シャンテ サラのたわ言・戯れ言・ウンチクつれづれ記

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小曲むきのグリーグ2

2013年03月27日 | ドイツ以外の音楽
写真中央はブロムシュテットとヤルヴィ。
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『ペール・ギュント Peer Gynt』の全曲 CD を2種類聴いた__ブロムシュテット指揮サンフランシスコ響 San Francisco SO のもの (Decca) と、ヤルヴィ指揮エーテボリ響 Gothenburg (DG) のものでどちらも二十数年前の録音。 前者を聴いたときは、まぁこんな音楽だよと納得していたが、後者には少しびっくりし こんなに生き生きとした音楽だったのかと、大いに耳を傾けさせられた。

何が違うかというと、前者はあっさりしたスマートな都会的といってもいい演奏、後者は地方色というか民族色というものが感じられ 面白く演奏しようという思い入れが詰まっている感じだ。 歌い手にもそれが感じられる (最も有名な「ソルヴェイグの歌」は、バーバラ・ボニーが歌っているが、いつもの “しっとりした歌唱” だ)。 特に後者には 語り手に役者を起用しているせいか、演劇っぽい雰囲気が出ている。

指揮者の写真を見ると ブロムシュテットは都会のスマートなお爺様、ヤルヴィはもっさりした いなかのどこにでもいるような 太って剥げたお爺様という風貌だが、演奏されるグリーグの音楽は、ヤルヴィのが成功した。 第1曲「婚礼の場にて」でヴィオラ独奏のノルウェー舞曲と、第2曲「ハリング」・第3曲「スプリンガル」では、民族楽器ハルダンゲル・フィドルによる共鳴弦の響きと開放弦のうなりが特徴的だ。

こういう 普通あまり使われないような楽器を採用して録音しようというのは、指揮者ヤルヴィの意図なのかプロデューサーの意図なのかは分からないが、結果としてはうまくいっている。 ただし フィルアップ曲の劇音楽 “十字軍王シーグル” と管弦楽 “ベルグリオット” は良くなかった。 あくまでフィルアップ曲 (おまけ)。
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ウィキペディアから__ ヘルベルト・ブロムシュテット (Herbert Blomstedt) は、オーケストラの資質を引きだし、充実した演奏を行う指揮者として評価が高い。 無駄のない、クリアかつシャープな響きを構築する。 拍節感に優れ、オーケストラビルダーとしても一流である。 リハーサルは非常に厳格で、特にN響団員からは尊敬されるとともに恐れられている。

ネーメ・ヤルヴィ (Neeme Järvi) は打楽器奏者出身の指揮者であるためか、ティンパニや小太鼓等を強調する傾向があると共に、速いテンポ設定により、音楽のうねりや力感を強調し、情緒やニュアンスを排した解釈が特徴的である。 それ故 引き出される音楽は、一方では知的で構成力を感じさせる半面、ともすれば無味乾燥ともとられかねない。 しかし、細部にとらわれずに、巧みな牽引力によってオーケストラから輝かしく力強い音色を引き出し、爆発的に燃焼力の高い演奏を行なっている。
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以上

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