試運転 ~TRIAL RUN~

初心者の拘りと見切りが激しい自己責任による鉄道模型軽加工記録

京成3300形3312F 1次車 新赤電色 千葉線仕様 (運行番号表示器追設,種別表示器交換) ※TOMYTEC製

2019-09-13 21:43:50 | 京成線出場
純増。

第二次整備を終えたTOMYTEC製京成3300形3312F新赤電色(1次車:3312F-3)が出場した。
3300形の増備は2016年6月に出場したマイクロエース製3312F現行色中期仕様2両口(1次車:3304F-4)以来約3年3箇月振りである。
新赤電色に絞ると3304F新赤電色(1次車:3304F-1旧3312F-1)まで遡る久々の増強となった。




京成3300形3312F 1次車 新赤電色 千葉線仕様。
3312F-3:[3312]-[3311]-[3310]-[3309]。
※TOMYTEC製。
◆モハ3312,モハ3309 運行番号表示器追設,種別表示器交換。

京成3300形は3200形の後継形式として1968年11月から製造が開始された。
外観は基本的に3200形を踏襲しながらも客室設備の混雑対策が強化されている。
スタンションポールや短尺の釣り手は3300形が初採用となった。
走行機器も3200形の基本設計を受け継ぎFS-361A台車,KS-121A台車が採用となる。
この仕様は1次車16両だけの特徴となり1969年12月以降に登場した2次車以降では設計変更が行われた。
台車は金属ばねのFS-329D台車,KS-131台車へ変更され前面,側面には種別・行先表示器が設けられる。
この変更は同一形式ながら実質3300形の取り扱いを二分する結果に繋がった。
3000系列では3300形だけが更新修繕より先に冷房改造が行われた形式でもあった。
1次車は2~5次車が冷房改造を終えた後の1986年3月~1987年5月にかけて行われている。
行先方向板を用いる冷房改造車は3300形1次車のみで見られた珍しい外観だった。
更に3316Fは側扉窓支持金属押え面化が追加施工された事により独自の側面見附へと変化した。
この時期1次車は外観変更が多く1987年10月からは種別,行先表示器の単独追設工事まで加わる。
前面種別,行先表示器は2次車以降とは異なる独立形となり電照式種別表示器が貫通扉に設置された。
そして1989年6月には更新修繕が始まり3200形更新車と類似の意匠へと改められる。
運転室仕切方式の変更により貫通扉は交換され貫通扉窓及び種別表示器窓押え金支持化が3200形との識別点になった。
側扉窓金属押え面支持が特徴だった3316Fはクロスシート試作車に抜擢され引き続き独自の存在となる。
1次車の現行色化は1993年12月に施工された3308Fを皮切りとした。
最後まで新赤電色を維持した編成は3316Fで塗装変更と共にクロスシートも消滅している。


3312F-2。
※マイクロエース製。


3312F-4。
※マイクロエース製。

マイクロエース製3300形には3312F新赤電色(3312F-1),3312F復活新赤電色前期仕様(3312F-4←3312F-3)が在籍している。
中でも3312F-1は3312F復活新赤電色(二代目)を種車に起用した独自仕様であった。
プロトタイプが競合する確率は低いと読み3316F新赤電色クロスシート試作車(1次車:3316F-1)の増結専用編成に仕立てた。
しかしまさかのTOMYTEC製京成3300形リリースで3312F-1と3312F-3は完全にプロトタイプが被った。
ただ3312F-1は3316F-1との4+2編成(3316F-2),暫定2+4+2編成(3312F-2)を基本組成とする。
そのため3312F-1:本線仕様,3312F-3:千葉線仕様への棲み分けが可能となり窮地は切り抜けられている。


3304F-1,3312F-3 (マイクロエース製,TOMYTEC製)。

3312F-3が回着した当初は印刷済[普通 千葉中央]表示を活かす方向だった。
ところがモハ3311の第二次整備中に3304F-1へ設定した行先表示が[千葉中央]幕だった事を思い出す。
元々新赤電色編成は在籍比率が低く3304F-1との差別化には行先表示変更が欠かせなくなった。
急遽側面行先方向幕基準表示化を工程に組み込み新たな設定の策定に入っている。
3304F-1の対比へ据えるのであれば上り方面行が相応しいと思えた。
だが[津田沼]幕は既にグリーンマックス製3150形3182F新赤電色(3182F-1)で採用済だった。
各種資料を漁った結果3312F-3の行先表示類は[B05 普通 上野]に決定している。


3150形3182F,3312F-3 (グリーンマックス製,TOMYTEC製)。

新赤電色の再現は3社目となったがTOMYTEC製もなかなかの雰囲気を掴めていると思う。
マイクロエース製に比べ若干落ち着いた色合いだが離合に無理は感じられない。
またグリーンマックス製とも大きく印象が異なる訳ではなく上手い着地点に嵌まったと思う。
モーンアイボリー帯の色温度はファイアーオレンジ塗装面積が広いためか殆ど気にならなかった。
但し引き当てた個体は銀色塗装が今一つでモハ3312,モハ3309とも修正を行っている。
特に補修部が水切り直下の貫通幌座となったモハ3312は前面見附を左右する箇所であり痛いメーカーエラーだった。


3500形3556F,3312F (TOMYTEC製)。

製品の運行番号表示器は前面窓セル表面への印刷が引き継がれてしまった。
TOMYTEC製3500形更新車3520F現行仕様(3520F-4),3532F後期仕様(3532F-2)では印刷済[■ ■ ■]表示を残している。
フィルム仕様のグリーンマックス製3150形用運行番号表示器ステッカーを上貼りする方法は悪くなく思えた。
残念ながら千葉線系統に当てられる表示が残っておらず[■ ■ ■]表示は消去対象となった。
[■ ■ ■]表示の消去はTOMYTEC製3500形3556F朱帯色(3次車:3556F)で失敗した過去がある。
直近で施工したTOMYTEC製200形206F更新車晩年仕様(206F)ほど容易ではなかったか無難な成果を収められたと思う。


モハ3312+モハ3311 (3312F-3)。
※TOMYTEC製。


モハ3312+モハ3311 (3312F-2)。
※マイクロエース製。

マイクロエース製と競作になったTOMYTEC製3300形であるが側面見附は印象が全く異なる。
幕板が広いマイクロエース製はどうしても重厚な雰囲気を漂わせてしまう。
これに比例して側扉窓や側扉窓配置も苦しくなってしまい窮屈さが拭えなかった。
一方TOMYTEC製の落とし込みは実車に近くマイクロエース製とは対照的な軽快さを醸し出している。
グリーンマックス製PT-43S形パンタグラフへの換装もあり京成形式らしさを感じられると思う。
ただKS-121台車はもう少々厳つくしても良かったように映った。




モハ3312 [B05 普通 上野]:種別表示器交換施工車。


モハ3312 [ 5 特急 成田空港]:3312F-2(種別表示器交換施工車)。
※マイクロエース製。

強い違和感を感じた英字無併記[普通]種別幕にはファイアーオレンジの縁取りが成されていた。
一瞬謎と思える仕様だが車体再現に変更された側面行先表示器を重ねると合点が行く。
貫通扉も別部品が採用されており3200形更新車リリースへの布石だと思われる。
恐らく3200形の種別表示器窓黒Hゴム支持を窓セル再現とするため[赤Hゴム支持]化したのだろう。
前面印象把握が良かっただけに一回り小さい英字無併記[普通]種別幕は惜しまれる箇所となった。
なお種別幕は富士川車輌工業製ステッカーを貼付したプラ板を貫通扉裏面へ設置し在籍中のマイクロエース製3300形並に引き上げた。


モハ3309(床下機器配置変更施工車)。


3500形モハ3553(3556F)。
※TOMYTEC製。

TOMYTEC製3300形の床下機器配置は3500形3556F朱帯色と共通化されていた。
M1車のモハ3311,モハ3310は主抵抗器が主役であり製品仕様を維持したまま竣工させた。
しかしモハ3312,モハ3309の海側に配置された電動発電機だけは黙認できなかった。
過去に機器配置変更を行った車両はTOMYTEC製クハ2000形クハ2003更新車晩年仕様(206F)に限られる。
クハ2003は200形モハ207(二代目)を種車とした関係で必然的に生じた工程だった。
純粋に実車へ倣う名目の単独施工はモハ3312,モハ3309が初となっている。


3312F-3サイドビュー(モハ3309:床下機器配置変更施工車)。
※TOMYTEC製。


3312F-2サイドビュー(モハ3309:復活新赤電色改装車)。
※マイクロエース製。

その他C-1000形空気圧縮機への置き換えも行いたかったが防護網付しか持ち合わせが無く取り止めた。
ここは一体成形床板を持つマイクロエース製が上回った箇所となった。
但し全体の雰囲気を崩すまでには陥っておらずTOMYTEC製3300形はC-2000形空気圧縮機で押し通すつもりである。
3312F新赤電色より側面窓セルが妻面窓セルによる片側支持へ変更され第二次整備初入場車のモハ3311から慎重な作業を心掛けた。
しかし結果はこれまで投入したTOMYTEC製京成形式と変わらずM2車の整備に時間を要する工程であった。
ただ運転台側TNカプラーSPと前面車体裾の干渉が廃されたのは大きな改善点で今後も踏襲してほしい。
この記事についてブログを書く
« 京成3300形モハ3309[3312F-3]... | TOP | モハ103-733[ラシ310F-1] 動... »