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赤目四十八瀧心中未遂
2003
荒戸源次郎


ザ・邦画。
好き。

決して好きなタイプのお話ではないのですが、邦画の良いところばかりが出ています。
嫌いな人は「こんなタルイ映画観てられるかよ」ってなもんでしょうが、それはそれでしょうがないでしょう。

尼崎を舞台に展開するのですが、方言を(多分)忠実に制作しているために所々分からない言葉。
土着というのか、何なのか分からない感覚ですが、嘘をつかない感覚は好きです。
昔ながらの街というのも下手なセンチメンタルでの撮り方をしていないので、素直に好きな部分だけを感じられる。
いちばん好きなシーンは「真夏の夜のバス停」。バツグンです。もっと長く観ていたかったけれども、すぐに転換。

主人公の役者の演技が上手いとか下手とか言ったら、そういうジャッジじゃない。芝居を観ている感覚ですね。だから多少の誇大は許せます。完全に非現実。
これが邦画を観るときにいちばん欲しいファンタジーと言うのではないでしょうか。同じ国に暮らしているのにもかかわらずの非現実。
リアリティって下手すると貧乏くさいだけだから、それを違う方向へ昇華してくれる構成が好きです。
できないことはやらない、けどできることは無茶なほどやる。

先日観た「疾走」でちょっと薄いかなと思ったところがモロ出し。構成は「疾走」の方が緻密でしたけど、こちらはロケンロールな暴力さ。率直すぎ。

花村満月っぽいなと思ったら「ゲルマニウムの夜」制作総指揮だそうです。

実りつつ熟成されて腐って落ちる寸前っていう感じの漂う映画です。
3年前に観ていたら全然好きじゃ無かったと思うんですけど、好きな作品です。
「毒を食らわば皿まで」な貴方、お勧めです。

コメント ( 2 ) | Trackback ( 0 )



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コメント
 
 
 
これは (sakai)
2006-12-16 03:46:54
結構衝撃的な映画でしたね~。
いろいろキツい内容ですけど、
僕はかなり気に入りました。
 
 
 
確かに (juraky)
2006-12-17 03:56:00
正しい意味で「エッジが効いてる」ってのはこういうことを言うんだろうね。
久々にグッと来る映画。
 
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