備前の古社を訪ねる(備前国内神名帳の研究)

備前の由緒ある神社を巡礼する

コラム12.旧児島郡は9社?、それとも11社?

2008-06-25 20:47:05 | Weblog
備前国内神名帳128社の現在社の比定の上で最も問題なのが、旧児島郡である。西大寺本には式内社である鴨神社と田土浦坐神社の名がない。総社本は、西大寺本の9社に、この2社を加えたものとみてよい(この2社には「右二所在神祇官」とちゃんと記されている。)。
国内神名帳と延喜式は成立時期が異なるのだから、式内社といえども、総社宮に合祀されない神社があってもよいだろう、と考えれば特に問題はない。しかし、私見では、西大寺本は、写本するときに、うっかり書き漏らしてしまったのではないか、と思う。
西大寺本の記載を優先する場合は、「八幡明神」を「鴨神社」に、「都羅比呼明神」を「田土浦坐神社」に充てる。それぞれの項で再度触れたいが、それなりに根拠が無いわけではないようだが、やや無理がありそうな感じだ。
それと、もう一つ。旧児島郡には、郡の「総社宮」が現存する(写真)。極めて珍しい例で、児島の民の信仰心の篤さと経済力が背景にあったと思われるが、それはそれとして、ここで合祀されているのが11社であるということである。
以上のことなどから、「11社」説が正しいと思うが、その場合の難問は、「八幡神社」と「都羅比神社」がどの神社であったか、ということである。備前国総社宮の武部宮司も「不明」としておられるようだ。

岡山県神社庁のHP(旧児島郡の総社宮):http://www.okayama-jinjacho.or.jp/cgi-bin/jsearch.cgi?mode=detail&jcode=01025

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