神が宿るところ

古社寺、磐座、不思議・パワースポット、古代史など極私的な興味の対象を見に行く

手接神社(茨城県小美玉市)

2019-02-09 23:35:06 | 神社
手接神社(てつぎじんじゃ)。
場所:茨城県小美玉市与沢1112。茨城県道8号線(小川鉾田線)と同360号線(大和田羽生線)の「茨城空港南」交差点から北に約120mのところで斜め右方向(北東へ)に入り、直進約190mで当神社正面。駐車スペース有り。
室町時代の寛正6年(1465年)頃、芹沢村領主・芹沢俊幹(常陸大掾氏の一族)が梶無川を通りかかった際、乗っていた馬の尾を河童(かっぱ)に掴まれたが、刀でその手を切り落として難を逃れた。その夜、手首のない河童が領主の屋敷にやってきて「七郎河童」と名乗り、手が無いと老いた母を養えないので手を返してほしい、と泣いて懇願した。哀れに思った領主は手を返してやったが、代わりに、河童の先祖から伝わる手接ぎの秘法や「きりすね」という糸(疵や痛みに巻いておくと、糸が切れる頃に治っているというもの。)を授かった。また、翌朝から、人知れず庭に川魚が届けられるようになった。それがしばらく続いたが、ある寒い冬の日から魚が届かなくなった。領主が梶無川に見に行ってみると、七郎河童の死体が見つかった。不憫に思った領主は、梶無川の畔に小祠を建てて「手接大明神」として祀った。この祠に参ると手の病気が治ると評判が立ち、多くの参拝客を集めた。永正4年(1507年)に現在地に遷座、嘉永2年(1849年)に社殿焼失するも、直ぐに再建されたという。日本で唯一、河童を祀るとされるが、現在の祭神は罔象女命(ミズハノメ)、大巳貴命(オオナムチ)、少彦名命(スクナヒコナ)となっている。河童を水神としてミズハノメに当てたのだろう。
蛇足。「日本に1社」とあるが、現・千葉県旭市にも「手接神社」があり、同じ祭神を祀っている。実は、同地に住んでいた八角茂兵衛という人が当神社に参拝したところ手の病気が治ったというので、勧請したものという。霊験あらたかなこと、かくの如しかも。


小美玉観光協会のHPから(手接神社)


写真1:県道からの入口にある「手接神社」の看板。「日本に1社 かっぱの神様」とある。


写真2:おなじく参道入口の社号標


写真3:境内入口、社号標


写真4:拝殿


写真5:石造の河童像。下に当神社の縁起が刻されている(上記本文中の記載と多少異なるところがあるが、民話として流布しているので、資料によって細かな異同がある。)。


写真6:拝殿脇に手の形に切り抜いた板や手袋が奉納されている。奥は本殿。
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