➡ 展覧会印象記 「東京国立美術館/ “日本の家・1945年以降の建築と暮らし」 その2:
1. 続きですが、欧米と日本の建築家との違いは欧米では建築のノーベル賞と呼ばれる、有名なプリッカー賞受賞者はアメリカの次に日本建築家が多い。しかも、欧米の有名建築家では公共建築がほとんどであり、自己の建築芸術作品として前面にだす傾向がある。数百人もの大型の建築事務所だとやはり大型の案件が事務所の維持に必要であり、ザハやゲイリーのような建築事務所でも同じようである。
2. その点、日本の場合はプリッカー賞受賞者でも個人住宅を受けるのが欧米との違いと言われる。やはり、今回の展覧会のコアコンセプトである個人住宅になると、個人の施工主の価値観やライフスタイル、また同居する家族それぞれの行動スタイルなどの他予算の制限もあるのでとても制約があり公共建築と建築設計プロセスそのものは同様なので、逆に制約を含めて大変な仕事と思われる。
3. 今回の展示ではプレハブ住宅が球場の中に造られていたのが興味を引いた。主要都市での住宅展示場はおなじみの光景だが、一般のひとは具体的な見本とインテリアで家具を始め、照明などさまざまなアメニテイ、ポスターや絵画、趣味の品、TVやオーデイオ、その建物センスに合う輸入車、食器やライフスタイルをあらわす、建物そのもの以外の数多くのイメージを形成する備品が展示されているので、自分たちがそこに暮らすイメージを造りやすいので、メーカーの戦術に飲み込まれると思われる。パンフレットには必ずこれはイメージですと明記されている。
4. 現在書店でおかれている住宅雑誌を見ると30年前とは比べられないくらい、欧米のような住宅設計の影響を感じる。はや住宅そのものだけではなく、インテリアデザイナーやコーデイネーターが入り、心躍るような住宅の写真が多く見られる。特に顕著なのはIT関連の若い事業主の自邸での5台くらいの高級車ガレージや大型の別荘が散見されるが、これは会社名義だなと言うのが多いように感じる。
5. 普通の個人レベルではまず難しい建築規模と予算に思える。今回の展示はごく最近の事例もいくつか 日本固有の狭小な土地を最大にいかした実験的な住宅設計を見かけた。会場は大学の建築科在学の学生や、これからの自分達の住宅の参考にしたいちいさな子供連れや若いカップル、あるいは外国人も見受けられた。工芸館も皇居のほとりなので外国人の流れも多く見られた。
添付写真は安藤忠雄氏の”住吉の永谷”の模型と実物。
6. ➡今回の展覧会は早稲田建築AO入試を始めとする受験生にはやはり見ておくべき特徴がある。それはやはり建築という仕事に携わるプロの仕事師の人達の仕事(建築の意図、図面、建築模型)が直接にさまざまな事例で比較できる事で、この模型の展示室はしかも撮影が許可されているのが大きな特徴だ。
短時間で見る事ができないので十分に時間をとりスケッチブックやノートで印象に残る言葉や、建築模型の特徴(安藤忠雄氏のコンクリート製の模型)や、スチレンボードとケント紙が多いが木製、段ボール製なども参考になるだろう。また、清家清の斎藤教授の図面の原寸大の模型というより、実際の畳や家具、日本間、ベランダなどの材質を本物の材質で原寸大で再現されているのでとても分かり安い。
Masterドローイングはあまり展示されていないのと、ライトのような建築家本人が描いた、”美しい手描きの完成予想図レンダリング”がないのは、理系工学部で入試に実技試験が美大建築科の他には、早稲田、横浜国大、明治、武蔵工大などの他は、すべて学科入試が影響しているように感じる。
アート系の美術造形演習は10代のうちにスキルをできるだけ学ぶのを開始するのが望まれるが、現在の理系高校生にはその時間を捻出するのが難しい事を理解しているが….
7.「人生は一度の時間芸術」®です。 これは永遠ではないので、きょう寝れば明日が自然にくるという単純な話ではなく今日の努力が明日の自分をつくる。何もしないで引き寄せる事はできないのも事実。
すこし想像してみてください。「あこがれの大学の中庭でクラスメートと話をしている自分を想像する」でも「クリスマスや正月に家族で楽しく祝い、のんびりと何もしないで好きな事をしている自分を思い浮かべる..」こういうセルフイメージを思い浮かべることもとても重要です。
また、こういう意識を持つこともとても重要なことです。
“Live as if you were to die tomorrow. Learn as if you were to live forever.” ~Mahatma Gandhi
この引用を聞いたことがありますか?
"あなたが明日死ぬかのように生きる。 あなたが永遠に生きていたかのように学んでください。 "~マハトマガンジー
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