備前の古社を訪ねる(備前国内神名帳の研究)

備前の由緒ある神社を巡礼する

コラム14.備前48ヶ寺と会陽

2008-07-05 19:44:03 | Weblog
「コラム2.神名帳(西大寺本)について」(2008年5月22日付)記事で、なぜ西大寺観音院に神名帳が伝えられたのか、について書いた。要するに、有名な西大寺会陽(裸祭り)とは、春迎えの法要である「修正会」の結願の行事であり、その法要の重要な儀式の1つとして神名帳の読み上げを行う。これによって、国内の重要な神々を勧請して、五穀豊穣などを祈願するためである。(脱線するが、そういう目的だからか、水源や雨乞いの神が多いような気がする。)
備前48ヶ寺というのは、半ば伝説的な僧、報恩大師が阿弥陀如来の「四十八願」にちなんで、勅命により開山(ないし選定)した備前の48寺。そのすべてが会陽を行っていたわけではないし、他の社寺でも会陽を行っていた。しかし、次の通り、備前48ヶ寺のうちに会陽を行っていた寺が多いのも事実である。

<現在も会陽を行っている寺>金山寺、西大寺観音院(以上、岡山市)
<かつて会陽を行っていた寺>恩徳寺、安住院、満願寺(以上、岡山市)、弘法寺、静円寺(以上、瀬戸内市)、元恩寺(和気町)、円城寺(吉備中央町)

ところで、西大寺観音院以外の寺では「修正会」の際に神名帳の読み上げは行わなかったのだろうか?
密教儀式であるせいか、修法の詳細は不明なことが多い。

岡山県立図書館のHP(「会陽って何だろう」より):http://djv.libnet.pref.okayama.jp/mmhp/kyodo/kenmin/eyo/eyo-list.htm#bizen