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原発問題

原発事故によるさまざまな問題、ニュース

『美味しんぼ「鼻血問題」に答える』<アメリカで行われた乳がん死亡率調査の驚き> ※24回目の紹介

2015-11-24 22:00:00 | 【美味しんぼ】

 

『美味しんぼ「鼻血問題」に答える』著者 雁屋 哲 を複数回に分け紹介します。24回目の紹介

美味しんぼ「鼻血問題」に答える 雁屋 哲

何度でも言おう。

「今の福島の環境なら、鼻血が出る人はいる」

これは”風評”ではない。”事実”である。

2年に及ぶ取材をへて著者がたどりついた結論はこうだ。

「福島の人よ、福島から逃げる勇気を持って下さい」

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**『美味しんぼ「鼻血問題」に答える』著書の紹介

 アメリカで行われた乳がん死亡率調査の驚き

 さらにもう1冊、大事な本があります。

 これもやはり、肥田舜太郎、竹野内真理、それに齋藤紀、戸田清によって翻訳された、ジェイ・マーティン・グールド著の『低線量内部被曝の脅威』(原題『The Enemy Within』)です。原題を日本語訳すれば「わが内なる敵」とでもなるでしょうか。

 この本も低線量被ばくの脅威について説明していますが、それより、私にとって一番の驚きは、アメリカの60カ所の原子炉施設ごとに、その施設から半径50マイル(80キロメートル)と100マイル(160キロメートル)以内の1300郡の調査を行い、全米3000あまりの郡全体と比較したところ、原子炉施設に近い1300郡の女性の乳ガンによる死亡率は、原子炉施設のない郡より高いのを統計的に示したことです。

 しかも、この統計は、1950年から1984年という長期にわたって行われた調査を元にしたものなのです。

 アメリカは原子炉はもとより、国内で核爆発実験を何度も行なってきたため、放射能に対する意識が高いのだと思いますが、日本でも、既に国中に54基も原発を持っているのです。

 所在地も、北海道から九州まで、17カ所にあります。

 この日本で、ジェイ・マーティン・グールドたちのような、長期にわたる詳細な統計がとられているのでしょうか。

 取られていたとして、私たち市民が、自由にその結果を見ることができるのでしょうか。

 私は、このアメリカでの調査を見ても、原子炉の近くに住むべきではないと思うのです。

 ここで紹介した2冊の本は、低線量被曝について大事な情報を与えてくれます。

 (紹介はここで終わり。以下、『低線量内部被曝の脅威』著書について)

低線量内部被曝の脅威―原子炉周辺の健康破壊と疫学的立証の記録

低線量内部被曝の脅威―原子炉周辺の健康破壊と疫学的立証の記録 のカスタマーレビューより

原発からの放射性物質の影響を疫学的に分析した労作
本書の原題“The Enemy Within”が本書の内容を的確に表しているように、本書は米国の原子力発電所から放出される放射性物質の影響を疫学的に分析し、低線量内部被爆が確実にがん死亡者数を増大させていることを証明したものである。米国では、1970年に最初の商業用原発が稼動し、その後急速にその数が増えたが、1979年のスリーマイルアイランド原発事故を経験した後は、稼動数が漸減した。本書では、原発の影響がない1950~54年を基準に、原発稼動後10年を経た80~84年、85~89年を対比している。また、原発からの距離を50マイル(80km)以内と100マイル(160km)以内の郡(カウンティ)とそれ以外の郡(郡の総数は3053)に分け、乳がんのほか、低出生体重児についても分析するという、気の遠くなるような疫学調査を行い、図表を駆使して結果をまとめたものである。

本書によれば、原発から100マイル以内の郡における乳がん死亡数は、100マイル以上離れた郡の乳がん死亡率よりも確実に(統計学的に有意に)大きくなる。その死亡率の増加分は10万人当たり約5人であり、原発の影響が少ないと考えられる100マイル以遠の郡の死亡率22人を約20%増大させることになる(本書中の「原子炉から100マイル(160km)以内の原子炉数と乳がん死亡率の関係」から概算)。


低線量内部ヒバクのリスクを疫学的に証明した科学書
原発や再処理工場は日常の運転でも乳がんなど放射線の被害を人類にもたらすことが明らかにされている。核の平和利用が不可能であることがわかる。

カスタマーレビューからここまで)

『美味しんぼ「鼻血問題」に答える』の紹介は今回で終わります。

引き続き『原発ゼロ』著者:小出裕章 の紹介を始めます。

1回目の紹介(「第3章 果てしなき廃炉への道」から)は、11/25(水)22:00に投稿予定です。


美味しんぼ「鼻血問題」に答える

 


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