ジネンカフェだより

真のノーマライゼーション社会を目指して…。平成19年から続いているジネンカフェの情報をお届けします。

VOL.028レポート

2009-06-14 18:10:58 | Weblog
今回のゲストは、緑区のかたひらかたろうさんを拠点に活動されている〈布ぞうりの会〉代表の高野萬里子さん。お話のタイトルは「地域片平に根づいて」

高野さんは主婦歴40年、3人のお子さんを育てられた人生の大先輩でもある。高野さんが緑区に移り住まれたのは、結婚されてから10年後のこと。つまり緑区在住30年ということになる。20代、30代と子育てに追われていた高野さんも40代に差しかかり、子育ても一段落ついた頃、この年代の女性が誰しも考える〈今後の自分の生き方〉について、考える機会を得た。〈自分はこのまま生きていてもよいのか…〉〈なにかをしたい…〉そんな疑問とも焦りともつかない思いが、高野さんを動かした。ヘルパー資格を取得し、介護ヘルパーとして働き始めたのである。働き始めた動機が家庭のためでもなく、旦那さんももちろん働いていたので、介護ヘルパーとして振り込まれる報酬を使うこともなかった。ある時、自分の通帳をみてその貯蓄額の多さに驚いた。高野さんはそのお金でヨーロッパ旅行を楽しんだという。

かたひらかたろうの石川さんに出会ったのも、その頃のことだ。当時かたろうさんの空間は第二ニコニコハウスとして使われており、そこでは知的障がいをもつ人達が地域の高齢者世帯向けの配食サービスをしていた。高野さんはその事業を手伝うことになったのである。訳あってニコニコハウスさんが配食サービスから撤退してからは、かたろうさんの空間を活用して地域の高齢者や子どもたちに布ぞうりづくりを教える活動を通して、誰もが生き生きと暮らしてゆける片平学区づくりに関わっておられる。

〈布ぞうりの会〉とは、もともとそういう団体があったわけではなく、かたろうさんのイベントで布ぞうりづくりの先生を招いて講習会を開いた。その時に講習を受けたお仲間が集まって、布ぞうりの普及を目的にかたろうさんを拠点に行われている講習会であり、それを運営するグループなのである。現在のビニールぞうりは歩く度に音がするし、夏場などの汗ばむ季節は履くとベタベタして気持ちが悪い。それに比べて布ぞうりは履いた感触が夏場でもサラリとしているのだろう。

また、高野さんの活躍は〈布ぞうりの会〉だけではなく、絵手紙やパッチワーク・キルトの会にも参加し、活動されている。かたろうの石川さんの周囲にはパワフルな女性ばかりが集まってくる。人と人、人と物、人と事柄との出会いは、その人、そのもののエネルギーと、自分が本来もっているものとが科学反応を起こし、新しい何かを生む。それがお互いを触発しあい、成長させ、お互いの世界を豊富にしてゆく…。

高野さんは最後にヘルパーの勉強をしていた時に、講師の先生から教えてもらった〈気づきのサイクル〉の紹介をしてくれた。それはこういうことである。

気づき→行動→反省→成長

今回のジネンカフェは、高野さんのあまりものパワーに進行役の私がタジタジする場面もあったが、人間的に魅力的な方でもあった。