備前の古社を訪ねる(備前国内神名帳の研究)

備前の由緒ある神社を巡礼する

コラム20.備前48ヶ寺巡り

2008-07-22 22:20:40 | Weblog
神社についてのブログなのに、今度は寺院巡りかよ、ということだが、備前48ヶ寺に興味を持った理由は次の通り。
(1)豊原北島神社が典型だが、古社の近くにあることが多いこと
(2)開基年代が延喜式成立より前であること
(3)神名帳は修正会にも使われ、会陽(裸祭り)を行っていた寺院も多いこと

あるいは、単に「ナンバー」が好きなだけかもしれないが。

備前48ヶ寺は、報恩大師(岡山市芳賀の出身という。)が、孝謙天皇の勅願により開創された48の寺院。ただし、なかには藤原皆足姫、行基、鑑真など、報恩大師が開基でないと伝える寺院もある。
開創の時期も、金山寺や弘法寺などが天平勝宝元年(749年)としているが、孝謙天皇の病気快癒の祈祷を行って「報恩大師」の称号を受けたのが天平勝宝4年(752年)とされているので、「天平勝宝」年間(749~756年)頃ということだろう。
備前国内神名帳所載の神社が128社で、そのほとんどが現存ないし再興されているが、備前48ヶ寺のほうは現存ないし後身とされる寺院は40弱くらいである。
総本寺である金山寺は、今は天台宗であるが、創建時には当然ながら本格的な密教は伝えられていなかったので、当初は法相宗か三論宗であっただろうという。ただ、報恩大師は、病気平癒の加持祈祷で名を挙げたように、観音呪を修した行者の趣きがあり、山上伽藍に複数の寺院が集まる形式が多い。また、現在は天台宗のほか、真言宗や日蓮宗となっている寺院も多い。
なお、備前48ヶ寺のほかにも報恩大師開創伝承のある寺院は多く、例えば、備前では西谷山妙塔寺(現・金剛山遍照寺法界院(いわゆる「法界院」)、備中では龍王山神宮寺(現・稲荷山妙教寺(いわゆる「最上稲荷」))、日差山寶泉寺などがある。

「「がらくた」置場by S_Minaga」さんのHP:http://www.d1.dion.ne.jp/~s_minaga/bizen48.htm
ほかにも、http://www.asahi-net.or.jp/~wj8t-okmt/400-02-00oteraindex-bizen48.htm