試運転 ~TRIAL RUN~

初心者の拘りと見切りが激しい自己責任による鉄道模型軽加工記録

モハ100-200[ツヌ104F] 動力ユニット整備 (加減速度改善:モーター用マグネット位置修正試行) ※'旧製品

2020-02-11 23:58:16 | 国鉄/JR101系
2ndLOT。

都合十四代目となったKATO製国鉄101系ツヌ118F(Mc155:旧製品)は2018年7月に回着した編成である。
元ツヌ124F(Tc74)から旧ツヌ107F(Tc83)まで続いた旧製品先頭車両の新金型車体更新は2018年6月を以て終了となった。
以後再生産品での編成増備に絞り込む方針だったが慢性的な予備品不足が続いていた。


国鉄101系モハ100-200(ツヌ104F:動力ユニット搭載車)。
※旧製品。

当時10両編成化を進めていたツヌ109F(Mc202)と同期して旧ツヌ122F(M'c170)の組成変更に着手していた。
捻出車両にはクモハ100-108(旧ツヌ122F:第一次動力ユニット搭載試作車)まで含まれる大幅な異動が実施された。
加えて欠車が生じたツヌ122F(Mc155)へ組み込む4両を旧製品車両とするLOT調整策も盛り込まれる。
そこで異動対象に含まれない6両を部品取車両へ廻せる編成単位での導入へと傾いた。
車両異動は十四代目ツヌ118Fを一旦旧ツヌ118F(Mc155)として暫定出場させた後に開始される。
ところが黄色5号塗装変更車廃止計画が持ち上がり十四代目ツヌ118Fは部品取用途から更新用途へ変更となった。


入工中のモハ100-200。

目論見通り塗装変更車削減に貢献した十四代目ツヌ118Fのうち唯一モハ100-158(2号車)だけは充当先が無かった。
保留車へ廻った後もモハ100-158(ツヌ118F:再生産品)との相互交換で動力ユニット搭載車に改められた程度だった。
これはモハ100-168(ツヌ105F:Mc154←モハ100-158:再生産品),モハ100-200(ツヌ104F←モハ100-158:旧製品)の竣工へと繋がる。
但しモハ100-158(ツヌ118F:再生産品)には旧モハ100-206(元ツヌ107F:旧製品)用動力ユニットが取り付けられていた。
モハ100-158(再生産品)用動力ユニットはモハ100-808(旧ツヌ101F-1:Mc193)からの転用品であり長らく予備的存在だった。
更に出自を遡るとモハ100-31(トタムコ3F:Mc78→モハ100-128:ムコ予備00F)へ辿り着く2ndLOT品であった。


硬化が始まっていたプラスチック製部品。

そのせいか在籍車両でもモハ100-200(旧製品)は指折りの鈍足車と化しており性能復元を目指し入場させている。
101系0番代2ndLOTモハ100形用動力ユニットの整備はモハ100-200が初施工だと思われる。
だが旧製品LOT,再生産品LOT動力ユニットとも同一基本構造と言え2ndLOT品も変わらないと予想された。
この考えに誤りこそ無かったもののユニットカバーは柔軟性が失われていたため分解から慎重を期した。
同じくモーター支持部品も硬化現象が伺え2エンド側はハ字形に固まり導電板を偏位させていた。
先ず硬くなったモーター支持部品へドライヤーを当て軟化した後に製品原形まで戻している。


各々手が加えられたモーターとモーター支持部品。

一方従来通り軸受部へ注油を施したモーターだが一向に調子が上がらず高速域での単独駆動試験も通用しなかった。
そこでクモハ100-170(ツヌ105F:動力ユニット搭載車)に続くモーター用マグネット位置調整を試行した。
クモハ100-170では起動電流低減が試行名目だったが回転子はマグネット位置の影響を大きく受けると判明していた。
症状こそ異なるが加減速度改善にも少なからず効果があるように思え微調整を繰り返している。
最終的にモーター用マグネットは当初よりも若干線路側へ下げられ伸び悩むモーター回転を解消させた。
この他赤色塗料が激しく掠れていた1-3位側用マグネット断面を赤マッキーで塗り潰した。




整備内容が異なったDT21動力台車 (1エンド側用,2エンド側用)。

DT21動力台車の状態は芳しくなく1エンド側用:埃侵入,2エンド側用:油脂固着と症状が分かれていた。
油脂が固着したスパイラルギア周りはこれまでの動力ユニット整備でも多々見られた現象だった。
よって2エンド側用DT21動力台車の先行清掃を行い1エンド側用と区分している。
1エンド側用DT21動力台車はギア軸まで埃が絡み付く有り様でロアフレーム側ギアも全て撤去した。
嵌合爪を押し広げる取り外し方式には抵抗があるが現時点でも代替手段に辿り着けていないため踏襲するしかなかった。
なお台車集電板及び導電板には経年相当の曇りが伺えたためラプロス#2400にて研磨を施した。


組立を待つモハ100-200用動力ユニット。

ドライヤーを当てながら整形したモーター支持部品は形状が保たれており台枠装着後の導電板偏位も発生しなくなった。
この結果を踏まえユニットカバー嵌合爪部にも同一方式を採用しドライヤーで柔軟性を高めた後に組み立てている。
無事整備が完了したモハ100-200用動力ユニットの駆動試験結果は良好であった。
DT21動力台車の状態も宜しくなかったがそれ以上にモーター本体が加減速度低下を招く直接原因だったと思われる。
取り敢えず初期の目的である性能復元を果たしモハ100-200(ツヌ104F:旧製品)は竣工に至った。
だがプラスチック硬化が進行していた事実は見逃せず新たな課題を突き付けられた入場となっている。
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