JINCHAN'S CAFE

My essay,My life
エッセイを書き続けることが、私のライフワーク

ミューズの晩餐 My essay,My life -分岐点-

2011年12月15日 10時25分00秒 | My essay,My life
さて、あっという間に師走ですよ。去年は、この時期いろいろあったな~。夫からのSOS、娘からのSOS。こうしてネットをやっている折にさえ・・・

ほらほら呼んでい・る・わ

今日もー また誰か~

家族のピ・ン・チ♪

と、今でこそ昇華して綴れるようになったものの、当時の家族を取り巻く状況は、彼らの言葉をベースに推し量るしかなく、そうして思う所はあれど、己の考えを強いる訳にもいかず、結局どう解決するかは、当事者の問題だもんなぁ。

一人、気を吐いたのは息子かしらん。 淡々と自分の道を歩み続け、明るい話題を提供してくれた。期末テストの5教科合計で学年上位へ食い込んだのを柱に、運動会他の学校行事を通して、日頃の努力を浮き彫りにした。

「母さん、家庭科(裁縫)の作品制作、クラスで1番に仕上げたんだよ。文化祭でも展示されるの。」ぶはっ。女子を差し置いてかい。母より大きくなった体を持て余し気味に、ちくちくと針を動かす様を思い浮かべ・・・笑ろてしもた。

おっと、心に木枯らし舞う娘の描写で終わっていたのだった。転校したばかりの頃、愛知から送り出してくれた親族の心配をよそに、新たな居場所へいち早く適応した娘。その揺り返しが、2学期も後半になってやってきた。

女の子の世界は難しい。ぐーっと接近したかと思ったら、さーっと離れていく、かと思えば戻ってくる。で、やっぱり意地悪な子がいる訳ですよ。そういった子から攻撃を受けている時、仲良くしていた子とも、いろんな事情で離れていたりして。

絶え間なく困った状況が続いている訳ではないのだけど、ポツッポツッと山があり、そんな時には、不機嫌な面持ちで帰ってきて、ランドセルを蹴飛ばしたりする。まったく、プレイガールかと思ったよ(←華麗な蹴り上げ←沢たまきかい←ふる~)。

夫の仕事をめぐる膠着状態は、意外な出来事が突破口となり、変化を見せ始めた。さる機関から、自宅へ電話が入ったのである。明るみになったのは、社長の非協力的な姿。支給されるべき手当が降りぬまま、数カ月が経過していた。

手続きに必要な書類を催促しているのだが、動いてもらえない。自分に何の益があるのかとドヤされたり、忙しいからと電話を切られたりする。正式ルートでは進展が見込めそうにないので、家の方と相談したい。担当者の物言いは柔らかだったが、ホトホト困っている状況や、それをどうにかして打開しようという決意は、伝わってきた。

年の瀬を迎え、何かと物入りな時期であることを気遣っての、直談判だった。「他の方々には手当が降りて、お宅だけなんです。ちょっとした額でもありますしね。」「すみません。あの…いっぱいいっぱいの現場で…」

しかし、どんな状況であれ、誰かにあたって気を紛らすなど間違っている。とばっちりを受ける側は、いい迷惑だ。「現場(客先)では、どんな感じなん?」夫に聞いたことがある。「それが、愛想いいらしいんだ(笑)。」特定の人間にだけ矢を放っているつもりなのだろう。が、そうした行為は得てして誰かに見られていたり、白日の下に晒されたりするものだ。

とにかく、第三者の証言は、夫も辛抱が足りないのではという私の疑念を払い除けてくれた。’頼まれたことを放置し、周囲に不快感を撒き散らし、何がサービス業だ!’ そんな対応を裏でしていて、お客の真のニーズが汲み取れる訳ないのである。惜しくはないかな…未成熟な人格の元を離れても。

それでも、一歩を踏み出した先に新たな居場所が見つかるのか、不安が頭をもたげる。あわよくば見つかったとして、当人がやっていける環境である保証はない。思い切る時期は、今でいいのか。ここでチャレンジする価値は、本当にないのか。夫も私も、数日間考え続けた。

本音は、すぐにでも辞めたい夫。辞めるにしても、せめて次の方向性を考えてからと思う妻。切ったら楽になるのは、わかってるよ。一時的にね。でも、そうやって生涯やり過ごす訳にはいかないんだ。

人生には、いくつかの分岐点があると共に、それぞれが我慢のしどころ、踏ん張りどころとなっている。どこまで向き合い、どこで見切りをつけるのか、果たしてどのような選択が良いのか。結果はすぐに訪れないから、見守る側だってしんどい。

自分自身のあり方もかなり迷ったが、何度目かのSOSに、こう答えた。「後になって、君が言ったからと私の所為にされてはたまらない。最終的な決断は、自分でして。」「わかった。」夫は、電話を切った。

コメント (1)
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