洋書で英会話

100冊以上読んできた経験と知識をもとに、英語の小説や雑誌、実用書などから、すぐに使える素敵な表現や文法をご紹介します。

ゆっくりハリー・ポッター(24)より情景が描写できる倒置法と手触りに関する表現 Part 2

2019年05月06日 | ゆっくりハリーポッター 
みなさん、こんにちは。
今回は、ゆっくりハリー・ポッター 第24弾 

HARRY POTTER and the Philosopher's Stone 
by J.K.ROWLING

Chapter Twelve
The Mirror of Erised


Harryがクリスマスの朝に届いたプレゼントの中身をRonと一緒に確認しているシーンより、
より情景が描写できる倒置法を使った表現と手触りに関する表現Part2をご紹介します♪



前回までに登場したプレゼントは...

1つ目:Hagridからの手作りの木製のフルート

2つ目:Uncle VernonとAunt Petuniaから短い手紙とそこに貼られた50ペンス硬貨


この50ペンス硬貨が貼られている様子、本文では次のように書かれています。


Sellotaped to the note was a fifty-pence piece.


※noteはここでは、短い「手紙」のこと
※pieceはここでは「硬貨」のこと ちなみにロングマン現代英英辞典の定義では18番目にMONEY (a coin of a particular value) とあります。

この文章、いきなり過去分詞から始まっていて、気が引っ込んだ状態(わからない知らないと思いながら恐る恐る前に進む状態)で読むと、何のことかわからなくなりそうですが、落ち着いて観察したら、セロテープ、え?もしかして、あの、セロテープ?と自分の知っていることが書かれていることに気付くことができます。


セロテープで何をするか?常識で考えると、「貼ります」ね。
そこで、落ち着いて、もしかして何かが貼ってあるのかも?と見ていくとより理解しやすくなります。


この文章、wasの前後が入れ替わった倒置の文体になっています。
平たい文章(普通の並び)に戻すと

A fifty-pence piece was sellotaped to the note. となります。

こうすると普通の受動態の文になりますので、より意味が取りやすくなりますね。果たして、この文章が伝えている意味は、この平たい並びの文章と同じです。それなら、はじめからこう書いてよ!と思われれるかもしれませんが、それだと、手紙に硬貨が貼られている状態の、何とも奇妙で非常識な様子はそこまで伝わりません。あえて倒置で表すことで、普通の【主語、動詞】の順で並んでいる文章よりもよりしっかりと見なければならなくなります(慣れてくると通常の読書スピードに等しいレベルのスピードでのじっくりになります)し、え?何これ?、うわ!50ペンス硬貨が貼ってある!!と、驚くHarryの気持ちの追体験までできるような表現法になります。

過去分詞から始まるこの倒置の文体、わりとよく使われれる表現の手法ですので覚えておくと便利です



それでは、再び、Harryに届いたプレゼントのリストに戻ります。

3つ目:Ronのお母さんから手作りのRonたちとお揃い(でも色違い)のセーターと手作りのチョコレート

4つ目:Hermioneから大きな箱にいっぱい入った、Chocolate Frogsというチョコレートのお菓子


そして、いよいよ、最後の一つとなった、5つ目のプレゼント、そこには何が入っていたか。
ここからが前回の続きです♪

包みを持ち上げてその感触を確かめたHarry(Harry picked it up and felt it)、とっても軽くて何だろう?と包みを開けるとそこには。。。


ここから引用です♪

Something fluid and silvery grey went slithering to the floor, where it lay in gleaming folds.

(何か液体のように柔らかい銀色のような灰色の物が床にスルっと落ちて、床の上で折り重なって輝いていた)

それを見たRonは、息をのんで、驚きすぎて、手にしていたHermioneからもらったお菓子の箱を落とします。そして、

「これについて聞いたことがあるけど、これが、もし、そのそれだとしたら、めったにないもので、本当に価値のあるものだよ!」とHarryに話します。(‛I've heard of those,’'If that's what I think it is - they're really rare, and really valuable,')


それを聞いたHarryがRonに尋ねます。(ここから先は辞書なしで、知っている単語を大事に、前後の流れをよく観察して知らない単語の意味を想像しつつ、まずは全体をお読み下さい)

・・・・・・・

'What is it?' (←Harryの発言)

Harry picked the shining, silvery cloth off the floor. It was strange to the touch, like water woven into material.


'It's an Invisibility Cloak' said Ron, a look of awe on his face. 'I'm sure it is - try it on.'


Harry threw the Cloak around his shoulders and Ron gave a yell.
'It is! Look down!'

Harry looked down at his feet, but they had gone.


・・・・・・・

Harryに届いた5つ目のクリスマスプレゼントの中身は??
それを被ると姿が見えなくなるan Invisibility Cloak(透明マント)でした。

※invisibilityはvision (見ること)+ able (可能)+ ity(名詞の語尾)に 反対の意味になるinがついて【目に見えないこと】を表す単語になっています。

形容詞形はinvisibleです。
It's invisible. と言えば、「それは目に見えません」となります。
反対にIt's visible.と言えば「それは目に見えます」となります。



☆今回のおススメ表現☆
Harryが床に落ちた銀色に輝く布(cloth:クロス)を拾い上げた時に感じた、その布の手触りに関する表現'It was strange to the touch"です。

基本の型は It is (形容詞)to the touch. で、【それは~な手触りです(触れると~な感じです)】

「(生地などの)手触りがいい」は、It is smooth to the touch.とよく言われます。

It is hot to the touch.と言えば、「触ったら熱い」となります。


Harryに届いたマントの手触りは It is strange to the touch, like water woven into material. (妙な手触りで、まるで編んで生地にされた水のようだった)

水を編むことなどできませんが、そのくらい、すごく柔らかくてサラサラした様子が描写されている面白い表現ですね。


うわぁすごい!という表情のRonに「絶対そう(invisibility cloak)だと思うよ、着てみて!」と言われてHarry はそれを肩から掛けます。
すると、「やっぱりそうだ!(It is!) 下を見てみて!(Look down!)」とRon.
言われる通り、Harryが下を向いて自分の足を見てみると、、、、、

They(足の事)had gone! (消えてなくなっていました!)


Harry Potterの映画は観ていませんので、映画の中で、このシーンがどのように表されているのかわかりませんが、おそらく、ほとんど映像(役者さんの表情や小道具)で表されて、この3分の1くらいしか言葉では描写されていないのではないかなと思います。
不思議な魔法の世界の映画ですので、それはそれで、映像で見るとすごく面白いだろうなとは思いますが、英語学習的には、ちょっともったいないですね。




さて、このマント、誰から届いたのか、気になるところですが、今回はこの辺で♪


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映画もドラマもいいですが、やっぱり読書、お勧めです


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ゆっくりハリー・ポッター(23)Feel it. ~手触りに関する英語~

2019年05月04日 | ゆっくりハリーポッター 
みなさん、こんにちは!4月中はレッスン準備などでバタバタしてしまい、久しぶりの更新になってしまいましたが、今回はゆっくり(すぎる!)ハリーポッター 第23弾

HARRY POTTER and the Philosopher's Stone 
by J.K.ROWLING

Chapter Twelve
The Mirror of Erised より

Hogwartsで迎えたクリスマスの朝、HarryがRonと一緒に届いたプレゼントの中身を確認しているシーンより、手触りに関する表現、そのほか色々、ご紹介します♪


Hogwartsに来るまで、良いクリスマスを過ごしたことがなかったHarry、まさか自分あてのプレゼントが届くなど全く期待していなかったところに、いくつかプレゼントが届いたので、とても喜びます。そして、一つ一つ、誰から何が届いたのか、中身を確認していきます。

一番上の小包を開けると、そこには、HagridからHarryへ手作りのwooden fluteが入っています。

そして、2つ目の小包には、VernonおじさんとPetuniaおばさんからの短い手紙とそこに貼られた50ペンス硬貨が1枚

'Hagrid and my aunt and uncle - so who sent these?' とHarryが次のプレゼントを見ると、Ronが少し顔を赤くしながら、'My mum.I told her you didn't expect any presents and -oh, no,' 最悪だ~といった感じで、'she's made you a Weasley jumper.'と言います。

WeasleyはRonの苗字なので、たぶん兄弟お揃いの何か...jumperってもしかして日本語にもあるあの服のことかなと思いながら、先を読み進めると、

Harryが小包を開けて中身を見ている場面の描写に a thick, hand-knitted sweater in emerald green と説明が。

イギリス英語ではセーターのことをジャンパーとも言うのですね。(※他にはpulloverという言い方があります)


そして、その包みには、Ronのお母さんの手作りのWeasley家お揃いのセーターに加えて、a large box of homemade fudgeが入っていました。


fudgeはチョコレートのことです。



★ここで、少し注目したいのが、「手作り」を表す英語です。

・ a thick, hand-knitted sweater in emerald green

・ a large box of homemade fudge


日本語の頭で考えると、カタカナにもなっている『手作り=handmade(ハンドメイド)』といつでも言いたくなりますが、チョコレートの時にはhomemade(ホームメイド)という言葉が使われています。


その理由は何故か??

食べ物は基本的に『手で作る』からです。

食べ物以外は機械でも作ることがありますので、”手で作ったんだよ”と伝えるためにhand-を使った表現を使います。ここでは、手編みということで、knit(ニット)と合わせてhandknittedと表現されていますが、handmade sweaterと表してもOKです。





さて、Harryに届いた4つ目のプレゼントは、Hermioneから、大きな箱にいっぱい入ったカエルの形をしたチョコレートのお菓子でした。


その後、あと残り一つとなったプレゼント、それを確認する時のHarryの様子に今回のおススメ表現がありました。


ここからがその引用です♪

Harry picked it up and felt it. It was very light. He unwrapped it.

【Harryはそれ(=小包のこと)を持ち上げて、中身がどんな感じか(この場合は、小包を外から触って確かめている感じですので、重さなど)を確かめてみた。それはとても軽かった。そして、彼はそれを開けた。】


☆今回のおススメ表現☆

「触って確かめてみる」を表す、feel

届くと知らなかった小包などが届いた時、何だろう??と箱を持ち上げて中身を想像したりしますよね。
小さくても、やけに重量感があったり、大きくても軽かったり。
中身が詰まっている感じだったり、ちょっと揺らすと動く感じだったり。
ここでは、Harryが何が入ってるんだろう?と想像しながら包みの感触を確かめている様子が目に浮かびます。


熱があるかないかおでこを触って確かめるときがありますが、その時にもこのfeelを使って表すことができます。
小説 IF TOMORROW COMES by Sidney Sheldonでも、ちょうど熱を確かめているシーンで同じfeelが使われている箇所がありますので、今回はそちらも紹介します。

主人公のTracyが体調を崩して、調子がとても悪くなった時に熱があるか自分で確かめるシーンがあるのですが、そこにあったのが次の文章です。

She felt her forehead again, and it seemed hotter than before.

※foreheadは「おでこ、額」のこと


訳:彼女は額をもう一度触って確かめた。前よりも熱くなっているようだった。


「これ、触ってみて!」と言う時などは Feel. だけで言われることもあります。
(注意:feelの後に具体的な名詞(目的語)を省略した形になっていますので、この一言英会話フレーズは状況が明らかな場合のみ通じます)


基本単語のfeelですが、この意味でも使えるようになると、表現に彩りを加えられます。

Harryに何が届いたのか?!
続きは次回




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今回紹介した表現は215ページにあります♪
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