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KYOTOGRAPHIE 2016 「PLANKTON 漂流する生命の起源」など、感想。

2016年05月19日 15時30分00秒 | アート・文化
正直、そんなに期待していなかったんです。
事前に情報はわざと取得しないようにしているので。
しかし、その光景を見て「えっ、そこまでしてるの!」と高谷史郎さんと坂本龍一さんの本気度を感じ鳥肌ものでした。
完全にインスタレーションをやりきっているということ。
素晴らしい!!

いや、失礼ながら写真や映像が普通に壁面に掲示されていて、その展示室に坂本さんの音楽が流れている程度ぐらいにしか思ってなかったんです。ここまでやっているなんて知らなかった。失礼ながら。ほんと、すいませんm(_ _)m
いつものやり口と言ってしまえばそれまでかもしれませんが、それをちゃんとやりきっているのですから凄いですよ。

前置きはさておき、

2013年から毎年行なわれている「KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭」。
今年はなんとか機会を確保できましたので、クリスチャン・サルデさんのプランクトンの顕微鏡写真を高谷史郎さんと坂本龍一(教授)さんがさらに高いレベルのアートに昇華している展示、「PLANKTON 漂流する生命の起源」展をメインに鑑賞する予定で京都へ。

会場は、京都市美術館別館2階。
本館は昨年の「PARASOPHIA 京都国際現代芸術祭」での高嶺格さんの展示を鑑賞した際、訪れていますが、こちらも重厚な建物。美術館にふさわしい。築はこちらの方が新しいのかな。昭和初期の建築は好きですね。

会場の入り口では、会場全体が薄暗くライティングされているせいと構造もあって、その奥にどのような展示が行なわれているかあまりわからない状況。

会場に少し入ると、美しいプランクトンの大きな写真が壁面にズラッと展示されています。全部で16点。
どれも生命の神秘を感じます。
それを鑑賞しながら奥に進んでいくと左手奥にさらに奥手に入る入り口があります。
その入り口に立ってその奥の様子を伺った時、息を呑みました。

「(ほぼほぼ)LIFEじゃん!」

思わずその場でつぶやいてしまいました。
さすがに天井に吊り下げられた水槽の水煙幕に映像が映写されているものではないのですが、それがそのまま床にも淡く映し出されていることを考えると似ているのです。
LIFEの時のような広さの空間にて、床に12面の16:9比率の液晶ディスプレイ(4Kなのかな?)が4×3面に配置され、そこにプランクトンの映像が映し出されています。
ある画面には静止画。ある画面には動画でプランクトンの動きが映し出されています。
思わず映像の上に立てるのかな?と勘違いしてしまいましたが、そんなことしたらディスプレイが壊れるでしょう。LIFE鑑賞経験者は要注意です!(笑)
空間の壁面(西側と東側に4つずつだったと思います)の少し高い位置に等間隔にLIFEの時にも使用されていたスピーカーが備え付けられ、そこから教授の音楽がエンドレスに流れています。どんな楽曲かは書きませんが、いつものあんな感じです。
映像の方は、時間周期とかはなく、これもLIFEの時のようにそれぞれのディスプレイがランダムに動いています。そして、7~8分ぐらいおきにシンクロして動く時があるそうです。
映像と音楽に満たされたその空間はいつまでもいたくなる美しく神秘的な空間で、何か普遍的なものを感じる空間でもありました。考えれば、「LIFE=生命」でもあり、クリスチャン・サルデさんの「生命」の写真を、今回、高谷さんと坂本さんがその点もありこのような展示を行ったのかな?とも思いました。
そんなことを考えながら、会場には1時間ぐらいいてしまいました。


同じ建物の1階では、CHANELが絡んだファッション写真の展示が行われており観ました。
これまでのファッション写真のなかなか有名な写真も展示されており意義ある展示です。
会場もなかなか凝った設営をされており、さすが「CHANEL」です。ただちょっと順路がわかりにくい。
ファンにとっては写真だけでない何かがあるイベントだったのでしょう。


京都市美術館別館西側に位置するロームシアター京都。その1階で行われていた写真展。
大々的に行われている写真のイベントで、実にいろいろな作品を観る中、このような力のあるドキュメンタリー(スナップ)写真が展示されているとホッとします。
タイトルからただの「撮り鉄」の写真とか想像したらダメですよ。
中国の鉄道の昔からの安価な車両に乗り合わせる乗客たちの人間模様と言いましょうか、人間臭さがリアルに捉えられており素晴らしい作品群でした。
そして、それは昔の日本にもあったような情景でどことなく懐かしい。
地味に行なわれている写真展ですが、ぜひ観てほしい展示です。


近年、写真人口は増えたとはいえ、僕は写真をやる人間として、まだまだ盛り上がっていってほしいと願ってやみません。
このような大規模なイベントはもっと各所に広がっていってほしいとも思っています。そして、写真の裾野を広げていってほしい。
そう思っていながらも僕も毎年仕事の関係上、全部観れないのが残念なのですが、逆に僕のようにせめていちばん観たい展示だけでも観てほしい、と毎年思う「KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭」です。
今年は、いよいよ今週末、5月22日(日曜日)までとなっています。

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