シャンテ サラのたわ言・戯れ言・ウンチクつれづれ記

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フィッシャーの最高のブラコン演奏

2020年07月30日 | 渋い作曲家といえば
上はメスト指揮 CO のビデオ盤の YouTube 投稿から。 上右は終わって聴衆から総立ちの拍手喝采を受けている様子。 下左はその記録を収めたブルーレイビデオ。 その右はトーマス指揮 NDR ライヴの2010年投稿の YouTube 画面から。 その右はクライツベルク指揮オランダ・フィル伴奏の SACD (PentaTone 2006年録音)。 右は「サラサーテ小品集」(DECCA)。
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ドイツの女流ヴァイオリニスト ユリア・フィッシャー Julia Fischer の弾くブラームスの協奏曲ライヴ録音が YouTube に3つ投稿されています。

マゼール指揮ニューヨーク・フィルと共演したもの (音声のみで動画像なし 2007年 https://www.youtube.com/watch?v=Rc0fILjltUU)、ティルソン・トーマス指揮 NDR (北ドイツ放) 響との共演 (2010年投稿 https://www.youtube.com/watch?v=3VmYTx4TsUs)、そして ウェルザー=メスト指揮クリーヴランド管 (CO) のブルーレイビデオ (2014年 冒頭上 https://www.youtube.com/watch?v=ewhMUxxhb1w) です。 これは今月 投稿されました。 画質も最高です。

SACD 録音も含め、この4つのブラコンの中では CO との最新演奏が最高だと思います。 壇上に登場した時から自信満々の様子がうかがえ、時にはのけぞるようにして弾き、一寸の乱れもありません。 特に 曲中で あまり弾かれない低音のG線を奏でる音の豊かさにも驚かされます。 何分も続くスタンディング・オベーション (聴衆総立ちの拍手喝采) も当然かと思います。

ムターの次にヴァイオリン界の女王の座に座るのは彼女ではないかと推測します。 小柄ながら、日本人とは違う 間違いなく 肉食人種の力強い演奏だと思いましたね。 今後の活躍が楽しみです。

名曲小品集などがリリースされたら欲しいのですが、彼女が弾いた「サラサーテ小品集」(DECCA 冒頭下右) は ある意味 上手すぎて、超絶技巧曲ではなく あまりにもあっさりと聴こえ、もう少し “苦労して難曲を弾いてる” というのを示して欲しかったですね。

前橋汀子が、留学先のロシア人のように豪快な演奏は出来ないが、日本人らしい繊細な表現を模索し (2017年 日経「私のヴァイオリン」)、それで成功したのも判るような気がします。 彼女はメンチャイ、シベリウス・ブルッフの協奏曲は録音しましたが、ブラームス・楽聖のは残しませんでした。

YouTube にブラコンの2013年ライヴ (https://www.youtube.com/watch?v=Fomrt4piObg) が投稿されていますが … 本人も CD 化したいとは望んでいないでしょう __ そこの投稿コメント「コンサート聴いてきました。 2016年。 さすがに年齢的な齟齬がちらほらと、でも乗っているときは、いい演奏。 まだまだ現役」

もう1人 米国人のヒラリー・ハーン Hilary Hahn も活躍していますから、こちらも注目です。 名前から こちらもドイツ系ですね。「2001年のマリナー指揮のアカデミー室内管弦楽団とのブラームスとストラヴィンスキー協奏曲の録音により、2003年 グラミー賞を受賞しています」(ウィキ)
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CO の演奏が終わって独奏者を讃える “お約束の儀式” があります __ 第2楽章冒頭でソロ・オーボエを吹いた奏者を指揮者が指名して起立させ、拍手を受けさせます。 同じブラームスのピアノ協奏曲第2番第3楽章でもチェロ独奏がありますから、これも “お約束” です。

逆に これを忘れると、指揮者は後から恨まれるかも知れませんから、指揮者やるのも楽じゃありません。 音楽的能力以外に、こうした “気遣い能力” も必要です。

蛇足ですが、冒頭に取り上げた指揮者のマゼールとクライツベルクはもう亡くなっています。 それと ウェルザー=メストは元ヴァイオリン奏者でした。 CO 常任 (2002~) の傍ら、一時 (2010~14) ウィーン・オペラ監督を兼務しましたが、早期に辞任しています。

今日はここまでです

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