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シャンテ サラのたわ言・戯れ言・ウンチクつれづれ記

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日本の電子・電機産業衰退の理由は

2020年11月18日 | 電子産業は花形?
左は「人口が減少している日本で成長する産業」から。 右は記事※2から。
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中国では 日本の電子・電機産業製品の盛衰に関して 興味のある人が多いらしく、「なぜ日本の産業は衰退したのか?」というテーマの記事が時々 載っています。

それらの中で、なるほど と思われるものが出てきました。
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「強みが仇となった … だから日本の製造業は衰退した」(11月16日 Searchina ※1)
「日本の “失敗を許さない文化”、これが電機産業の衰退につながった」(16年4月18日 Searchina ※2)
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※1) には「消費者は『質の高さよりも新たな流行を求める』傾向があるため、匠 (=極める) の精神で 高くて良い品にこだわってきた日本企業が、その流れに乗れなくなった」とあるのが、印象的です。 確かに そういう傾向が日本の全産業についていえますね。

消費者の好みは移ろいやすい。 じっくりと 同じ仕様の製品を長く使い続けるよりも、新たな仕様の製品に簡単に飛びつく傾向があるので、そうした対応が得意でない日本のメーカーは世界の潮流に乗れなくなってしまった、という訳です。

この典型例はスマートフォンでしょう。 毎年 新製品を出さないと、消費者は別会社の新製品に目が移ってしまいます。 スマホを初めて世界に送り出したアップルは毎年 iPhone 新製品を必ず発表し、世界中の耳目を獲得しています (ただし それが毎年毎年 大いに魅力的な製品かというと、少し違うようですが …)。

そして 過去の “成功体験” が、追いかけてくるメーカーの新製品・新機能の分析を正確に把握するのを妨げ、消費者の好みも掴み損ねたといえるかも知れません。 ポータブル音響製品の iPod を開発・製造する能力も技術も充分にあったソニーが、アップルに出し抜かれたのは、過去のウォークマンの大成功でソニーが酔っていたのかも知れません。

※2も 100% 否定できません。 “失敗が許されない” 企業風土だと、敢えて冒険しなくなり、達成できそうな目標ばかりを追うようになり、全体として活力が失われていくからです。 この裏返しで、では成功したら成功報酬が大きいかと考えると そうでもなく、成功した企業人でも 日本では僅かな報酬しか出さない傾向があります。

青色 LED の量産技術を確立した技術者や、フラッシュメモリーを開発した技術者は成功報酬が少な過ぎると訴えて裁判を起こしました。

サムスン電子などは 事業を発展させた事業部長などは億円単位の報酬を出すともいわれ、これが躍進の原動力の1つになっているのは間違いないでしょう。 もっとも 成功した人の影には、何倍もの失敗した人がいるはずで、そうした人は40歳を前に退社の憂き目に遭っているそうで、これを韓国では “企業人生の38度線” というのだそうです。
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また こういう記事もあります __ 中国家電メーカーも “そこそこの品質” を製造できるようになり、”日本製品のわずか3割の値段で8割の質の家電” を手にすることができるので、多くの消費者が中国メーカーを選ぶ __

「日本の家電が中国から “敗走” した理由『それは高品質すぎたこと』」(7月29日 Searchina ※3) __ 中国メーカーが力を付けてきて、日本メーカよりも安価で “そこそこ品質” を提供すれば、殆どの消費者は中国製を選ぶというのは自然な流れです。

これは家電製品だけでなく、多くのローテク製品でも同様です。 我々の周りの多くの安価な生活品が中国製となっています。 これはどの国も同様の傾向ですね。 短期間で壊れても、”安い中国製だから仕方ないか …” という心境になります。

実際 私が使っていた “3千円ほどの腕時計型歩数計” の充電池が最近へたって、1年も経たずに使えなくなりました。 表示や機能は問題ないのですが、電池がもたなくては使えません。 電池はユニバーサル品ではなく、埋め込み品なので交換もできません。
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そして 89年には日本企業が世界市場シェアの 53%を占め、90年には世界の企業トップ10のうち6社を日本企業が占めていた半導体も、2000年には3社に、14年には2社にまで減ったのは、設計のみで自社生産をしないファブレス企業と、ファブレス企業が設計したものを製造する OEM 企業に二分化され、垂直統合型 (IDM) が主体の日本企業は大きな打撃を受けた __

「日本の半導体の “失われた33年”、なぜ時代に乗り遅れたのか」(7月29日 RecordChina) __ これも半導体の発注元である日本の電子・電機企業が売上を失ったため、必然的に日本の半導体企業への発注が減った事が原因の1つでしょう。

この分析も、世界最大の半導体メーカーのインテル社 (IDM) が、台湾 TSMC (OEM) との微細化競争で遅れを取り、インテルがもがいている状況にも重なって見えます。 インテルもかつての日本企業のように沈んでいくのでしょうか?

今日はここまでです。

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