試運転 ~TRIAL RUN~

初心者の拘りと見切りが激しい自己責任による鉄道模型軽加工記録

京成3300形モハ3310[3312F-3] 新赤電色 (側面窓セル修正,動力ユニット搭載,側面行先方向幕基準表示化施工) ※TOMYTEC製

2019-09-08 21:30:46 | 京成線:3300形
中核。

側面窓セル支持方式に変更があったTOMYTEC製京成3300形3312F新赤電色(1次車:3312F-3)はM1車の第二次整備を優先させる。
モハ3311(3312F-3)に続く入場車は動力ユニット搭載を行うモハ3310となった。
壁になると思われた側面窓セルの撤去だがモハ3310では違う展開が待ち受けていた。


京成3300形モハ3310 1次車 新赤電色(3312F-3)。
※TOMYTEC製。

モハ3310(3312F-3)にはTOMYTEC製TM-06R動力ユニットが充当される。
床下機器部品は全て移設を要しKS-121動力台車枠取付も行わなければならない。
18m級車体では特殊な加工を必要とせず既存の京成形式に準拠した方式で進められる。
TOMYTEC製TM-06R動力ユニット搭載車はある程度竣工させており時間が読める作業だった。
とにかく側面窓セルを瑕疵無く取り外せるかが竣工への課題に思えた。
よってモハ3310でも車体関連項目が優先され第一工程に前倒しとなっている。


入工中のモハ3310。

片側支持の側面窓セルは妻面窓セル凸形成形部を失うと車体との嵌合が維持できなくなる。
これは側面行先表示器が車体再現に変更されたためで返って取り外しを慎重にさせる。
また海側,山側の成形差異は伺えずどちらにも装着が行えるように見えた。
一見による判断であり実際には専用設計が採用されているかもしれない。
仮に側面窓セルの選択を誤ると妻面窓セル凸形成形部が破損する可能性が浮上した。
そこでモハ3310(3312F-3)からは片側毎の側面窓セル修正に改めた。


ニードルで浮いた側面窓セル(上野寄)。

嵌合が固かったモハ3311(3312F-3)ではニードルが通用せず爪楊枝を偶柱部に差し込んでいる。
それでも妻面窓セルを湾曲させなければ側面窓セルが取り外せなかった。
分解したモハ3310(3312F-3)の側面窓セルは結構な反りがありニードルでも対応できると思われた。
半ば駄目元ではあったが再び径の細いニードルでの側面窓セル撤去に戻している。
海側から側面窓セルの取り外しへと取り掛かったところ簡単に妻面窓セル凸形成形部を乗り越えられた。
妻面窓セルを押し広げる必要もなくモハ3311とは真逆の嵌合精度であった。


湯口痕の処理が甘い側面窓セル嵌合爪先端部(成田寄)。

3312F-3は全車揃って側面窓セル嵌合爪先端部湯口痕の処理が甘いと判明している。
該当部分は側面窓セル両端の嵌合爪だけに限られるが車体裾から露出する箇所まで散見された。
湯口痕の整形はニッパーでの切断も採用出来たが嵌合爪への影響を考えクラフトナイフで抉る方式とした。
張り出しの長短に関わらず整形を行ったため結局全箇所が修正対象になっている。
側面窓セル窓サッシ印刷の欠けは見られなかった一方でモールドからのはみ出しがやたらと多かった。
出来る限りの除去を行ったものの側面窓を曇らせる確率が高い作業であり完全な補修には至っていない。


補修を終えた側面窓セル。

山側の側面窓セルも海側用と同じく車体内側への反りを有しておりニードルで撤去が行えた。
課題と予想していた側面窓セルの撤去だったがモハ3311(3312F-3)とは個体差があったらしい。
側面窓セルに反りが無ければモハ3311並の嵌合精度へ達していたと予想される。
思わぬ仕様に助けられモハ3310(3312F-3)の車体関連項目は快調に進むと思われた。
残念ながら山側側面窓セル窓サッシ印刷は海側用を遥かに越える乱れ具合だった。
この修正に時間が掛かり組み立てへ移るまでの時間はモハ3311と変わらなくなってしまった。


妻面窓セル凸形成形部と接していない側面窓セル。

取り外しに労さなかった側面窓セルであるが念のため車体への組み込みは注意を払った。
側面窓セル全体を車体幕板と面合わせし垂直方向に角度を起こす。
するとモハ3311(3312F-3)用側面窓セルは支えている最中に嵌まり込んでしまった。
上野寄妻板内側を確認したところ側面窓セルと妻面窓セル凸形成形部には隙間が見られた。
側面窓セルの反りが着脱へ有利に働いたのは間違いないと思える。
TOMYTEC製3300形は側面窓セル車体中央部を浮かせた後に撤去する方式で統一出来るかもしれない。


床下機器部品を移設したTOMYTEC製TM-06R動力ユニット。

車体関連項目に一区切りが付きTOMYTEC製TM-06R動力ユニットの整備へ移行した。
非動力車で竣工させたモハ3311(3312F-3)は溶着を施すほど床下機器部品のぐらつきが酷かった。
そのためモハ3310(3312F-3)も簡単に床下機器部品が引き抜けると思われた。
しかし予想に反し嵌合は固く嵌合爪を台枠内側からプラスチックドライバーで押し出して撤去している。
嵌合精度の高さはTOMYTEC製TM-06R動力ユニットへの挿入にも引き継がれる。
強固な固定は無用と言え木工用ボンドでの脱落防止策に変更した。


完成したKS-121動力台車(成田寄)。

動力台車妻面側のカプラーポケット用マウントは台車見附向上を名目に切除した。
並行してマッキーでの輪心黒色化も行いKS-121非動力台車との差異縮小を図っている。
切り出したKS-121動力台車枠は差し込みだけで十分な強度を得られ。
なおTNカプラーSPは予めスペーサー単独での取り付けを済ませておいた。
スペーサーのTNカプラー取付部は個体によりTNカプラーSPを受け付けない場合がある。
台枠への挿入後ではTNカプラーSPフレームを傷めかねずモハ3310(3312F-3)でも踏襲された。


組み立てを待つモハ3310。

ウエイトはダイキャスト地が剥き出しであり車内に埋没するよう黒色化を施す。
マッキーでの塗り潰しは従来と変わりないが入念な複層化が廃止となった。
TOMYTEC製TM-06R動力ユニットは嵩が高く撤去時に車体の何処かしらと接触してしまう。
幾らインク被膜を複層化しても強度が低くその都度剥げる弱点は変わらないままだった。
最早補修が当たり前になっており剥離を前提とした黒色化へと改められた。
施工方法も若干見直され天面は台枠への組み込み後に塗り潰している。




モハ3310(3312F-3:側面窓セル修正,TOMYTEC製TM-06R動力ユニット搭載,側面行先方向幕基準表示化施工)。
※TOMYTEC製。


モハ3310新赤電色本線仕様(3311F-2)。
※マイクロエース製。

モハ3310(3312F-3)で際立ったのは屋根板を立てるだけで脱落したクーラーキセだった。
工程にはグリーンマックスPT-43S形パンタグラフ以外の固定化が含まれていた。
避雷器及びヒューズボックスへ流し込み接着剤を投入しようとした矢先に全台が外れる憂き目に遭っている。
クーラーキセはばらばらに散ってしまい入場前と順番が入れ替わっていると思う。
ただ屋根板との接触は保たれており側面見附の悪化には繋がらなかった。
竣工を迎えたモハ3310新赤電色(3312F-3)だが各部品類の取り扱いも新たな注意項目に挙がる作業であった。
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