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ONCE ダブリンの街角で(ONCE)
2007
ジョン・カーニー(John Carney)


これは良い。好き。

サンダンス映画祭ワールドシネマ部門観客賞受賞ということで、面白いのは間違いなかったんですが、これは結構ツボです。
もの凄い安いわ予定調和だわで困った作品になりがちなんですが、歌が良い。

街角ギター弾きと、そこに通りかかった女との恋のようなそうでもないような、のお話です。
下手な映画だと、その音楽の部分をテキトーに描いて「音楽関係ねぇじゃん!」ってなことになりがちなんですが、ド頭から弾き語りフルコーラス。その後も何曲か弾くわ歌うわでかなりの音楽映画です。その曲たちが、かなりざっくりしたロックというかフォークというかよくわからないかんじなんですが、良い。
男の歌声がちょっとポール・ウェラーっぽい。

お話の進行自体は上記の通りの予定調和で、とりたててとんでもないことが起こるわけでもありません。難病恋愛モノとかを期待してみると完全にハズされますのでご注意を。
ポール・トーマス・アンダーソン監督の「パンチドランク・ラブ」からいろんな仕掛けを抜いた感じとでも言うのか、だったら何も起こらないじゃないか。イヤ、起こってるんですよ。
男と女が出会い、モンモンとしつつ、しかし恋愛だけに振り回されず、すぐにセックスしない映画です。
ユルイです。
民生のHDV CAMで撮った様な絵で、自主制作なんじゃねぇの?と思うほどですが、なんだかうまいこと行っていて、下手な大作より全然好き。

平日の夜なんかにビールでも飲みながらサクッと観られる87分という短尺。
オススメです。

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