城台山日記

 城台山の麓で生まれ、毎日この山に登り、野菜・花づくり、読書、山登りをこよなく愛する年寄りの感動と失敗の生活日記です。

経済の不調がもたらすもの 20.4.12

2020-04-12 19:36:45 | 面白い本はないか
 コロナのせいで行くところがなくなった人の一部が城台山に来ているような気がする。コロナの前は城台山を登っていても、人に会うことは少なかった。ところが、最近は平日はもっぱら小中学生(学校が休みだからね)、土日は親子連れ、さらには単独の男性に会うことが多くなった。ストレスが確実に高まっていることを感じる。

 一心寺の前のカエデの新緑

 八重のサクラ

 さて、こんばんは2冊の本を取り上げる。ヤシャ・モンク著「民主主義を救え!」と土田陽介著「ドル化するとは何か」、題名を見ただけではあまり関係がないような気がするが実は大ありなのだ。世界的な経済不調と移民の急増さらにはSNSなどの爆発的な普及は、民主主義を不安定にしている。そして、経済不調、それへの対策=政府による経済対策の結果として財政赤字の拡大は少なくない国で通貨危機を招き、自国通貨の不信任=ドル化を招いている。

 アメリカのトランプ、ハンガリーのオルバン、トルコのエルドアン、ほかにもフランス、イタリア、オランダ、オーストリア、ドイツなどでは移民排斥を掲げる極右、極左の政党、政治家がどんどん誕生している。経済的苦境におかれた各国の民衆はこうした政治家を支持している。このような政治家(ポピュリスト)はわかりやすい論理で課題、問題を自分こそ解決できると言う。ところが、実際の問題は複雑で国民につらい試練なしに解決出来ることなどない。しかし、つらい試練を課すような政治家は生き残れないのも事実。少し恐ろしいようなアメリカの世論調査の結果がある。高齢者は民主主義を良いものとする人の割合が高いが、若くなるほどその割合が低くなる。さらに全ての世代で20年前よりも強いリーダーを希求する意識が高まっている。さらにSNSの普及は、トランプのような政治家にとって極めて好都合となっている。

 では、日本の状況はどうだろうか。残念ながら日本については言及されていないので、想像するしかない。政治に対する不満は高まる一方なのだが、欧米のような極右、極左の政党は誕生していない。街中で民間レベルでヘイトスピーチを繰り返す、嫌韓嫌中の高まりなどは日本の地位低下による不寛容が高まったことによる。橋下ブームなどはポピュリズムが高まったとも思われる。いかし、この先は、心配の種は尽きないどころか大きくなる。少子高齢化による一層の経済不調、移民の増加。加えて、GDPの2倍以上となる政府の借金(コロナでますます酷くなる)はいつか円の暴落を招くかもしれない。そうなれば投資としてのドル買いから生活を守るためのドル持ちに変わってしまう。このような危機をトルコやアルゼンチンは今経験している。いつか日本はこうした国の後をたどるのであろうか。

 
 

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