ALWAYS 三丁目の夕日
2005
山崎貴
2006年の国内の賞をかっさらった本作。
どうしても観る気がしなかったのですが、やっぱり観なければ良かった。
本作が好きな方は以下読まないでください。
『誰でも分かるステレオタイプないい話』をずらっと並べて安いCGIで町並みを再現しただけの映画でした。
ここまで感情の沸点を下げなければ感情を動かされない程、現代は無感動になってしまったんでしょうか。
『良い話で感動する為に ~入門編~』みたいな作品です。
「本作を観て涙しなければ『感情ライセンス』もらえませんよ!」そんな作品です。
全てのエピソードが導入部で終わってしまっています。そこから物語りが展開するはずなんですけど。
もしかして私が観たのは予告編だったんでしょうか。
そして、あまりのCGI子役の動きっぷりに「これが日本のCGIの最高峰か」と仰天。サスガはアニメーション大国です。目が死んでいるのは観なかったこととして・・・。
え?アレ、生きてるんですか!!!!!
マズ、企画の目線が嫌い。
明らかに戦後の時代を馬鹿にしている。
「清貧」を描いたつもりなんでしょうが、そんなに脳天気じゃないでしょう。
まるで、白痴かなんかの様に人々を描いている。感情の全てを言葉で伝えてしまう。
絵本でももう少し行間読ませますよ。
私はもちろんその時代の人間ではありませんが、現代と変わらず問題を抱えまくって、その端々に幸せを見いだすのが人間ではないでしょうか。
その部分を描かないで、何が「昭和30年代、毎日が明るく輝いていた」なんでしょうか。
こんな、5分に1回幸せが訪れるような人間を馬鹿にした映画を作って喜ぶのは、恵比寿のコジャレタ飯屋で経費でメシを食い、駅前で10円募金をして優越感を得るような馬鹿貴族意識を持った連中。選民意識でも持ってるんでしょうか。
頭悪いですね。浅ましい。下品。
涙も汗も血も体温も想いもなにも無い。
『映画』がなにも表現していない。
困ったことに、こんな安い三文映画でも観ているうちにそのレベル低さに慣れてしまい「まぁ、こんなもんかなぁ」と思ってしまうこと。
これは例えるならiPodのクソ悪い音にも徐々に慣れてしまい「こんなモンで良いか」と思ってしまうことと近いかもしれません。
と言うことは、程度の低いテレビ番組で十分にアタマのレベルを下げて投下した本作。
狙い通りでしょう。
こういう馬鹿な大人のエゴだけで作られた映画を観させられる子供達は本当にかわいそうです。
この映画の中で現代の子供達が感情移入できるシーンはあるのでしょうか。
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昨日はコレ観てた。ビデオなら向かいの店にあるよ。
http://movie.goo.ne.jp/movies/PMVWKPD24945/comment.html
同じ意味で「フラガール」はどうだったよ?
俺は体温が氷点下になったよ。
随分シブイの観てるねぇ。
どうだった?
>>オンキさん
観ない方が良いです。
でも、私は「フラガール」好きですよ。
本作とは『ベタ』のやりきり方が違います。そもそも出発点が違います。
私の感想はこちらです。
http://blog.goo.ne.jp/juraky/e/e9823c57e1705a63298a683dc5ba7b4b