洋書で英会話

100冊以上読んできた経験と知識をもとに、英語の小説や雑誌、実用書などから、すぐに使える素敵な表現や文法をご紹介します。

ゆっくりハリー・ポッター(31)知っていると役に立つ”report"を使った表現

2024年02月05日 | ゆっくりハリーポッター 

みなさん、こんにちは。今回は、もう終わったんじゃないかと思うくらい、ゆっくり(すぎる!)ハリーポッター(31)、

HARRY POTTER and the Philosopher's Stone (ハリーポッターと賢者の石)

by J.K.ROWLING、

第13章 Nicolas Flamelの続きより、知っていると役に立つ”report"を使った表現をご紹介します♪

Quidditchの練習中に、次の大事な試合の審判を天敵のSnapeが務めるということを知ったHarryは、common room(休憩部屋)でチェスをしていたHermioneとRonにそのことを伝えに行きます。それは一大事だと、Harryたちが3人でその一大事にどのように対応するかを話し合っていたところへ、なんだか様子がおかしいNeville(ネビル)がcommon roomに転がり入ってきます。

様子がおかしかったのもそのはず、Nevilleの脚は次のようになっていました。

今回はそのシーンから見ていきます。ここから引用です

・・・・・・・・・・・・・・

At that moment Neville toppled into the common room. How he had managed to climb through the portrait hole was anyone's guess, because his legs had been stuck together with what they recognised at once as the Leg-Locker Curse. He must have had to bunny hop all the way up to Gryffindor Tower. 

・・・・・・・・・・・・・・

脚がくっついて硬直して自由に歩けなくなる呪文(the Leg-Locker Curse)をかけられたNevellieがcommon roomに転んで入って来る様子を見て、皆は大笑いするだけでしたが、Hermioneは違いました。

そのことが書かれているのがこちら↓

・・・・・・・・・・・・・・

Everyone fell about laughing except Hermione, who leapt up and performed the counter-curse. 

・・・・・・・・・・・・・・

Hermioneは即座にthe counter-curseの呪文を唱えました。するとNevilleの脚はどうなったか?続きがこちらです。

Hermioneが使った魔法はどのような魔法か、想像をしながらお読み下さい

・・・・・・・・・・・・・・

Neville's legs sprang apart and he got to his feet, trembling. 

・・・・・・・・・・・・・・

"apart”は「ばらばらに、離れて」というようなことを表す単語です。sprang(原形spring)はオックスフォード現代英英辞典の定義では"to move suddenly and with one quick movement in a particular direction. (特定の方向に急に素早く動くこと)という意味です。

・"sprang apart"はどういう意味か?

Hermionieのthe counter- curse で、Nevilleの脚はどうなるかを想像するとわかります。

脚が更にくっつくなどということは考えにくいですね。

すぐにぱっと離れて元通りになる感じがしませんか?

結果はその通りで、Hermioneが使ったのは、誰かがかけた魔法に対抗する魔法(魔法を解くための魔法)で、Nevilleの脚はぱっと離れて元通りになりました。

 

・続きの、he got to his feet, trembling.はどういう意味か?

Hermioneが魔法をかける前、Nevilleは転んでいましたので、脚がくっついたままでは立ち上がれませんので、彼はまだ転んだ状態でした。転がっているNevilleが、魔法が解けて脚が自由になったら次にすることは何か?を想像すると、大体は立ち上がるのかな?と思いますね。

まさしくその想像通り、”get to his feet”は「立ち上がる」という意味になります。

trembleには”震える”という意味がありますので、震えながら立ち上がった、よたよたと立ち上がった感じでしょうか。

その後、HermioneはNevilleにHarryとRonと一緒に座るように勧めた後、彼に何があったのかと尋ねます。

今回取り上げる英語表現はそのシーンの続きに登場します。

 

ここから続きの引用です まずは辞書を使わずに、どのような内容が書かれているかを知っている単語と文脈を手掛かりにお読み下さい。

・・・・・・・・・・・・・・

'What happened?' Hermione asked him(Neville), leading him over to sit with Harry and Ron.

'Malfoy,' said Neville shakily. 'I met him outside the library. He said he'd been looking for someone to practise that on.'

'Go to Professor McGonagall!' Hermione urged Neville. 'Report him!'

・・・・・・・・・・・・・・

さて、いかがでしょうか。

図書館の所でMalfoyに会った時に、ちょうどMalfoyがその魔法(Leg-Locker Curse)を試せる相手がいないか探している所だったらしく、Nevilleが運悪くターゲットにされてしまったとのこと。

Hermioneはそれを聞いて、'Go to Professor McGonagall!' 'Report him!'と言います。

 

・'Report him!’とはどういう意味か?

Malfoyにかけられた魔法のせいで脚がくっついて自由が利かなくなっていたと言うNevilleに向かって、Hermioneが言っている言葉ということは何らかのアドバイスです。

まず、'Go to Professor McGonagall!'と言っている所も大事な手がかりです。

 

何をするために先生の所に行くのか?

 

”今あった出来事『Malfoyのこと』を先生に言うため”ですね!

"report someone"には「(誰かのこと)を報告する」という意味があります。

 

☆今回のお勧め英語表現☆

report someone (to someone) 

「誰かのことを(誰かに)報告する/伝える」

オックスフォード現代英英辞典の定義では次のようにあります。

"to tell a person in authority about a crime, an accident, an illness, etc. or about sth(something) bad that sb(somebody) has done"

Nevilleの場合は後者のほうで、"Tell Professor McGonagall about the magic Malfoy has done on him."という感じですね。

 

ところで、この ”report someone”もさることながら、"report to someone"「(誰か)に報告する」はビジネスの場でもよく使われるフレーズで、例えば「彼は私の上司です」と言う時などに、もちろん、"He is my boss."もよく使われますが、"I report to him."という風に"report"を使って言う表現もあります。

以前、アメリカ人の友人とワシントンD.C.を旅した時のことについて少しだけこのブログで紹介したことがあります(使えるtake パート2)が、その友人と二人でホワイトハウスを見に行った時に、友人が、ホワイトハウスの周辺にいる人はもしかしたらホワイトハウスの関係者かもしれない!と、そこを通りかかった親切そうな人に「あなたもしかして・・・?」と話しかけた時、その人が"Oh, yes.  I report to him."と言っていたことをふと思い出しました。目の前にいる人の上司は大統領と聞いて、二人でなんだかとっても興奮したのを覚えています

今回ご紹介した表現はこちらの233-234ページにあります。

・・・

日常生活にも活かせる英会話の勉強はじめませんか?
English and Beyondのホームページはこちら→ English and Beyond

尼崎阪急塚口ソコラから歩いてすぐ。洋書や英文雑誌を使ったレッスンを行っています。

正しい学習法で練習すれば、英語は必ず上達します!

レッスンは月謝制です。体験レッスン受付中☆ レッスンはオンライン(スカイプ)でもご受講頂けます。

お気軽にHPのお問合せフォームよりお問合せ下さい♪

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ゆっくりハリーポッター(30)~ take the rest とtake a rest ~

2023年03月15日 | ゆっくりハリーポッター 

今回はゆっくり(すぎる!)ハリーポッター(30)、

HARRY POTTER and the Philosopher's Stone (ハリーポッターと賢者の石)

by J.K.ROWLING、

第13章 Nicolas Flamel より、restを使って「残りの~」という時の表現をご紹介します。

休暇が終わって、学校が通常のカリキュラムに戻ると、試合に向けてQuidditchの練習も忙しくなり、HarryたちはNicolas Flamelについて調べる時間があまり取れなくなってきます。

そんな中、ある日の練習で、Wood(チームのリーダー)はSnapeが試合のレフリーを務めることになったとチームに伝えます。

Harryが所属しているGryffindorにとって、ライバルチームのSlytherinを抑えて7年ぶりにthe House Championshipを制することができるかどうかがかかった大事な試合。そのレフリーをSlytherinびいきでGryffindorのことをよく思っていないSnapeが務めるということで皆不安に駆られます。

それまで練習中にほうきから落ちるふりをしてふざけて遊んでいたWeasley兄弟もWoodがSnapeのことを発表すると. . . 

ここからが引用です♪

・・・・・・・・・・・・・・・

George Weasley really did fall off his broom at these words. 

'Snape's referring?" he spluttered through a mouthful of mud. 

'When's he ever refreed a Quidditch match? He's not going to be fair if we might overtake Slytherin.'

The rest of the team landed next to George to complain, too. 

'It's not my fault,' said Wood. 'We've just got to make sure we play a clean game, so Snape hasn't got an excuse to pick on us.'

・・・・・・・・・・・・・・・

それまではほうきから落ちるふりをして遊んでいたGeorgeでしたが、Woodの言葉を聞いてびっくりして本当に落ちたので、George really did fall off his broom~.と書かれています。

”really (本当に)”だけを足して”George really fell off his broom.”(fell=fallの過去形)としても、本当に落ちたことが伝えられますが、ここではfallの前にdidを付けて、本当に落ちたことを強調する表現が使われています。

雨上がりのグランドで練習をしていたので、地面に落ちた拍子に口に入ってしまった泥を吐き出しながら、Georgeは「Snapeが審判だって?!」と言います。そして「SnapeはQuidditchの試合で審判したことあるの?Slytherinに僕たちが勝ちそうになったらSnapeは絶対公平な審判をしてくれないよ!」と。

続きの文章には、チームの他のメンバーたち(残りのメンバーたち)がどのような反応をしたのかが書かれています。

そこで使われているのが今回のお勧め表現、rest を使った「残りの~」です。

The rest of the team landed next to George to complain, too. 

(他のメンバーたちも文句を言うためにGeorgeの隣に下りてきた)

 

ある特定のくくりがあって、そこからいくらか(または何人か)を取り除いた後の「残りの~」という時は”rest”を使って、the rest of the ~ と表します。

よく使われる表現ですので、Harry Potterの中にもこの表現は何度も登場しますが、13章の出だしにも次のような表現があります

・・・・・・・・・・・・・・・・

Dumbledore had convinced Harry not to go looking for the Mirror of Erised again and for the rest of the Christmas holidays the Invisibility Cloak stayed folded at the bottom of his trunk. 

・・・・・・・・・・・・・・・・

the rest of the Christmas holidays で 「クリスマス休暇の残り(の期間)」となります。

訳(意訳です):Dumbledore先生からもうthe Mirror of Erisedを探しに行くんじゃないよと言われたため、Harryのthe Invisibility Cloak(透明マント)はクリスマス休暇の残りの期間、ベットの下に仕舞われたままでした。

 

rest には「休憩」という意味もありますが、休憩の意味で使われる場合の基本の型はrestの前にaを付けて"take a rest" (休憩を取る)です。

”take a rest” と”take the rest”の表現に関して、例えば、お菓子などを配っている時に、残り少なくなって、受けっとてもらいたい相手に、「(残り)全部どうぞ。」と言う場合は”Please take the rest.”と言うといいです。

the にするところをうっかりaにして、”Please take a rest.”と言うと「休憩をとって下さい」という意味になります。

”もしかして「このお菓子など食べてどうぞ休んで下さい」と言っているのかな?”と相手の人が解釈をしてお菓子を受け取ってくれるかもしれませんが、「お菓子を残り全部取って」と言っているという風には受け取られませんのご注意を

 

今回紹介した表現は232ページに載っています。

 

・・・・・・・
せっかくなら自力で原文を読んで理解して、そして自力で話せるようになる英語の勉強始めませんか?
English and Beyondのホームページはこちら→ English and Beyond

尼崎阪急塚口ソコラから歩いてすぐ。洋書や英文雑誌を使ったレッスンを行っています。 
レッスンは月謝制です。体験レッスン受付中☆ レッスンはオンライン(スカイプ)でもご受講頂けます。お気軽にお問合せ下さい♪

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ゆっくりハリーポッター(29)”〇〇日続けて”という時の表現

2022年12月16日 | ゆっくりハリーポッター 
少しお久しぶりになってしまいましたが、今回は、ゆっくり(すぎる!)ハリーポッター(29)

HARRY POTTER and the Philosopher's Stone (ハリーポッターと賢者の石)
by J.K.ROWLING、
第13章 Nicolas Flamel より、

”〇〇日続けて”という時の表現をご紹介します。

前回、The Mirror of Erised(自分の理想や見たいものが映る鏡)を見に行くために夜中にこっそり部屋から抜け出していることがProfessor Dumbledoreに見つかってしまったHarryでしたが、もうこの鏡を見に来てはいけないよと忠告を受けたのみで、何とか見逃してもらえました。

今回は、いよいよ13章に入って、学校に戻ってきたHermioneがHarryたちから休暇中にHarryたちが何をしていたかを聞いているシーンからの引用です♪

さっそくそのシーンの引用、その前に、まずは、その一件以来、Harryが見るようになった、彼の両親が緑色の閃光の中へ、何者かの甲高い笑い声と共に消えて行ってしまうという悪夢の話について書かれている一文から今回はスタートします。


・・・・・・・・・
He(Harry) started having nightmares. Over and over again he dreamed about his parents disappearing in a flash of green light while a high voice cackled with laughter.

・・・・・・・・・
☆一言お勧め英会話表現☆

「悪夢を見る」は英語で、悪夢を”持つ”として、have a nightmare(読み方:ナイトメア)と言います。

「昨日悪い夢を見た」と言いたい時は I had a nightmare last night.

”何かのせい(原因)で悪夢を見た” はgive を使って、その原因となったことを主語にして、

That gave me a nightmare. (そのことが私に悪夢を与えた→そのせいで悪夢を見た)と伝えることができます。

ちなみに、課題本の一つ、Wonder by R.J. Palacioの中にも、Jackの弟が”(主人公)Augustの顔を見た日に悪夢を見た”と言っているシーンに、
"Oh, that kid?" "He gave me a nightmare!!"という表現が出てきます。

Harryのお話から少し離れましたが、今回のお勧め表現を含む続きの文を引用します♪
まずは辞書なしでどのようなことが書かれているか、知っている単語を手掛かりに想像しながらお読み下さい。

・・・・・・・・・
'You see, Dumbledore was right, that mirror could drive you mad,' said Ron, when Harry told him about these dreams.

Hermione, who came back the day before term started, took a different view of things. She was torn between horror at the idea of Harry being out of bed, roaming the school three nights in a row ('If Filch had caught you!') and disappointment that he hadn't at least found out who Nicolas Flamel was.

(太字にしたところが今回のお勧め表現です)


少しずつ見ていきます♪

まずはRonの言葉、You see Dumbledore was right. (やっぱりDumbledore先生の言う通りだったんだよ)
このright(正しい)を使った表現も一言英会話フレーズとして活用できます。

主語をyouにして、You were right. と言えば、「あなたは正しかった(あなたの言う通りだった)」と伝えることができます。
You are right. と現在形にすれば、「その通り」と伝えることもできます。

That mirror could drive you mad.  →ここで使われているmadはcrazyの意味です。

driveの基本の基本の意味は「(車)を運転する」と知っておくことが一番大事です。

ですが、このdriveという単語、運転から連想できるように、何かを”動かす”というようなイメージの意味を持っています。

● drive someone mad で someoneをmadの方に動かす ⇒「(誰かの)気をおかしくする」という意味です。

悪夢の話を聞いて、RonはHarryに「やっぱりあの鏡のせいで気がおかしくなってるんだよ」と言います。

Harryが不思議な鏡を見に行くために夜中に自分の部屋を抜け出していたのは、1.初めてその鏡を見つけた日、2.Ronと一緒に見に行った日、そして、3.こっそり1人でまた見に行った日の3晩でした。

その話を聞いたHermioneは、Harryたちとは少し違って、Harryがもし Filchに見つかっていたらどうなっていたことかと心配して恐れる気持ち(horror)と、せっかく部屋を抜け出したのに、3人で探しているNicolas Flamel という人物の情報をHarryが見つけていなかったことへの失望(disappointment)の気持ちの間で複雑な心境になりました。



☆今回のお勧め表現☆

~in a row (読み方:イン ナ ロウ) = ~続けて /  続けて~

"~"の所に、日数や時間を入れると、「~日続けて」「~時間続けて」ということが出来ます。

「2日続けて」は two days in a row

「5時間続けて」は five hours in a row

「6週間連続で」は six weeks in a row

「10年続けて」は ten years in a row ※ten years = a decade ですので、a decade in a rowということも可能ですが、やはりこの表現は連続の意識を伝えたいので、10年一塊の単位にしてしまうよりは、平たくten years in a rowと言う方が一般的なようです。

今回紹介したシーンでは、『Harryが3晩連続して夜中に部屋を抜け出していた』ということを伝えているところでしたので、three nights in a rowと表されていました


大阪、中之島中央公会堂までの道です♪
空が綺麗だったので撮ってみました


今回紹介した表現は231ページにあります。

・・・・・・・
本当に使える英会話の勉強始めませんか?
English and Beyondのホームページはこちら→ English and Beyond

尼崎阪急塚口ソコラから歩いてすぐ。洋書や英文雑誌を使ったレッスンを行っています。 
レッスンは安心の月謝制です。体験レッスン(50分500円)受付中☆ レッスンはスカイプでもご受講頂けます。お気軽にお問合せ下さい♪
洋書の通信講座もあります。現在、冬期お申込み受付中です。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ゆっくり・ハリーポッター(28) “いくつあっても~”

2022年04月19日 | ゆっくりハリーポッター 
みなさん、こんにちは。

今回は、ゆっくりとハリーポッターに登場する表現をご紹介している、
ゆっくり(過ぎる!)ハリーポッター(28)、

HARRY POTTER and the Philosopher's Stone (ハリーポッターと賢者の石)
by J.K.ROWLING、
第12章 The Mirror of Erised より、面白い英語表現をご紹介します。

さっそくですが、前回、Professor Dumbledoreに、Professor Dumbledore自身がThe Mirror of Erised(自分の理想や見たいものが映る鏡)を覗いたら、何が見えますか?とHarryが尋ねると、「ウールの分厚い靴下を持った自分だよ」という返事が返ってきましたが、 その答えを聞いたHarryはどうしたか。
今回はそのシーンからの引用です♪ (ハリーの言葉から始まります)

・・・・・・・・・・・・

'What do you see when you look in the Mirror?'

'I? I see myself holding a pair of thick, woollen socks.'

Harry stared.

'One can never have enough socks,' said Dumbledore. 'Another Christmas has come and gone and I didn't get a single pair. People will insist on giving me books.'

・・・・・・・・・・・・

”靴下を持っている自分が見える”と言われても、え!?となりますよね。
Harryもきっとそんな気持ちだったと思います。ですが、教授の言うことですから、Harryはどのように反応したか. . .

He stared.


Professor Dumbledoreをじっと見つめました


物や人を”見る”という時、基本単語として押さえておかなければならないのが、see, look, watchですが、小説や映画などを見ていると、”じっと見る”を表す、stare(ステアー)もとてもよく使われます。この単語を使う時の注意点は、lookと同じように、”見る”という意味しか含まれていませんので、”~を見る”という時は、視線を向ける的を表す"at" が必要です。ちなみに、seeとwatchには”~を見る”という意味がありますので、”~を”を付け加えなくても大丈夫です。

Harryにじっと見られて、Dumbledore教授が言った言葉が、今回のお勧め表現です。

'One can never have enough socks,' said Dumbledore.

主語のoneは、ここでは、”人”を表しています。一般的な事柄について話をする際、通常は英語では"you"を主語にして話しますが、少しフォーマルな言い方としてyouの代わりにoneが使われる時があります。

to have enough socksは「十分な靴下を持つ」ですが、そこにnever(決して~ない)が付いて、「十分な靴下を持つことは決してない」となります。
つまり、それはどういうことかと考えると、『靴下はいくつあっても足りない(あればあるほどいい)』というようなことを伝えています。

これに似た表現に、”cannot get enough of ~"という型で、to enjoy something so much that you want more and more of it(ロングマン英英辞典)ということを伝える表現があります。

コーヒー好きの人だったら、I can't get enough of coffee. (いくら飲んでも飲み飽きることはない→いくらでも飲める)
イチゴ好きの人だったら、I can't get enough of strawberries. (いくら食べても食べ飽きることはない→いくらでも食べられる)
ある映画を見るのが好きな人だったら、I can't get enough of this movie.(いくら見ても見飽きない→何度見ても面白い)という風に説明できますね。

反対に、「もう(それは)沢山だ!」という時は、I had enough of it! となります。面白いですね!


さて、話をハリーポッターに戻しますと、'One can never have enough socks,' と言った後、Professor Dumbledoreは続けて次のように言います。

'Another Christmas has come and gone and I didn't get a single pair. People will insist on giving me books.'
(今年もまたクリスマスが終わったけれど、一つも靴下をもらえなかったよ。皆、私に本をあげるといって(靴下が欲しいと言っても)聞いてくれないんだ)

自分の願望が映るという鏡に映る映像が、靴下を持っている自分の姿だなんて、本当でしょうか??

その晩、寝床についたHarryは、ふとDumbledore教授が本当のことを言っていなかったかもしれないこと、そして、自分が尋ねた質問がとても個人的なもので失礼だったかもしれない(It had been quite a personal question.)ことに気が付きます。

確かに、自分の願望 desire(ディザイア)が映る鏡ですから、その人のプライバシーに関わるかもしれませんので、何が見えます?とは気軽には聞くべきではなかったのかもしれませんね。

この流れ、そして、英語の表現、本当によく書けたお話だな~と思います。


今回紹介したシーンは12章の終わりに登場します♪

本当に話せる英会話、始めませんか?英会話教室 English and Beyondでは、洋書や記事を教材に、沢山英語を話す練習をして頂いています。
English and Beyondのホームページはこちら→ English and Beyond  スカイプレッスンも行っています♪ 体験レッスン受付中☆ 詳しくはお問合せ下さい。











コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ゆっくり・ハリーポッター(27) Look at yourself in the mirror.

2022年04月14日 | ゆっくりハリーポッター 
みなさん、こんにちは。

今回は、ゆっくり(過ぎる!)ハリーポッター (27)、

HARRY POTTER and the Philosopher's Stone 
by J.K.ROWLING

Chapter Twelve
The Mirror of Erised より、鏡に関する表現をご紹介します。


前回、クリスマスプレゼントでもらったCloakを使って、夜中に部屋を抜け出して、不思議な鏡、The Mirror of ErisedのところにHarryがまた行こうとしているのをRonが止めているシーンをご紹介しましたが、今回は、そこから少し進んで、Professor DumbledoreがHarryに、その鏡について説明しているシーンにあった、鏡に関する表現をご紹介します。

それでは、さっそく、引用、その前に、Professor Dumbledoreの話によると、その鏡は、それを見る人が見たい物を映し出す鏡(”It shows us what we want.”)で、世界で一番幸せな人だけが普通の鏡として使用できる鏡である、つまり、鏡を覗いたら、その人のそのままの姿が映ります。(”The happiest man on earth would be able to use the Mirror of Erised like a normal mirror, that is, he would look into it and see himself exactly as he is.””本文より)

ですが、大抵の人は、なかなか叶えられない希望や夢があったりします。そして、Harryの場合は、両親に会いたいという気持ちが強いので、When he looked in the mirror, it showed him his family. で、Ronの場合は、彼の兄のようにリーダー的存在になりたい思いが強いので、When Ron looked in the mirror, it showed Ron himself as Head Boy.でした。

自分が見たいものが見れると言っても、その鏡の前で、現実逃避(?)して、ずっとじっと座っているわけにはいきません。
そのため、Dumbledore先生は、規則を破って、夜中に何度もこっそり部屋から抜け出して鏡を見に来ていたHarryに、"It does not do to dwell on dreams and forget to live, remember that."(夢ばかり見て、自分の生活(本分)を忘れてはいけないよ)と言ってたしなめます。 ※dwell は to live somewhere という意味ですが、onとセットになって dwell on / upon ~ で to think or talk a lot about something , to look at something for a long timeという意味になります。(オックスフォード現代英英辞典)
あることをずっと考えたり、ずっと話したりしているということは、ある意味そこに”住んでいる(留まっている)”ようなものですから、面白い表現だなぁと思います。

さて、ここから、今回のお勧め表現が入った部分の引用です♪ (※Harryの質問からのスタートです)

・・・・・・・・・・・・・

'Sir- Professor Dumbledore? Can I ask you something?'

'Obviously, you've just done so,' Dumbledore smiled. 'You may ask me one more thing, however.'

'What do you see when you look in the Mirror?'

'I? I see myself holding a pair of thick, woollen socks.'

※今回のお勧め表現が入った部分を太字にしています。

・・・・・・・・・・・・・

☆今回のお勧め表現☆

『鏡を見る』look in the mirror

lookを使って「~を見る」という時の基本となる表現は、"look at something" ですが、「鏡を見る」という時、実際に見るのは、鏡自体というよりは、鏡の中に映っている物です。鏡は”その中を見るようなもの”ということで、的を目指すatではなく、中を表すin が使われます。

「鏡に映った自分を見る」は、実際に見る対象となる”自分”が登場しますので、I look at myself in the mirror. となります。
(レッスンで「LOOK」を使った表現を学習済みの生徒の皆さんは、Look at yourself in the mirror.という文章でお馴染みですね!)


Harryは、Professor Dumbledoreに、

"What do you see when you look in the Mirror?" (←下線部、特別な鏡の事ですので、大文字になっています)
(あなたは、その鏡を見た時、何が見えますか。)

と尋ねます。

すると、Professor Dumbledoreは、

'I? I see myself holding a pair of thick, woollen socks.'
(私ですか?私は、分厚いウールの靴下を持った自分だね。)

なんだか拍子抜けするような答えですが、Harryも”え?何ですか、それは??”という反応をします。
この続きは次回ご紹介したいと思います。


ちなみに、今回の引用したシーンの前半にあった、二人のやり取りですが、

'Can I ask you something?'(質問してもいいですか?)と尋ねたHarryにProfessor Dumbledoreが、

'Obviously, you've just done so,'
(もう、そうしたよね。)→つまり、”質問してもいいですか?”という質問をもう既にしたということ。

'You may ask me one more thing, however.'
(でも、もう一つ聞いてもいいですよ) と言っていました。

「質問してもいいですか」がカウントされるなんて
英会話のジョークでたまに見かけるやり取りです

今回紹介したシーンは12章の終わりに登場します♪

本当に話せる英会話、始めませんか?英会話教室 English and Beyondでは、洋書や記事を教材に、沢山英語を話す練習をして頂いています。
English and Beyondのホームページはこちら→ English and Beyond  スカイプレッスンも行っています♪ 体験レッスン受付中☆ 詳しくはお問合せ下さい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする