのです。
僕は正直、柄にもなくあまり武張ったことが好きではありませんし、特に女性のそういうのには抵抗があるタイプなのですが、そんなことをはるかに通り越して感じることなのです。それぞれの思いを抱いて去っていく人々を見ていて自分もとてもすがすがしい気持ちになりました。
ということです。今回はこの辺で・・・。