notation





マスク
1984
Peter Bogdanovich (ピーター・ボグダノヴィッチ)


ジム・キャリーの方のではありません。
多分、超マイナー作品じゃないでしょうか。
私の不勉強であったらスミマセン。

観るに至った経緯は「ツタヤで物色」ではなく、とある友人が「オマエなら分かるだろう」と無理矢理に友人経由で強制又貸しされたDVDです。
結論から行くと、良い映画です。

2200万人に一人という獅子面病(顔面が成長と共にフランケンシュタインのように変形してしまう)に冒された心優しくもそのナイーブさを面に見せず健気に生きる少年と、その母親(と彼らを取り巻く超心優しいバイカー達)お話です。

ちなみに、この「獅子面病」は、かのブラック・ジャック先生が漫画の33話で完治に成功しています。(※文庫版では第6巻に掲載)
確か、脳下垂体に何かを埋め込んでホルモンの抑制をしたかと。このお話はブラック・ジャック先生がなぜ無免許医であるのかの一因をあらわすサンプルとして取り上げられることが多々あります。シブイお話です。
同じく、手塚治虫著の「きりひと讃歌」では、ある地方の水を飲むと狼男のように外見が奇形になってしまうモンモウ病として似た症例を取り上げています。
こちらでは、ある結晶体の蓄積による内分泌障害による奇形という形で表されています。
この辺の関連性は知りませんが、ちょっと思いだしたもので。


で、映画としてはもの凄いベタ。
面白いとかつまらないとか以前に、売る気ゼロ。
しかし、その商売っ気の無さが好きです。

何を思って本作を(脚本段階で)映画にしようと思ったのか。
もう少しサービスしても良いのかと思うのですが。
80年代映画定番の超ストレート剛速球かと思いきや、けっこう文芸作品。
文芸作品ではあるものの、表現手法が80年代のため、届くまでに時差がありすぎてシーンを反芻しながら観ないと誤解を招く映画です。

惜しむらくは、字幕がヘタすぎ。
日本人が書いたとはとても思えない字幕構成。
一瞬、自分の国語能力が一桁下がったのかと思いました。
字幕って大事ですね。
言っていることが表示されれば良いと言うだけではない。
勉強になりました。


「パウダー」という作品ととても近い臭いを感じました。
こちらは割とメジャーなので知っている方もいらっしゃるかもしれません。
どちらも結構良い作品なのに、鑑賞の機会に恵まれない。
どこかのテレビ局が制作しているクソ映画を観るくらいならこっち観た方がよっぽど良いと思うんですが、人は映画にそれほどの物語を求めていないのでしょうか。


不器用な心優しき映画です。
変化球好きな方は一度ご鑑賞あれ。


コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )



« 映画【ゴッド... 映画【グエム... »
 
コメント
 
コメントはありません。
コメントを投稿する
 
名前
タイトル
URL
コメント
コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。