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プラスティック・ソウル
2006
阿部和重


どうしてか分からないけれども何故か読んでしまう阿部和重。
そこまで好きではないハズなんですけど。
本作は過去に連載していたものを、芥川賞も獲ったしもう一儲けという感じで出したんでしょうか。
死んでからデモテープを勝手に売られるミュージシャンなんかよりは全然良い。あれは酷い。かわいそう。

物語の組み立て方が好き。上手いというか、作品毎に実験しまくってる感じ。
ぐちゃぐちゃなストーリーというか、そもそもストーリーとかモチーフなんかどうでも良いんじゃないか?というような実験的な本作ですが、読み終わるとなんとなく繋がる。
で、これは主人公の殆ど破壊されているような人間性を理解させるためのお話では無いかと。キャラ自身の考え方を理解させるために書いた、という感じでしょうか。

本作を区切りに表現方法が変わったと言うことですが、あんまり順序立てて読んでないのでイマイチ分かりません。そう言われてみれば、シンセミアってこの方法で人間を描きつつ、その人たちが交錯しまくるストーリーをさらに構成したという風にも読めます。
でも、その後のグランド・フィナーレは普通に読みやすかった。短かったし。
本作以前のインディヴィジュアル・プロジェクションは本作のストーリーの部分をキモにしたもっと違う部分での実験感じ、だった気がする。
そう思うと、確かに断絶線なのかもしれません。他のも読んでみよう。

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