シャンテ サラのたわ言・戯れ言・ウンチクつれづれ記

"独断と偏見" で世相・経済からコミックまで 読んで楽しい 面白い内容を目指します。 

初恋と破綻1 “瀬戸の花嫁”

2016年03月15日 | トホホなマイラブ他
写真右は「瀬戸の花嫁」シングル盤。 半世紀前ヒットしたのですが、学生アパートの向かいの部屋から “いやというほど” 聴かされました。 左はネットのプロポーズ画像から。
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私も学生時代 初恋を経験しましたが、それは “ほろ苦い” というか、”甘酸っぱい” 思い出です。 2人とも初恋で幼かったせいか、半年で破綻してしまいました。 ハタチほどで化粧っけもない彼女 (千絵子:仮名) からは、当然 化粧の匂いもなく、子どものような匂いしかしませんでした。

隣のクラブに出入りする 真ん中から分けた髪の長い子 (千絵子) を度々見かけ、私好みの女性でした。 秋の大学祭でクラブが模擬喫茶店を出した時には 千絵子がカップルでやってきたので、「俺が注文のコーラを持ってく」といって そのテーブルに出しましたが、2人は無言で向き合ったままでした (※)。
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付き合い始めると 無口な人というのが分かりました。 その代わり 言葉には敏感で、なぜか「”キスミー化粧品” というのがあるけど、”キスミー” というのはいやぁね」と あるときのデートでいうのです。 私はその感覚はよく分からず、「別に会社名だから、キスミーでもいいんじゃない?」と返事すると、黙ったままでした。 そうだねといって欲しかったのかな?

思春期の女らしい潔癖さがあり、そういう感慨を抱いていたのでしょう。 今から思えば 別の返事の仕方もあったのかも__「そうだね、”ベサメ ムーチョ” という有名な歌もあるから、”キスモア” がいいかも」とか。 ベサメ ムーチョ (Bésame mucho) はスペイン語で “もっとキスを (Kiss Me Much)” という意味です。 ラテン系は歌のタイトルからして情熱的ですよね。

また「I miss you. あなたがいなくて寂しい。 あなたが恋しい」という英語の表現が好きともいってました。「うん そうなの?」としか返事しませんでしたが、少女っぽい好みなのかなぁとも感じました。 なぜ好きなのか、説明がないのでコメントしようがありませんが、多分 感傷的な雰囲気を感じるので、そのムードが好きだったのかも。
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若かった私は、初デートの時 女性 (千絵子) の気を引こうと色々な話題を持ち出してしゃべるのですが、彼女は言葉少なで 話しのキャッチボールが長続きしません。 「もっと色々話してよ」と催促するのですが、「こういう性格なのよ」という返事が返ってくるだけです。

ということは 喫茶店で黙ってコーヒーを一緒に飲んでいるばっかりになってしまいます。 千絵子と邦子 (仮名) が所属する美術クラブではどうなの?と、私と同じクラブ員の邦子に訊くと、「殆どしゃべらないよ」だそうです。

間がもたないので、「じゃ 僕のアパートにでも来る? すぐそこだから」と誘うと、すんなり付いて来ました。 別に何するでもなく、立ったまま二、三分話して最後に思いきって「千絵子さん 付き合って下さい」とお願いしたら、恥ずかしそうに また嬉しそうに小さい声で「ハイ」といってくれました。

後で 初デートでアパートに行ったのか?と友人 (野田:仮名) に不思議がられました。 確かに よく考えると、あまりないことでした。 千絵子は “私が危険な男かも知れない” ことを想定していなかったのかも。
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映画や演奏会にも誘いましたが、その後 食事したりしても、映画がどうだった、演奏がどうだったという感想も出て来ないので、ほとほと話題には困りました。 携帯電話のない時代ですから、電話ボックスから誘いの電話を家に入れると、最初に両親のどちらかが受話器を取ります。 ここでフガイナイ応対をしたら、親が呆れて「あんなフガイナイ応対をする彼氏は別れなさい」などといわれかねないと思い、ちゃんとした喋りをするよう心掛けました。

電話すると、父親は「ああ、○○さんかい? お待ち下さい」といって娘さんを呼んでくるのです __ 私の名前は知ってるよ、という印象でした。 父親からすれば、娘を奪うかもしれない ある意味 “憎いヤツ” であり、逆に 誘いの電話が来ないような持てない娘なら逆にヤキモキせねばならないという “二律背反する気持ち” だったのでしょう。

話しは飛びますが、後年 会社にかかってきた先輩との電話を思い出します __ 上司不在の折 その友人先輩から電話があり、私が代わって要件を伺 (うかが) いました。 一通り話しが終わったので、その人に関連するヨモヤマ話しを持ち出しました。

「娘さんがこちらの事業所内で働いていらっしゃるのを時々 見かけますよ。 お年頃ですね」「ハハハ いい人がいたら紹介して下さい」「そうですね~」など 当たり障りのないことを述べて、もう良かろうと思い、「それじゃ また …」と電話を切ろうとしたら、力を込めて こういうのでした __

「あの … ほ ん っ と に “いい人” がいたら紹介してよね~」__ これを聞いて 本気でいっていたんだと気が付きました。 つまり 年頃の娘に相応の男性をあてがいたいという親心が滲み出ていて、娘を持つ親も心配で大変だなぁと感じいったものです。

本題に戻って __ 電話で彼女に「何日にデートしない?」と誘うと、「その日は都合が悪い」と違う日を求められることが2、3度ありました。 今から思うと、それは毎月やってくる “女性特有の日” で、そんな日にはデートを避けたいという女心だったのかも (それとも … ?)。
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何かの懸賞で外国製の女性向けのオーデコロン (数千円相当?) が当たりました。 次のデートのとき、「男の僕には不要だから」といって彼女にプレゼントしたら、小声で「アリガト」とだけいって受け取りました。 嬉しいのか嬉しくないのか、まるでよく言葉が通じない外国人に渡すようでした。 でも 次に会ったら、「ねぇ 何か匂わない?」と嬉しそうにいうのです。

「いや よくわからないよ」と応えると、「この前 もらったオーデコロン付けてきたのよ」というのです。 私も気が利かなくて、どれどれ?とかいって彼女の顔や体に顔を近づけてフンフンと嗅いだりして彼女をクスグってあげれば良かったと今頃思います。 実際 そうして欲しかったんじゃないでしょうか? あの頃は私もウブだったのです。
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それから暫くして ある日の午後 クラブ室に行くと、3人ほどクラブ員が椅子に座っていました。 私が「おっ こんちわー」と挨拶するのですが、みな黙ったままで何だか “雰囲気が怪しい” のです。 私が座ると1人 (邦子) が、「ねえ ○○さん、あなたの彼女が所属している隣のクラブ室に1人で入ったりする?」とヘンなことをいうのです。

「なんで? 1人で他のクラブ室には入らないよ。 おかしいじゃない?」というと、「さっきまで彼女がここにいたのよ」というじゃありませんか。 次いで もう1人が、「さっき僕が来たら彼女がいてクラブノートに何か書いていたんだけど、僕がクラブ室に入っていったら 挨拶せずにそのまま出ていっちゃったんだよな」と続けます。

「ああ 彼女はそういうところがあるんだよ。 挨拶はしてるんだけど はっきりしないんだ」というしかありません。「ヌーボウとした感じよね。 彼女によくいっておいた方がいいわよ」と邦子がアドバイスをくれました。「そうだな 今度いっとく」とはいいましたが __
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ヌーボーとは … ヌーは「滑る (ぬめる)」が転じた語。 ぬめぬめして掴み所の無い様。 ボーは「呆ける (ほうける)」が転じた語。 こちらから何か働きかけようにもつかみどころが無いので働きかけることができず、本人から自発的な何かを期待しても全く何も考えていない状態なので何も期待できない、そういう状態です (Yahoo! 知恵袋から)。
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クラブノートを見ると、”○○さん、あなたがいるかと思って来てみましたが、残念ながら不在でした。 千絵子” と書いてあります。 でも結局 最後まで彼女に注意する機会がありませんでした。 なかなか そういう “恋人のよくない性格” を面と向かって指摘するというのは難しいじゃないですか。

千絵子はデートにやってきても、「お待たせー」とも「来たよ〜」も「コンニチワー」など挨拶をいわず、顔を見せるだけで無言なのです。 首をコクンと倒すこともしません。 別れ際でも、私が「それじゃ、おやすみ」といっても、微笑むだけで首を傾 (かし) げもせず、駅のホームを歩き去っていくだけです。 表情が乏しいというか、いつも同じ “微笑んだ顔” なのです。

学生のうちはそれでも許されるかも知れませんが、社会に出たら “ちゃんとハッキリと挨拶しなさい” と上司か年配者から指摘されるでしょう。 教育学部なんだから いずれ教壇に立つ “未来の先生” がそれでは務まらないでしょう。 助言しても、恐らく「こういう性格なのよ」返事が返ってくるだけだろうと予想がついていました。

その後 邦子の手引きで、千絵子が不在の時に邦子と千絵子が所属する美術クラブ室に入り、「今 これが彼女の制作している絵よ」と新聞紙大の大きさの書きかけの絵を見せてもらいました。 都市の道路の夜景の絵で、「こういうの 何だか見たことあるな」というと、「そう コレはアンチョコがあるのよ」といってました。 露出時間を伸ばして車のライトが線を引いている、よく見るものです。 あまり興味を魅かれませんでしたので、すぐ美術クラブ室を出てきました。
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その年末 所属するクラブの忘年会会場へクラブ員10人ほどで、駅そばの会場へ歩いて向かう夕方どき、反対方向から歩いてくるカップルとすれ違いました。 近づくと、何と千絵子でした。 暗がりで2人とも下を向きながら無言で歩いてるので、我々には気が付かなかったようです。 相手は秋の大学祭で喫茶店にやってきたカップルのお相手 (※) でした __ 後日談は続きで。

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