一郷一会・関東周辺100名湯プロジェクト

一郷一会が威信をかけて ^^: 選定。センター系、スパ銭・・・ お湯さえよければどこでもOK! 料金上限1,200円也。

□ 観音温泉 「ホテル観音温泉」 (元100湯)

2005-11-26 11:50:57 | 元100湯
 観音温泉は、下田市の横川温泉より更に南東部の舗装されていない山道を登っていきます。しかし、突然現れた旅館は、秘湯の宿ではなく、どちらというとデザイナー系のおしゃれな宿で、特に別館のピグマリオンのラウンジなどは、間接照明が巧みに配置されており都会的な癒しの空間を演出している。宿泊料金も3万円以上(ピグマリオン)と高級旅館でありますが、本館のほうは一般的な料金の旅館です。各雑誌の広告欄で紹介された観音温泉の温泉水販売があって以前よりちょっと気になっていた温泉で、このプログ100湯で選出されたので、今回興味津々で訪れた。

 伊豆の温泉なのであるので、PHは高いが、他の伊豆の湯と違わないかなと、予想していたが、入浴してみてそれは裏切られることとなる。結果からいうと伊豆であって伊豆にない特徴の温泉なのである。特徴は高アルカリ性の成分の薄い単純温泉、これが最大の特徴なのであります。この100プログでも紹介されていますが、福島県のいやさか食堂の湯や新潟の山の湯、五十沢温泉「旧舘」、栃木の鬼怒川「仁王尊」、山梨「初花」などに共通する温泉なのかなと思う。

 温泉は、勿論成分の薄い温泉なので、優しい感じの浴感なのだが、やはり高アルカリ性温泉の、特徴の骨太の温まり感があり心地よい疲労感が伴う。しかも成分は薄く温泉名に記載されないが、純芒硝泉系のお湯で、湯上りは肌がすべすべになるお湯で特に女性に喜ばれる泉質なのかである。
 湯屋であるが、これがよい湯屋なのである、露天風呂はかなり平凡であるが、内湯が素晴らしい、新しい湯屋なのだが天井が高く、湯煙ぬけがよい具合になっており湯気で曇ることは少ないだろうと思う。よい共同浴場で時々みられるが、このような方法を取るとゆったりとした湯浴みができ、すこぶる気持ちがよい。
 新しい施設なのだが、内湯はかなり出来である。

 お湯も芒硝泉系の温まり感、高アルカリ性温泉の骨の芯まで温めてくれるよい湯などお湯に関しても高レベルな温泉だと思う。高級感漂う施設などが伊豆らしく、鄙びた感じが微塵も泣く、個人的には好印象である。お湯さえよけれ鄙びた雰囲気は要らない。観音寺温泉廻りは、松崎温泉や下加茂温泉などの個性たっぷりな温泉があるがその中でぽっかりと空いた高アルカリ泉は、伊豆であって伊豆で無い温泉かもしれない。

源泉名 観音温泉1号泉 横川7号 アルカリ性単純温泉(Na-SO4型)PH9.5
Na=57.4 K=0.9 Ca=0.2 Cl=8.6 OH=0.5 SO4=28.7 HCO3=9.3 CO3=45.8 メタケイ=149.2 成分総量0.3g/kg (分析平成3年3月)

文/画像 ガメラちゃん@takayama

□ 越谷天然温泉 「ゆの華」 (元100湯)

2005-11-26 00:52:54 | 埼玉
東武伊勢崎(日光・鬼怒川)線は、始点に浅草観音温泉と蛇骨湯、終点には鬼怒川や川治を擁し、もともと温泉と縁のふかい路線だ。加えて近年、沿線での新湯ラッシュには目をみはるものがある。足立保木間のじゃぽん、越谷エリアではゆの華やラポーレ、春日部に湯元と湯楽の里、久喜エリアには森のせせらぎなごみや百観音、羽生に話題の新規2湯(華のゆ、湯ったり苑)、太田エリアも温泉施設続々オープンでヒートアップ気味だ。
そのなかでも老舗といえるのが、春日部湯元とここ越谷ゆの華だろう。

和風スパ銭のフォーマットが定着する以前、平成8年にオープンしたこの日帰り施設は、ベタな健康ランド的イメージを残している。トラック行き交うR4号パイパス沿いに建つその外観と上質の温泉は、素直に結びつかないが、温泉好きのあいだでは東鷲宮百観音とならび、県内有数の良泉として知られている。

エントランス前で無造作に源泉を垂れ流ししているのにまずおどろかされる。この源泉ディスプレイは柏店にもあって、”ゆの華チューン”はほんとうによい源泉に恵まれていると思う。柏店も100湯入りしているし、鹿島店のお湯もなかなかに個性的な食塩泉だ。

浴場は1階「やませの湯」と2階「華街道」にわかれ、男女日替わり交替制。温泉は露天だけだが、洗い場の一部には源泉カランもある。
湯口の湯質自体は、1階、2階で大差ないように思えるが、2階湯口は浴槽中央で注がれたお湯がすぐに撹拌されるのに対し、1階上段浴槽の湯口は端にありピンポイント的に源泉が注がれるので、湯口まわりのお湯は明らかに1階のほうがいい。洋風の2階に対し1階は和風で雰囲気もあるし、温泉浴槽も広いので、温泉ファンには1階をおすすめする。(サウナ好きには3種類のサウナがある2階をおすすめ)

お湯のキャラがきわだっている。
透明度約40cmの黒湯系のにごり湯は、かなりと強烈なヌルツルぬるぬる湯で、そのうなぎ湯的湯ざわりは、正徳寺温泉「初花」に相通じるものがあると思う。
この湯ざわりは重曹系ツルすべとメタけい酸のとろみとアワつきのぬるぬるとアルカリ性の弱ヌルすべが重なりあったものかと思うが、アワつきのほとんどない下段槽でもそうとうなものがあるので、主犯は重曹とメタけい酸(ひょっとすると+有機物)ではないかと思っている。
上段湯口そばでのアワつきは感動的で、つい先日入ったときは、ひょっとするとアワつき湯で有名な山梨の山口韮崎旭、長岡の寺宝を凌ぐのではないかとさえ思った。
浴後は重曹がきいて肌がつるつるし適度な爽快感がでる。浴中の湯ざわりのよさとあいまって、源泉名”美人の湯”の面目躍如たるものがある。

わりにぬるめのやわらかな浴感なのでついつい長湯してしまうが、浴後いきなり強烈な温もり感と発汗に見舞われる。その浴感は等張泉の成田大和の湯を思わせるものがあったが、その割に塩味が弱いので成分濃度の見当がつかなかった。
最近ようやく温泉分析書が掲出され、濃度2g/kg台にすぎないことがわかったが、となると、この強力な温まり感は鮮度によるものか、はたまた、肌をおおうアワつきによるものか・・・。

湯の香もこのお湯の味わいのひとつだ。湯口そばでは、モール臭と金気臭とアンモニア臭の入り混じった鮮度感ある香りが楽しめる。モール臭にしては甘すぎる芳香なのでひょっとするとイオウ臭?とも思っていたが、水硫イオンを0.7mg/kg含んでいるのでやはりイオウ臭も混じっていると思う。

にごり湯、ツル(ヌル)すべ、イオウ臭、温もり感&浴後の爽快感と、温泉の醍醐味がこんな近くで味わえるとはほんとうに贅沢だ。やはり埼玉を代表する名湯だと思う。

Na-塩化物・炭酸水素塩温泉 39.8℃、pH=8.17、600L/min(1,200m掘削自噴・揚湯)、成分総計=2.199g/kg、Na^+=649.8mg/kg (95.41mval%)、Fe^2+=0.6、Cl^-=553.6 (53.18)、HS^-=0.7、HCO_3^-=823.7 (45.97)、CO_3^2-=4.5、陽イオン計=690.3 (29.62mval)、陰イオン計=1385.4 (29.17mval)、メタけい酸=109.7 <H8.1.16分析>

文・画像 別働隊@うつぼ

※リンク先は、当ブログおよび筆者レポ(関東周辺立ち寄り温泉みしゅらん「掲示板過去ログ」)