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胃癌日記64

2013-02-12 19:45:10 | 闘病

                           胃 癌 日 記 64

                     スキルス胃癌手術から1年(2012年12月9日)の日々

(-親友と集う 3-)

 話は最近の経済情勢の話も出てくる。わいわいがやがやなので論理的一貫性はあまりない。それでもグローバル化への対応や消費税、消費不況などいろんな話が出てくるうちにY先生が

 「ぼちぼちIやん、喋りだそうとして、腹に溜まってきてるやろ。」

 と振ってくる。それではと、円高ドル安圧力の一方で日本がアメリカの国債等を買い支える(圧力を受けている)ことの矛盾やそのおかげで本来紙切れであるドルが相変わらず国際的に信用を裏付けられて通用していること、アメリカはドルをバンバン刷って証券化商品やデリバティブ、オイルや穀物の投機を際限なく拡大していること、それらの背景に新自由主義があり何の理念や理想もなく目先の利益のみを希求していること、等々を喋った。さらにそのために人件費をカットし若者の40%が非正規雇用であったり、電機業界の13万人のリストラ、パナソニックの2万人・本社総合職4千人のリストラ、そのことによってパナソニックの株が一瞬高くなりその後ストップ安となったこと、それによってごく一部の『選ばれた』連中は『売り逃げ』『空売り』でダブルで儲けていること、そんな退廃が日本資本主義を駄目にしていて、このことによる構造的不況は相当な間回復することはないだろう、ひょっとすると日本資本主義は潰れるかもしれない等を喋り捲った。私以外は皆『資本家』であるのだが、意外なことに誰も反論がなかった。

人生全般の話になってくる。

 「なあIやん。何のために生きとるんやろ。」

 とUさん。Uさんは本業の日用雑貨品製造、開発、販売は在宅勤務でマネージメントをしており、そんなに派手ではないがオリジナル商品の強みで会社は堅実に経常利益を上げている。一方で株のデイトレードや、投機ではなく投資もしている。新事業への投資も真剣に検討している。

 「俺はスキルス胃癌をやってかどうか、最近自分の生きているか生きてきたのかの証を残さなあかん、残したいというのが意識的なのか本能なのかどうか自分でも分からんけど、とにかく充実して生きようとしている実感はありますね。」

 「ふーん」

 「自分の価値観を自己実現することが、生きてるというとなんでしょうかね。」

 「100億円の商売をしようと思えば、直ぐにでもできる。ほんとにそんなに頑張らんでも100億にできる。できるけどそれがどうしたん、という思いやねー。」

 「やりはったらどうですか。やろうと思っても皆できないですよ。100億円をマネージメントできる人には100億円の金が集まってくるんですよ。」

Y先生が仕事と絡めてUさんに新事業展開の話を初め、ビジネスチャンスであるとサジェッションすると、

「そんなに面白い話なら自分でやったらええやんか。」

とUさん。するとY先生、

「人にはそれぞれ役割がある。俺には俺の仕事があり、Uはビジネスで生きるべきで、IやんにはIやんの役割がある。Iやんお前さんは理事長になったらええ。Tさんは世界一の真空ポンプにこだわったらええ。」

えらい話が飛び出してくるが、親友同士で尊敬し合う者同士が世の憂さを取っ払って話す、案外まともな話だなあ、と、一人酒を飲んでいない私の感想だ。

太陽光発電の事業や関連メンテナンス事業やら、相当高いレベルでの話しに花が咲きやがて日付も変わり、再びY先生、T社長、G社長と私の4人は保養所に戻り、大浴槽の風呂に入り話の余韻を味わいやがて就寝。

(続く)

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