
左から「店外のテーブルで食事中 … ん?お邪魔虫? … 両手でTシャツごとテーブル上の虫をバシッ! 更にバシバシと3連打。 最後は片手で虫を振り飛ばし … 」(https://www.youtube.com/watch?v=BisqfyNkcGo)。 デカパイはこうするためにある?
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「あれだよ、あれ」__ 私が経験、人聞きした「会社人間喜劇」の一例です。
1) 昔 私が若かりし頃、とある営業所時代に経験した出来事です。 30代前半の上司が後ろの席から私に唐突に質問します __「鈴木 (仮名) 君、あれはどうなった?」
「はー? 何でしたっけ?」
「あれだよ、あれ」
「はぁ? ナンでしょうか?」
「う~ん、… あれだよ、あれ … う~ん」
それで問答は続かずに終わりました。 この上司は部下に質問しなくては、ということだけが頭にあって 質問の内容は頭からすっとんでいたのです。
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2) この上司との理不尽な事例はまだあります __ 取扱製品展示会で説明するスタッフの一人として、営業部員全員が展示会にて 立って顧客を待ち構えていた時のことです。
そうそう当社の展示ブースに 説明員の数だけ顧客が都合よくやってきて、展示品をみたり 説明員に聞くことはなく、殆どの説明員は手持ち無沙汰で 仲間同士で立ち話をしたりして時間を過ごしています。 よくある光景です。
展示製品のメーカー元 (米国) からも営業が丁度来日中で、展示会に来ていました。 そこで立ち話の延長で、その米国人とその場でどうでもいいような話しをしました。
“ How's your business? ”
“ Oh, it's ah … bigger and bigger, year by year, all over the world.”
“ Growing up and up! That's good.” __ なんてね。
それを近くで聞きつけた件の上司が、早速 私にいってきます_「そんなとこで、ウダウダと油を売ってんじゃねぇ。 客の相手をしてろ」と私の肩を両手で押してまでして、米国人との会話から引きはがします。
肩をすくめて仕方ないよという目で米国人に合図して、上司に従いました。 その上司も同僚と立ち話をしていたのですが、想像するに 部下がイッチョマエに米国人と英語で会話しているのが気に食わない、ということだったようです。
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3) 社外では、これと似た “理不尽な例” がありました。 それは同業者を束ねる業界団体の理事長 (専務理事) の対応についてです。
新しい報告を団体が発表する前に、その団体会長 (持ち回りで 同業社の社長か会長が就任します) に事前説明ということで、団体会長の所属する会社に出向きました __ 報告を作成した部門の代表二人のうちの一人としての私、団体事務局の一人、そして理事長と朝に最寄りの駅で待ち合わせたのです。
事務局の一人と顔を合わせ、当然 互いに頭を少し傾けながら、「お早うございます」と言葉を交わします。 少し遅れて理事長がやってきました。 私はその理事長にお会いするのは初めてでした。
同じように 頭を少し傾けながら、「お早うございます。 朝早くからご苦労様です。 東海道 (仮名) 会社の鈴木です」と話しかけました。
普通の人は、ここで「お早うございます。 竹田 (仮名) です」とか返事しますが、この理事長は無言です。 頭も下げません。 今日はキゲンが悪いのかなと想像しました。
事務局の人はもう顔見知りなので、気にする風でもなく、タクシーを呼びに行きました。
団体会長のいる会社に着いて、受付で用件を告げ、ソファに全員腰掛けて待っている時のことです。 待つ間に、その理事長が書いた業界本について、「理事長が以前いらっしゃった会社で執筆した本を読ませていただきました」と私がお愛想をいったら、少し頬をゆるませました。
新たな来客がやってきましたが、それを見ると、理事長は親しげに手を振って、「やぁ、大西 (仮名) さん。 今日はなんですか?」と話しかけます。
ややあって その来客が姿を消すと、自分から私たちに聞かれるまでもなく、話し始めます __「彼は私の出身会社大和電気 (仮名) の同僚だ。 彼が行ったエル … 会社の社長はどうしようもないやつだよ。 もう そこから元の大和電気に戻ってきているそうだ」と、そのエル … 会社社長の悪口を平然と初対面の私に話すのです。
普通 初対面同士の場合は、悪い話しはしないもので、褒め合うか、第三者についてもけなすことはしないものです。
業界本を書くくらいですから、元々 相当に能力の高い人ですが、この理事長は相当に “心がネジ曲がっている人” だなと感じました。
想像ですが、その大和電気出身会社で出世が果たせず、業界団体の理事長に収まっていることに不満で、オレはこんなところで満足すべき人物ではないんだ、もっとしかるべき処遇がある筈で、こんな所の理事長にはいつまでもいないぞ、というウップンが満ちて 回りの者に当っているのではないかと感じました (♯) 。
後日 別の業界人にこの話しをしたら、
「ああ、あの人は日本人には頭を下げないし、挨拶もしないよ。 社外から来る人は、あの人がウンといわないと大和電気が購入しないと分かっているから みんなペコペコですよ。 外人を連れていった時は挨拶しましたけどね」という具合です。
上記の私の想像話し (♯) をしたら、「恐らくそうでしょう」とのことで、私の想像が外れていないだろうことが分かりました。
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4) 最後は社内から聞いた話しです。 私が元 所属していた東海道会社は、大和電気などへモノを納入して稼ぐ会社ですから、大和電気などのそれなりの地位の人には頭が上がりません。
その同業の松島会社 (仮名) と東海道会社は取引関係がうまくいって、松島会社は東海道会社の製品を大量に購入していました。 松島会社のそれなりの地位の人 大滝氏 (仮名) は、技術交換会とする説明会に講師として東海道会社を頻繁に訪問していました。
東海道会社は、社長以下幹部が揃ってこの大滝氏を出迎え、下へも置かぬ扱いで大滝氏の話しを拝聴します。 ざっくばらんになるほど、その説明会は回数を重ねたようです。 恐らく、接待もひとかたならぬもてなしようだったと推測します。
いつ頃からか 大滝氏は東海道会社に来ると、東海道会社社長をサン付けでなく、人前でも “呼び捨て” にするようになったそうです。 恐らくは酔った時の勢いで そう呼び始めたのでなかいかと思います。 社長はいい気持ちではないものの、重要顧客の重要人物ですから、我慢して笑顔で対応していたことと想像します。
さて、不況カゼが業界に吹き始めると、松島会社は所帯が大きいだけに 幹部連には相当にコタエタらしく (=減給を意味)、大滝氏は東海道会社に幹部として転職できないかと社長に打診したそうです。
社長の反応は? 丁重にお断りしたと聞きます。 恐らく、「とんでもありません。 大滝さんのような有能な方は、うちのような 吹けば飛ぶような東海道会社でなく もっと立派なところへ行くべきですよ」くらいのオベッカはいったと思いますね。
結局 大滝氏は東京大学教授に転身しました。 当然でしょうが、大滝氏が東海道会社に転身してきて社長を呼び捨てにするのは 社長も歓迎じゃないですよね。
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私の経験ですと、大きな会社は図体が大きいだけに有能な人物が多いですが、常識というか他人に対する対応は千差万別で、一つの街の住民ようなイメージがあります (色んな人がいるという意味です)。
ですから、立派な人物もいれば、下らない常識外れの人物もいます。 それは能力とは関係がありません。 その下らない人達は、立場上弱い社外の者には辛く当る傾向があるようです。
それは社内での自分への評価に無関係ですからね。 そんな所では性格がモロに出易いのです。 けれど、こうもいいますね __ サラリーマンは頭を下げるのが仕事。 それも給料のうち __ とね。 そう思えば、あまり頭から湯気も出なくなります。
けれど、やっぱり耐えるのは大変すよ。 それらストレスが体に出ると、ハゲ、白髪、病気などになるんでしょうね。 いや 中年以降で髪が黒々している人は苦労がないといってる訳じゃありませんが。 誰かがいっていました __ ハゲはサラリーマンの勲章だと。
今日はここまでです。