ジネンカフェだより

真のノーマライゼーション社会を目指して…。平成19年から続いているジネンカフェの情報をお届けします。

ジネンカフェVOL.027のご案内

2009-04-06 19:12:41 | Weblog
日時:5月9日(土)14:00~16:00
場所:くれよんBOX(名古屋市昭和区小桜町3-11 羽ね屋敷1階)
ゲスト:大熊宗麿さん(名古屋市社会福祉協議会ボランティアセンター副所長)
    『「社協」ってなんだろう?』

略歴:平成6年 名古屋市社会福祉協議会に就職、地域福祉部に配属。
          全国身体障 害者スポーツ大会ゆめぴっくあいちの
          ボランティア募集などを担当。
   平成12年 天白区社会福祉協議会
   平成17年 千種区社会福祉協議会
   平成20年 名古屋市社会福祉協議会ボランティアセンター

コメント:誰でも、いつまでも自分の住み慣れたまちで安心して暮らしていきたいものです。社会福祉協議会(社協)、「住み慣れたまちで誰もが安心して暮らすことのできるまちづくり」を目指して活動している団体です。でも、名前がカタいからか、はたまた事業が見えにくいからか思いのほかなじみが薄いようです。そこで、社協とはどんな団体でどんな事業を行っているのか、社協が進める地域福祉とは何か、そしてボランティアセンターの事業や役割について、ヤワラカく考えてみましょう。
     
 参加費:300円(カフェ代別)

 主催・共催:NPO法人まちの縁側育くみ隊/NPO法人くれよんBOX/かたひらかたろう
 
 お問い合わせ・申込み先
 
 名古屋市東区代官町29-18
 まちの縁側MOMO内
 NPO法人まちの縁側育くみ隊 担当:大久保まで。
 TEL/FAX:052-936-1717
 E-mail:ookubo@engawa.ne.jp

VOL.026レポート

2009-04-06 10:10:53 | Weblog
今回のゲストは〈るりとうわた〉代表の緑風菫さん、アスペルガー当事者である琴子さん、自へい子のお母さんである雪月花さくらさんのお三方。〈るりとうわた〉さんは、このお三方がフルメンバーである。このお三方はもともと友人同士で、琴子さんがアスペルガー症候群の診断を受けたのは大人になってから。丁度その頃にさくらさんのお子さんも自へい症との診断を受けたとか…。不思議なシンクロだけれど、この世には不思議なことなんて幾らでもある。

〈るりとうわた〉さんの主な活動としては、琴子さんが描く絵や、絵のイメージとともに浮かんでくるという詩の展示を通して、自閉症スペクトラム(同じ障がいでも様々なタイプがあり、その連続体のこと)や、アスペルガー症候群などを含んだ自へいの世界、その生きにくさを知って貰い、少しでも理解が促進されるようにとの願いで活動しておられる。また、普段から〈目に見えない〉〈一見すると障がいがあるようにしか見えない〉ゆえ日常的に生きにくさを感じている中で、自己の存在価値を見失いがちになる琴子さんに、琴子さんの絵や詩が人々にどれほどの感動や癒しを与えているのかを伝えることにより、琴子さんはもちろん、同じ障がいをもっている人やその周りの人に未来への希望と生きる勇気を見いだしてほしいという想いもある。

琴子さんの絵や詩は、私もくれよんギャラリーで2回ほど鑑賞させていただいたことがあるけれど、それこそ瑠璃色を基調とした宇宙的な広がりをもった素敵な絵で、思わずその作品世界に引き込まれそうになったことを憶えている。今回はそれ以外の作品、〈写真〉としか思えないような風景画や、色彩の洪水とでもいうような「咲く四季」シリーズをみせていただいたが、琴子さんはそれぞれ「きらきらシリーズ」「スペクトラムの森シリーズ」「咲く四季シリーズ」と呼んでいて、どのシリーズもスペクトラムでイメージが浮かぶのだそうだ。詳しくは〈るりとうわた〉さんのHP『トウメイなヤミ』をご覧下さい。

そもそもその琴子さんの障がい、アスペルガー症候群とはどんな障がいなのか…。簡単に言えるものではないけれど、あえて平易に書くと〈知的障がいを伴わない自閉症〉の総称である。言葉で書くと平易だけれど、他者との距離感が掴めなかったり、コミュニケーションや言葉の使い方がおかしかったりするので、身体障がいのように見た目で判断ができる特徴がないだけに周囲から誤解を受けたり、中傷をされたりするのだ。加えてこの障がいの診断が大人になってからされるケースがあり、琴子さんも30歳ぐらいになってから診断されたという。自分の障がいのことを知らないままに、その障がいゆえ周りから誤解や中傷を受けて、二重の意味でわけが解らず、さぞ苦しくて辛い想いをされてきただろうと思われる。

しかし、そんな琴子さんを支えてきたのが緑風菫さんであり、雪月花さくらさん、それに〈るりとうわた〉の活動であったことは間違えない。〈るりとうわた〉とは聞き慣れない名前だけれど、オキシベタルムという琴子さんが好きな青系の花の和名で、漢字では「瑠璃唐綿」と書き、花が星形をしていて、台湾では自閉症スペクトラムの人たちを〈星の子ども〉と呼んでいるそうだ。この花の花言葉は「信じあう心」。

〈るりとうわた〉のお三方には、友人同士ということもあるだろうけれど、お互いに強い絆で結ばれている。それは琴子さんやさくらさんのお子さんの障がいを通じて、異なるものの豊かさを感じ、目に見えないけれど確実に存在するものの世界を信じ、世界は自己がみている世界だけではなく、人がいればそれだけ世界も存在していることを知っているからだろう。そしてそれを琴子さんの絵や詩を通して知ってほしいという共通の願いがあるからだ。

琴子さんの絵や詩を観たり、読んだりしていると平安末期~鎌倉にかけて活躍した歌人で僧侶でもあった西行のこんな言葉が浮かんで来る。

「詩人は詩人になるのではなく、詩人として生まれて来るのだ」

琴子さんは確かにアスペルガー症候群という障がいをもって生まれてきたが、同時にイメージを絵や詩によって定着させる感性をもって生まれてきた人なのだと思う。これからも活動を続けて行ってほしいとセツに願っている。