写真左は、3ケタジーンズへの疑問を告白する川久保玲。 右はイオン「ベストプライス by トップバリュ 880円 ファッションシリーズ」
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従来 数千円で販されていたジーンズが、千円以下で手に入るとなれば、消費者が飛びつくのも当然だろう。 また「いい物は高い」(川久保玲) のも理解できる。 どちらかが正論で、片方が間違いとは思えない。
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「3ケタジーンズ "ありえない" 川久保玲さん発言で物議」(12月22日 J-CAST ニュース) _ ※追加1へ
「690円 ジーンズのドンキホーテ PB 本格参入の背景」(10月15日 J-CAST ニュース) _ ※追加2へ
「イオンが "880円 ジーンズ" 発売」(8月13日 J-CAST ニュース) _ ※追加3へ
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1990年代初めにバブルが弾けてから、極論すれば 物価/ GDP /多くのサラリーマンの年収はフラットです。
それは色々な理由がある__企業が借金を返済するために社員に払う年収を抑えていること、中国などの新興国からの輸入品が国内品と競合して物価の上昇を抑えていること、税収が伸びないので国や自治体の発注する額が伸び悩み 受注する企業の売上も伸びないことなどだ。
話題の千円以下ジーンズは、当然ながら国内で縫製される製品ではなく、賃金の安価な途上国で縫製されている。 この製品の品質が悪ければ、市場からは駆逐されているはずだが、そういう声は聞かない。 ということは、「そこそこの品質がある」とみていい。
一方、手間ひまかけて品質のいいジーンズを作れば、どこで縫製しようと価格が高くなるのは当然だろう。 選ぶのは消費者だ。 千円以下ジーンズで満足できる層はそれを着ればいいし、数千円のブランドジーンズでなければ満足できない層はそれを着ればいい。
ワインも同じで、300円のワインもあれば、3万円のワインもある。 どちらも立派に成り立っている。 この流れをせき止める、つまり高関税をかけて格安品の流入を排除するのは時代の流れではない。
20万円のインドの車があってもいいし、2億円の高級車があってもいい。 それだけの話しだ。 要するに、一定の消費者を満足させるだけの要素を持っていれば、それ以外の層のカテゴリーと競合することはない。 全消費者を満足させようとドンブリで考えると、話しがおかしくなる。
ドンキの 690円 ジーンズを全ての消費者に、数千円のリーバイスを全てのカテゴリーの層に押し付けることはできないでしょう。
以上
※追加1_ いい物は高い、格安3ケタジーンズはありえない__。 ファッションデザイナーの川久保玲さん (67) がこう発言して、論議を呼んでいる。 コスト削減ばかりを追い求めると、いい物を作れなくなり、長い目で見て利益にならないというのだ。
川久保玲さんと言えば、かつて高級既製服プレタポルテの旗手として一世を風靡した。 自らのブランド「コムデギャルソン」を1969年に立ち上げ、81年にはパリ・コレクションにデビュー。 カラス族を生んだ黒ずくめの服で異彩を放ち、その後も前衛的なファッションを次々に発表している。
● ネット上では3ケタジーンズ否定に異論も ●
その大御所が、今度はネット上で脚光を浴びた。 それは、朝日新聞の12月21日付インタビュー記事においてだ。
同社編集委員の質問に、川久保さんは、売ることばかり考えるとファッションが見えないとあがいていると明かすと、次のように訴えたのだ。
「ジーンズ1本が何百円なんてありえない。 どこかの工程で誰かが泣いているかもしれないのに、安い服を着ていていいのか。 いい物には人の手も時間も努力も必要だからどうしても高くなる。 いい物は高いという価値観も残って欲しい」
もちろん、言及しているのは、ジーンズの価格破壊だ。
ユニクロ系列店が09年3月、990円 というジーンズを発売したのをきっかけに、競争が激化。 流通大手のイオンなどが 880円 で、さらにドン・キホーテに至っては 690円 で売り出した。
3ケタへの価格下落で、リーバイスなどの既存ブランドは、売上が激減している。 川久保さんは、安さを求めた結果、若い人たちの創造性が失われていくのも心配だというのだ。
これに対し、ネット上では、3ケタジーンズ否定に異論も相次いでいる。 2ちゃんねるでは、川久保さんに同調する意見もあるが、「いいものを安く作ろうという努力観はないのか?」
「ブランドと言うバッチだけで高価な商品が多くなりすぎた」といった書き込みも多い。
●「ウェブに前向きではありませんので、(取材は) お受けできません」●
川久保玲さんが社長のコムデギャルソンでは、ユニクロなどの量販店と1ケタ違う価格の衣料品が多いようだ。
通販サイトを見ると、外国人イラストレーターを起用した T シャツが 1万3440円、英モーターサイクルジャケットのブランドとコラボしたスニーカーが 3万5805円、4万2000円 で売られていた。
同社に取材しようとしたが、プレス担当者は、「弊社は、ホームページもなく、ウェブに前向きではありませんので、お受けできません」とのことだった。 さらにネット上の異論について聞くと、「個人個人でお思いになられたことですので、何も申し上げることはありません。 記事に出たのが川久保の意見で、それ以上でもそれ以下でもないです」と話した。
ジーンズ販売現場では、「3ケタ」への対応の違いで、考え方が分かれている。
880円 の商品を売り出したイオンでは、品質についてこう弁護する。
「スケールメリットなどで、品質のよいものを安くできています。 委託先の工場に継続的に発注していることから、スキルが上がり、生産性もアップしています。 機能はしっかりしており、一定基準をクリアしています。 洗い加工を加えた 1980円 のジーンズも揃え、デザイン性でもお選びいただけます。 いろんな意見があるようですが、無理に安くしているわけではなく、合理的な仕組みで利益を上げているんですよ」
8月に 880円 ジーンズを発売して、3か月で 70万本 も売り上げたという。
一方、リーバイスなど既存ブランドを主に扱っているジーンズメイトでは、3ケタジーンズについてやや懐疑的な見方だ。
「薄い生地や原価の安いボタンなど、それでもいいというお客さまで成り立っているようですね。 工場で余ったものを使っているといううわさもあり、生地がなくなれば安定的に供給できなくなるのでは。 うちは『ジーンズ』の名前をうたっていますので、ある程度クオリティのあるものでやっています。 丈夫にできていて安心というブランドバリューがありますからね。 わざと古着っぽくするなどファッション性を出すと、コストもかかるんですよ」
1万円以上のブランド物もあるが、安くてもクオリティのある 1990円 の商品も揃え、2極化する客のニーズに応えていきたいともいう。
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※追加2_「激安の殿堂」のキャッチフレーズで知られるディスカウント量販大手のドン・キホーテ (本社・東京都目黒区) は10月14日から、食品や衣料品などのプライベート・ブランド (PB) 商品を売り出した。
イオンやダイエーなどの大手スーパーやセブン&アイなど流通最大手グループが PB の拡充やディスカウント業態の出店を進める中、「安売り量販店の中で最も安い価格帯」で業績を伸ばしてきた従来の戦略も色あせてきた。 もう一段の値下げを打ち出すためには、メーカーの領域に自ら踏み込んでコストを削減する PB の拡充が欠かせないという判断があるようだ。
ドンキは、メーカーから一括購入した商品を、限られたスペースに箱に入れたまま大量に陳列して、販売にかかるコストを大幅に削減し、スーパーなどより安い価格を実現してきた。 掃除機、調理器具やテーブルなどの簡易インテリア用品で「biz」という PB をすでに展開している。
● ブランド力はないものの高い技術を持つメーカーへ発注 ●
しかし、イメージ的には低評価をぬぐえず、PB としての認知度も低い。 食品や衣料など大半の商品は今でもナショナル・ブランド (NB) のメーカー品だ。
新しい PB は食品、衣料品のほか家電、雑貨、おもちゃなど約 100品目で、将来的には約 300種類に広げる計画という。 10月14日から全国のドン・キホーテ、MEGA ドン・キホーテ、長崎屋の計約 220店舗で発売。「他社を圧倒する価格と品質で来店客を増やしたい」と同社関係者は話す。
食品の製造は、一流メーカーと肩を並べる味と品質を持つ中堅メーカーや大手の下請けを担当するメーカーなどに委託する。 イオンやセブン&アイなど流通最大手の PB の製造を請け負っているのが独自のブランド力を持つ NB の大手メーカー。 これに対し、自らのブランド力はないものの高い技術を持つメーカーへの発注で仕入れ価格を大幅に削減するのがドンキの PB の特徴だ。
● 各社の低価格路線に押され客足も伸び悩み? ●
衣料品も、子会社化した長崎屋の調達ルートを生かし、高品質・低価格の商品開発を目指す。 一部ではカジュアル衣料品店「ユニクロ」のように調達、生産、販売まで一括管理する SPA (製造小売り) の手法を使う考えで、同じ商品の価格なら大手スーパーなどより最低でも約1割安い価格設定にするという。
同社はもともと、売り場の美観などにこだわらず、商品の安さにこだわる若者層を想定した店舗展開を進めてきた。 ただ、カジュアル衣料最大手、ファーストリテイリングが「990円 ジーンズ」を発売、それに追随するイオン、西友などの 800円台 ジーンズの登場で客足の伸び悩みが始まっている。 ドンキが14日に売り出した新たな PB のジーンズは、今のところ大手各社で最安値の 690円、「驚安 (きょうやす)」と名付けられた。
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※追加3_ 総合小売業大手のイオンは、プライベートブランド (PB) の「トップバリュ」から880円のジーンズ、シャツ、ネクタイ3種類を全国のグループ店舗で販売する。ジーンズは8月14日から。シャツとネクタイは8月25日から。
ジーンズは独自のアンケート調査から、消費者が求める「低価格」と「はき心地」を重視。 生地の一括発注や工場の閑散期での生産などでコストダウンを実現する。 最大の特徴は豊富なサイズ。特に男性用ジーンズでは股下サイズ7種とウエストサイズ9種、合計 63種類を用意しており、自分に適した長さのジーンズが選べる。
買ってすぐにはくことも可能で、裾上げ代もかからない。
男性用ジーンズはストレートタイプのものでレギュラーとリラックス (ゆったり感があるもの) の2種類。 女性用はブーツカット。 今後、同シリーズから婦人向け7分丈パンツなども展開する予定。 ジーンズの販売は 100万本 を目標としている。
以上
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従来 数千円で販されていたジーンズが、千円以下で手に入るとなれば、消費者が飛びつくのも当然だろう。 また「いい物は高い」(川久保玲) のも理解できる。 どちらかが正論で、片方が間違いとは思えない。
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「3ケタジーンズ "ありえない" 川久保玲さん発言で物議」(12月22日 J-CAST ニュース) _ ※追加1へ
「690円 ジーンズのドンキホーテ PB 本格参入の背景」(10月15日 J-CAST ニュース) _ ※追加2へ
「イオンが "880円 ジーンズ" 発売」(8月13日 J-CAST ニュース) _ ※追加3へ
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1990年代初めにバブルが弾けてから、極論すれば 物価/ GDP /多くのサラリーマンの年収はフラットです。
それは色々な理由がある__企業が借金を返済するために社員に払う年収を抑えていること、中国などの新興国からの輸入品が国内品と競合して物価の上昇を抑えていること、税収が伸びないので国や自治体の発注する額が伸び悩み 受注する企業の売上も伸びないことなどだ。
話題の千円以下ジーンズは、当然ながら国内で縫製される製品ではなく、賃金の安価な途上国で縫製されている。 この製品の品質が悪ければ、市場からは駆逐されているはずだが、そういう声は聞かない。 ということは、「そこそこの品質がある」とみていい。
一方、手間ひまかけて品質のいいジーンズを作れば、どこで縫製しようと価格が高くなるのは当然だろう。 選ぶのは消費者だ。 千円以下ジーンズで満足できる層はそれを着ればいいし、数千円のブランドジーンズでなければ満足できない層はそれを着ればいい。
ワインも同じで、300円のワインもあれば、3万円のワインもある。 どちらも立派に成り立っている。 この流れをせき止める、つまり高関税をかけて格安品の流入を排除するのは時代の流れではない。
20万円のインドの車があってもいいし、2億円の高級車があってもいい。 それだけの話しだ。 要するに、一定の消費者を満足させるだけの要素を持っていれば、それ以外の層のカテゴリーと競合することはない。 全消費者を満足させようとドンブリで考えると、話しがおかしくなる。
ドンキの 690円 ジーンズを全ての消費者に、数千円のリーバイスを全てのカテゴリーの層に押し付けることはできないでしょう。
以上
※追加1_ いい物は高い、格安3ケタジーンズはありえない__。 ファッションデザイナーの川久保玲さん (67) がこう発言して、論議を呼んでいる。 コスト削減ばかりを追い求めると、いい物を作れなくなり、長い目で見て利益にならないというのだ。
川久保玲さんと言えば、かつて高級既製服プレタポルテの旗手として一世を風靡した。 自らのブランド「コムデギャルソン」を1969年に立ち上げ、81年にはパリ・コレクションにデビュー。 カラス族を生んだ黒ずくめの服で異彩を放ち、その後も前衛的なファッションを次々に発表している。
● ネット上では3ケタジーンズ否定に異論も ●
その大御所が、今度はネット上で脚光を浴びた。 それは、朝日新聞の12月21日付インタビュー記事においてだ。
同社編集委員の質問に、川久保さんは、売ることばかり考えるとファッションが見えないとあがいていると明かすと、次のように訴えたのだ。
「ジーンズ1本が何百円なんてありえない。 どこかの工程で誰かが泣いているかもしれないのに、安い服を着ていていいのか。 いい物には人の手も時間も努力も必要だからどうしても高くなる。 いい物は高いという価値観も残って欲しい」
もちろん、言及しているのは、ジーンズの価格破壊だ。
ユニクロ系列店が09年3月、990円 というジーンズを発売したのをきっかけに、競争が激化。 流通大手のイオンなどが 880円 で、さらにドン・キホーテに至っては 690円 で売り出した。
3ケタへの価格下落で、リーバイスなどの既存ブランドは、売上が激減している。 川久保さんは、安さを求めた結果、若い人たちの創造性が失われていくのも心配だというのだ。
これに対し、ネット上では、3ケタジーンズ否定に異論も相次いでいる。 2ちゃんねるでは、川久保さんに同調する意見もあるが、「いいものを安く作ろうという努力観はないのか?」
「ブランドと言うバッチだけで高価な商品が多くなりすぎた」といった書き込みも多い。
●「ウェブに前向きではありませんので、(取材は) お受けできません」●
川久保玲さんが社長のコムデギャルソンでは、ユニクロなどの量販店と1ケタ違う価格の衣料品が多いようだ。
通販サイトを見ると、外国人イラストレーターを起用した T シャツが 1万3440円、英モーターサイクルジャケットのブランドとコラボしたスニーカーが 3万5805円、4万2000円 で売られていた。
同社に取材しようとしたが、プレス担当者は、「弊社は、ホームページもなく、ウェブに前向きではありませんので、お受けできません」とのことだった。 さらにネット上の異論について聞くと、「個人個人でお思いになられたことですので、何も申し上げることはありません。 記事に出たのが川久保の意見で、それ以上でもそれ以下でもないです」と話した。
ジーンズ販売現場では、「3ケタ」への対応の違いで、考え方が分かれている。
880円 の商品を売り出したイオンでは、品質についてこう弁護する。
「スケールメリットなどで、品質のよいものを安くできています。 委託先の工場に継続的に発注していることから、スキルが上がり、生産性もアップしています。 機能はしっかりしており、一定基準をクリアしています。 洗い加工を加えた 1980円 のジーンズも揃え、デザイン性でもお選びいただけます。 いろんな意見があるようですが、無理に安くしているわけではなく、合理的な仕組みで利益を上げているんですよ」
8月に 880円 ジーンズを発売して、3か月で 70万本 も売り上げたという。
一方、リーバイスなど既存ブランドを主に扱っているジーンズメイトでは、3ケタジーンズについてやや懐疑的な見方だ。
「薄い生地や原価の安いボタンなど、それでもいいというお客さまで成り立っているようですね。 工場で余ったものを使っているといううわさもあり、生地がなくなれば安定的に供給できなくなるのでは。 うちは『ジーンズ』の名前をうたっていますので、ある程度クオリティのあるものでやっています。 丈夫にできていて安心というブランドバリューがありますからね。 わざと古着っぽくするなどファッション性を出すと、コストもかかるんですよ」
1万円以上のブランド物もあるが、安くてもクオリティのある 1990円 の商品も揃え、2極化する客のニーズに応えていきたいともいう。
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※追加2_「激安の殿堂」のキャッチフレーズで知られるディスカウント量販大手のドン・キホーテ (本社・東京都目黒区) は10月14日から、食品や衣料品などのプライベート・ブランド (PB) 商品を売り出した。
イオンやダイエーなどの大手スーパーやセブン&アイなど流通最大手グループが PB の拡充やディスカウント業態の出店を進める中、「安売り量販店の中で最も安い価格帯」で業績を伸ばしてきた従来の戦略も色あせてきた。 もう一段の値下げを打ち出すためには、メーカーの領域に自ら踏み込んでコストを削減する PB の拡充が欠かせないという判断があるようだ。
ドンキは、メーカーから一括購入した商品を、限られたスペースに箱に入れたまま大量に陳列して、販売にかかるコストを大幅に削減し、スーパーなどより安い価格を実現してきた。 掃除機、調理器具やテーブルなどの簡易インテリア用品で「biz」という PB をすでに展開している。
● ブランド力はないものの高い技術を持つメーカーへ発注 ●
しかし、イメージ的には低評価をぬぐえず、PB としての認知度も低い。 食品や衣料など大半の商品は今でもナショナル・ブランド (NB) のメーカー品だ。
新しい PB は食品、衣料品のほか家電、雑貨、おもちゃなど約 100品目で、将来的には約 300種類に広げる計画という。 10月14日から全国のドン・キホーテ、MEGA ドン・キホーテ、長崎屋の計約 220店舗で発売。「他社を圧倒する価格と品質で来店客を増やしたい」と同社関係者は話す。
食品の製造は、一流メーカーと肩を並べる味と品質を持つ中堅メーカーや大手の下請けを担当するメーカーなどに委託する。 イオンやセブン&アイなど流通最大手の PB の製造を請け負っているのが独自のブランド力を持つ NB の大手メーカー。 これに対し、自らのブランド力はないものの高い技術を持つメーカーへの発注で仕入れ価格を大幅に削減するのがドンキの PB の特徴だ。
● 各社の低価格路線に押され客足も伸び悩み? ●
衣料品も、子会社化した長崎屋の調達ルートを生かし、高品質・低価格の商品開発を目指す。 一部ではカジュアル衣料品店「ユニクロ」のように調達、生産、販売まで一括管理する SPA (製造小売り) の手法を使う考えで、同じ商品の価格なら大手スーパーなどより最低でも約1割安い価格設定にするという。
同社はもともと、売り場の美観などにこだわらず、商品の安さにこだわる若者層を想定した店舗展開を進めてきた。 ただ、カジュアル衣料最大手、ファーストリテイリングが「990円 ジーンズ」を発売、それに追随するイオン、西友などの 800円台 ジーンズの登場で客足の伸び悩みが始まっている。 ドンキが14日に売り出した新たな PB のジーンズは、今のところ大手各社で最安値の 690円、「驚安 (きょうやす)」と名付けられた。
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※追加3_ 総合小売業大手のイオンは、プライベートブランド (PB) の「トップバリュ」から880円のジーンズ、シャツ、ネクタイ3種類を全国のグループ店舗で販売する。ジーンズは8月14日から。シャツとネクタイは8月25日から。
ジーンズは独自のアンケート調査から、消費者が求める「低価格」と「はき心地」を重視。 生地の一括発注や工場の閑散期での生産などでコストダウンを実現する。 最大の特徴は豊富なサイズ。特に男性用ジーンズでは股下サイズ7種とウエストサイズ9種、合計 63種類を用意しており、自分に適した長さのジーンズが選べる。
買ってすぐにはくことも可能で、裾上げ代もかからない。
男性用ジーンズはストレートタイプのものでレギュラーとリラックス (ゆったり感があるもの) の2種類。 女性用はブーツカット。 今後、同シリーズから婦人向け7分丈パンツなども展開する予定。 ジーンズの販売は 100万本 を目標としている。
以上