2015年に入りまして、にわかにKOBEがアツい!1月に竹内結子主演のスペシャルドラマ『上流階級』がテレビ放映されたのを皮切りに、シーズレインの白羽監督がメガホンを取った『神戸在住』、そうして中谷美紀主演の話題作『繕い裁つ人』の劇場公開と、神戸を舞台にした作品が続々と、日の当たる場所へ。
とりわけ『上流階級〜富久丸百貨店外商部〜』の華々しいキャストには、目を見張りました。単に人気役者を集めただけでなく、各々が、それぞれの持ち場で、本当にいい仕事をしていた。浅野ゆう子、高畑淳子、松雪泰子…おお~忘れてはならない、倍賞さん(美津子)もだわ。ドラマ界で主役級の面々が、竹内に絡むのです。
限られた出番において、存在感を放ちながら、相手をも引き立たせる。大変だったと思いますよぉ。本人は勿論、周囲もネ。ああ、男性陣の気遣いが目に浮かぶ。演出の澤田鎌作さん、猛獣使いかと。
ケーキ売り場のバイト嬢から、叩き上げでのしあがってきた主人公。そんな彼女が、新たに配属されたのは、男ばかりの部署だった!ノルマをこなしゆくツワモノ社員、一筋縄ではいかぬお得意様、小生意気な後輩、ややこしいクレーム男など個性派キャラに揉まれつつ、持ち前のバイタリティーで奮闘するデパガを、竹内結子が好演。久々に、フジのドラマの真骨頂を見た。
小生意気な後輩を演じた斎藤 工。『昼顔』の冴えない高校教師より、俄然こちらを推す。また外商軍団の中、時に意地悪オーラを発しつつ、燦然と輝いていた堀部圭亮も良かった。「あの北村一輝みたく濃い顔の人、誰なのよ。」昨年の今頃、ドラマ『緊急取調室』をチェックしていた友人がつぶやいて以来、私たちの間では、ちょっとした注目株なのだ。
「『花咲舞が黙ってない』では、セクハラ上司だったよ。」「『必殺仕事人2014』にも出演してました。もち悪役♪」「『信長協奏曲』にもいたわ。足利義昭さんでした。」なんだか見つけると嬉しくなるのね。「出ていたと聞いた頃には、もう出ていないんだよね。登場短すぎ。」口火を切った友人は、不満を漏らしたものだが、役所も出演時間も、着実にステップアップ。という訳で、『上流階級』連続ドラマ化希望!(←堀部さん目当てかーい)
実はじんちゃん、仕事人が好きなんです。本人が理想とする環境なんて、そうそう回ってこないと思うのよ。それでも割り振られた役割の中、きっちりと成果を出す。そんな心意気が響き合い、調和のとれた作品に仕上がっていると、素敵だなぁと感じる。今回それが、よく活かされていた。
「大丸の元町外商が舞台になってたね。すっごく面白かった。」「草刈正雄(伝説の外商マン)、竹中直人(温かく見守る上司)、浅野ゆう子などのメンツが美味しかったわぁ~。あと高畑淳子さんの鶴様は、是非レギュラーで!」「浅野ゆう子が演じた六麓荘の奥様、黙って微笑むのは気分を害した時ってのが怖かったわ。彼女たちの中で、お金持ちとは成り金を意味するというのも、勉強になった。」「父の幼馴染で外商の方がいらしたので、あのおじさんも大変だったんだなぁと。草刈正雄でも、伝説でもない、一外商マンでしたが。」
実は、このドラマには原作がありまして。作者の高殿円さんは、神戸生まれの小説家。関西の女子大出身(あの湊かなえさんも!)だそうで、そういった方の活躍を目にするのは、頼もしいですねぇ。当世、女子校ってのは分が悪く、昔ながらの学校も、随分共学化へ傾いてしまいましたから。でもね、女子校ならではの良さ(そこで育まれる感性・視点・文化)ってのも、やっぱりあるんですよ。
ちなみに『繕い裁つ人』の監督三島有紀子さんも、関西の女子大出身。映画の中に、ひっそりと母校が登場しているのですが、じんちゃんは、その空間の美しさに、ため息がこぼれました。ああ、私もあんな場所で、お気に入りの本のページをめくりたい。
さて映画 『繕い裁つ人』。祖母の仕立て屋を引き継ぐ頑固職人のヒロイン(中谷美紀)と、彼女が手掛ける服をこよなく愛する青年(三浦貴大)の、淡い恋の行方も気になるところ。なのですが、あの内容は中高年の方々にこそ、観ていただきたい。鑑賞する側の身に置き換え、味わうことのできる作品。いろいろ考えさせられるモノがありました。
昔ながらのスタイルを守り、受け継いだ仕事を、淡々とこなしていく中谷。先代が仕立てた服を、顧客の変化(或いはニーズ)に合わせ、その人生と寄り添うように作業する。彼女独自の作品を見たい、より多くの人へその服を届けたい三浦くん(デパートに勤めているのだ)は、ブランド化の話を持ちかけるが、「着る人の顔が見えない洋服など作れない」と、けんもほろろの反応。それでも彼は、彼女の洋裁店へ足を運び、その行く先へ付き従い、自身の想いを伝え続けてゆく。果たして、そのアツい心情は、彼女へ届くのか!?
主人公の不器用さ、わかる気がするなぁ。どうも人ごととは思えなくて。 ’好きなものとだけ、シンプルに生きる’ 凛とした迷いのなさが、羨ましくもあるけれど、’シンプルに生きざるを得ない’部分もあるのでしょうね。
「夢見る為の洋服を作ってるんです。生活感出してたまるもんですか。」「そんなにあったら、本当に好きなモノが、わからなくなってしまうんじゃないかしら。」「何だか悔しいわ。自分の居場所を簡単に変えてしまえるんですもの。」中谷演じる市江語録に頷きつつ、耳を傾けていたじんちゃんですが、とりわけこの言葉には、心を揺さぶられました。
「引導を渡されるまでは、どうぞ自分から投げ出さないでください!」この前のね…時代の流れに背中を押されるように、店をたたむ決意をした同業者(伊武雅刀)の台詞「その人と共に終わりゆくモノがあっていい。」と対になっていて、どちらも泣かせるんですよね。
三浦くん&中谷さんの恋の行方については、ああ、やはりここでも’押して!押して!引く’のセオリーが通用してしまうのだなと。彼がそれを駆け引きとして使った訳じゃないのが、救いかな。「今度ばかりは、はっきり言いますけど」(←中谷さん)「いつもはっきり言ってるじゃないですか」(←三浦くん)に始まる二人のまっすぐさ加減が、微笑ましかった。
そうして、こちらのセオリーも裏切らない展開となるのですが、その結果は是非、ご自分の目でお確かめください。「恋愛は、人間が変化する一番大きなモチベーションになる」
とりわけ『上流階級〜富久丸百貨店外商部〜』の華々しいキャストには、目を見張りました。単に人気役者を集めただけでなく、各々が、それぞれの持ち場で、本当にいい仕事をしていた。浅野ゆう子、高畑淳子、松雪泰子…おお~忘れてはならない、倍賞さん(美津子)もだわ。ドラマ界で主役級の面々が、竹内に絡むのです。
限られた出番において、存在感を放ちながら、相手をも引き立たせる。大変だったと思いますよぉ。本人は勿論、周囲もネ。ああ、男性陣の気遣いが目に浮かぶ。演出の澤田鎌作さん、猛獣使いかと。
ケーキ売り場のバイト嬢から、叩き上げでのしあがってきた主人公。そんな彼女が、新たに配属されたのは、男ばかりの部署だった!ノルマをこなしゆくツワモノ社員、一筋縄ではいかぬお得意様、小生意気な後輩、ややこしいクレーム男など個性派キャラに揉まれつつ、持ち前のバイタリティーで奮闘するデパガを、竹内結子が好演。久々に、フジのドラマの真骨頂を見た。
小生意気な後輩を演じた斎藤 工。『昼顔』の冴えない高校教師より、俄然こちらを推す。また外商軍団の中、時に意地悪オーラを発しつつ、燦然と輝いていた堀部圭亮も良かった。「あの北村一輝みたく濃い顔の人、誰なのよ。」昨年の今頃、ドラマ『緊急取調室』をチェックしていた友人がつぶやいて以来、私たちの間では、ちょっとした注目株なのだ。
「『花咲舞が黙ってない』では、セクハラ上司だったよ。」「『必殺仕事人2014』にも出演してました。もち悪役♪」「『信長協奏曲』にもいたわ。足利義昭さんでした。」なんだか見つけると嬉しくなるのね。「出ていたと聞いた頃には、もう出ていないんだよね。登場短すぎ。」口火を切った友人は、不満を漏らしたものだが、役所も出演時間も、着実にステップアップ。という訳で、『上流階級』連続ドラマ化希望!(←堀部さん目当てかーい)
実はじんちゃん、仕事人が好きなんです。本人が理想とする環境なんて、そうそう回ってこないと思うのよ。それでも割り振られた役割の中、きっちりと成果を出す。そんな心意気が響き合い、調和のとれた作品に仕上がっていると、素敵だなぁと感じる。今回それが、よく活かされていた。
「大丸の元町外商が舞台になってたね。すっごく面白かった。」「草刈正雄(伝説の外商マン)、竹中直人(温かく見守る上司)、浅野ゆう子などのメンツが美味しかったわぁ~。あと高畑淳子さんの鶴様は、是非レギュラーで!」「浅野ゆう子が演じた六麓荘の奥様、黙って微笑むのは気分を害した時ってのが怖かったわ。彼女たちの中で、お金持ちとは成り金を意味するというのも、勉強になった。」「父の幼馴染で外商の方がいらしたので、あのおじさんも大変だったんだなぁと。草刈正雄でも、伝説でもない、一外商マンでしたが。」
実は、このドラマには原作がありまして。作者の高殿円さんは、神戸生まれの小説家。関西の女子大出身(あの湊かなえさんも!)だそうで、そういった方の活躍を目にするのは、頼もしいですねぇ。当世、女子校ってのは分が悪く、昔ながらの学校も、随分共学化へ傾いてしまいましたから。でもね、女子校ならではの良さ(そこで育まれる感性・視点・文化)ってのも、やっぱりあるんですよ。
ちなみに『繕い裁つ人』の監督三島有紀子さんも、関西の女子大出身。映画の中に、ひっそりと母校が登場しているのですが、じんちゃんは、その空間の美しさに、ため息がこぼれました。ああ、私もあんな場所で、お気に入りの本のページをめくりたい。
さて映画 『繕い裁つ人』。祖母の仕立て屋を引き継ぐ頑固職人のヒロイン(中谷美紀)と、彼女が手掛ける服をこよなく愛する青年(三浦貴大)の、淡い恋の行方も気になるところ。なのですが、あの内容は中高年の方々にこそ、観ていただきたい。鑑賞する側の身に置き換え、味わうことのできる作品。いろいろ考えさせられるモノがありました。
昔ながらのスタイルを守り、受け継いだ仕事を、淡々とこなしていく中谷。先代が仕立てた服を、顧客の変化(或いはニーズ)に合わせ、その人生と寄り添うように作業する。彼女独自の作品を見たい、より多くの人へその服を届けたい三浦くん(デパートに勤めているのだ)は、ブランド化の話を持ちかけるが、「着る人の顔が見えない洋服など作れない」と、けんもほろろの反応。それでも彼は、彼女の洋裁店へ足を運び、その行く先へ付き従い、自身の想いを伝え続けてゆく。果たして、そのアツい心情は、彼女へ届くのか!?
主人公の不器用さ、わかる気がするなぁ。どうも人ごととは思えなくて。 ’好きなものとだけ、シンプルに生きる’ 凛とした迷いのなさが、羨ましくもあるけれど、’シンプルに生きざるを得ない’部分もあるのでしょうね。
「夢見る為の洋服を作ってるんです。生活感出してたまるもんですか。」「そんなにあったら、本当に好きなモノが、わからなくなってしまうんじゃないかしら。」「何だか悔しいわ。自分の居場所を簡単に変えてしまえるんですもの。」中谷演じる市江語録に頷きつつ、耳を傾けていたじんちゃんですが、とりわけこの言葉には、心を揺さぶられました。
「引導を渡されるまでは、どうぞ自分から投げ出さないでください!」この前のね…時代の流れに背中を押されるように、店をたたむ決意をした同業者(伊武雅刀)の台詞「その人と共に終わりゆくモノがあっていい。」と対になっていて、どちらも泣かせるんですよね。
三浦くん&中谷さんの恋の行方については、ああ、やはりここでも’押して!押して!引く’のセオリーが通用してしまうのだなと。彼がそれを駆け引きとして使った訳じゃないのが、救いかな。「今度ばかりは、はっきり言いますけど」(←中谷さん)「いつもはっきり言ってるじゃないですか」(←三浦くん)に始まる二人のまっすぐさ加減が、微笑ましかった。
そうして、こちらのセオリーも裏切らない展開となるのですが、その結果は是非、ご自分の目でお確かめください。「恋愛は、人間が変化する一番大きなモチベーションになる」