
上左は『ブラームス ピアノ伴奏版のヴァイオリン協奏曲』第1楽章、右が第2楽章 (オーボエが旋律を奏でる冒頭部分?)、下右は第3楽章、右は全曲演奏を終えた場面。
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髙木 凜々子が弾く協奏曲をピアノ伴奏版で演奏しているのを楽章ごとに YouTube 投稿されています。 河地 恵理子 (P)。 2022年2月10日 トライビートスタジオで収録。
第1楽章は 20分26秒 https://www.youtube.com/watch?v=Ec2KQ7MXGo8
第2楽章は 6分57秒 https://www.youtube.com/watch?v=5V4RIFVxAAc
第3楽章は 9分3秒 https://www.youtube.com/watch?v=GeCqnrwPXLc
もちろん 管弦楽伴奏ほどの華やかさはありませんが、逆に 管弦楽に邪魔されずパッセージが聴き取り易いです。 ですから これはこれで視聴する価値があるといえます。
第1楽章冒頭の管弦楽序奏部分の20~30小節を省き、1~2小節分のピアノ伴奏に続いてソロ・ヴァイオリンが始まります。 第2楽章冒頭でもオーボエが旋律を奏でる部分は省かれます。 冒頭からソロ・ヴァイオリンから始まる第3楽章は省略無しです。
独奏者の負担は、管弦楽伴奏でもピアノ伴奏でも同じでしょう。 独奏の楽譜を2か月余りも掛けてみっちり “頭と体に仕込む” わけですから。 体力も必要です。 五十代以降になると スタミナも切れ易くなって、第3楽章辺りでへばってしまう例もあるようですし …
そして 気付く事は、ロング・トーンで “ヴィブラート” を掛けながら弾いているのがよく聴き取れます。 特にアダージョの第2楽章で聴けます。 管弦楽伴奏だと ソロ・ヴァイオリンのヴィブラートまではあまり聴き取れない事が多いです。
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ウィキから __ ヴィブラート (vibrato) とは、演奏・歌唱において音を伸ばすとき、その音の見かけの音高を保ちながら、その音の特に高さを揺らすこと。 ヴァイオリンでヴィブラートを発するためには、指板を抑えている指の位置を揺らす。
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また 早いパッセージだとヴィブラートを掛けていても聴き取りにくく、緩やかなパッセージだと当然 聴き取り易いです。 ヴィブラートがなぜ 人間の耳に心地良いか、これは説明不能としかいいようがありません。
ヴィブラートなしのロング・トーンとヴィブラートを掛けたロング・トーンを聴き比べると判ります。 歌でも音程を保って声を出し続けると、声が揺れるのが普通ですから、発声と似ているので、それが人間的で心地良いのかも知れません。
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最後に これらの演奏映像を編集・投稿しているのは演奏者本人ではないでしょう。 映像編集というのは恐ろしく時間が掛かり、ターゲットタイムの 100倍、音声編集だけでも 20倍掛かるともいわれます。
要するに 映像や音声の収録素材から選び出し、それらを加工し繋ぎ合わせて ターゲットタイムの映像・音声を仕上げるのですから、時間が掛かるのは必然なのです (収録から2ヶ月半後に投稿はそのためです)。 “ただの撮った・録っただけ” を投稿したら __ 恐らく “スッピンの人物” を観客の前にさらすような結果になるはずです。
ただ 私は この投稿映像の素材は、複数の撮り直しをして ベスト映像を繋いだのではないと想像します。 これらは売り物ではなく、ある意味 “広告用の映像もの” ですから、そんなに手間暇を掛けてないでしょう。
それと 映像付きだと気にならなかったのですが、映像抜きの音響装置で聴くと 音がやや籠り気味というか、ヌケが悪い、ピアノとの分離が曖昧で “ごった煮” のような印象の録音です。 CD 会社のようなプロの収録ではないようです (当然といえば当然ですが)。
でも ミスが殆どない、完璧に近い演奏だと思います。 その意味で 今後も彼女の演奏映像投稿に注目したいですね。
今日はここまでです。