星空研究Memo

ここは某天文屋の外部記憶装置である。

デジカメ測光のテスト

2009-10-30 09:21:45 | デジカメ観測
デジカメ測光のテストの続きです。
前回気になっていた測光結果で出てくる等級値。
IRISのHPにあるチュートリアルを見ると

 m = -2.5 x log [intensity]

とあった。
やっぱりポグソンの式からか。

さてさて、今回は前回と同じ、ぎょしゃ座イプシロンの画像を用いて比較星の数を増やし、最小二乗法による線形回帰を行った。

という具合になり、

 Y = 1.07(±0.08)X + 16.64(±0.87)

上式が得れらた。

この結果とイプシロンAurの測光結果を合わせると・・・
 等級値 = 3.40(±0.27)
となった。

ちなみに前回のテストでは
  3.25(±0.17)
となり・・・
一応誤差の範囲内で一致する。

比較星を増やした結果、誤差が大きくなった。
うむむ・・・
今後は特に残差が大きいものは取り除く方向でいくかなぁ。

天体観測の教科書変光星観測によると
どうもVT等級と強い相関があるのはRGB画像のG画像らしいのだ。

今後はG画像を取り出して検証してみることも必要かな。
あと、コンポジットは4枚ほどしたほうがいいらしい。

IRISにRGB separationという機能があったので
G画像を引っ張り出せるかと思ったが・・・
なんだか使い方がイマイチわからん。

うーむ。
デジカメ測光はまだまだ奥が深い。

Nova Sgr 2009 No. 4

2009-10-30 05:48:04 | 独り言
念願のnovaが出た~!と思いきや・・・

いて座か~;

ゼミの観測施設からは100パーセント狙えない・・・
建物に被るっす。

それでも9等台ですから明るいnovaですよね。
もし位置が良ければ、分光も出来たのになぁ。
ま~自然が相手なのでこればっかりはどうにも・・・w

発見者の方々おめでとうございます☆

眼視観測(2009.10.29)

2009-10-30 05:39:56 | 眼視観測
月が沈み、空を見てみると割りと晴れていたので目測。
しかし透明度はイマイチ・・・
朝モヤも少しあり、なんといっても露がスゴイ・・・
T Monはチラチラと見えたり見えなかったり。一応6.4等かな。
ミラは見たかったけど、建物に被って見えなかった・・・残念;

一応、デジカメでぎょしゃ座イプシロンと
ベテルギウス方面を数枚撮る。
またテスト測光してみるつもり。

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AURepsilon 200910292836 34 Iak
MONT 200910292823 64 Iak
MONU 200910292817 60 Iak
ORIalpha 200910292838 08 Iak
ORIdelta 200910292842 18 Iak
ORIlambda 200910292840 39 Iak
---------------------------------
計6目測。
機器:7x50双眼鏡(MEADE)

デジタル一眼レフカメラによる星の測光

2009-10-27 05:42:34 | デジカメ観測
趣味の天体写真用に購入したデジカメ(キスデジN)を
ふと「測光」に使えないかと色々調べていくうちに
制約はあるものの、ある程度使えることがわかった。

眼視測光を始めたのをキッカケに、デジカメ測光にも挑戦というわけである。
簡単にテストしてみたので書き残す。


測光に使った画像(RAWで撮りました)。2009.10.26撮影。
色は反転してあります。
場所はぎょしゃ座、一番目立つ黒い点がカペラです。
線で示した星が目的星のぎょしゃ座イプシロン星(ε Aur)。
この天体は軌道周期27.1年という非常に長い軌道周期を持ち
また謎多き食変光星として知られている。
実は今、数十年ぶりに食の真っ只中なのである。

機材はキスデジN + EF50mm F1.8 II
ISO800, 絞り2.8, 露出10秒, 固定撮影。

測光に使用したのは1枚だけ。
ほんとならコンポジットしたほうがいいのだろうけど。

測光ソフトはIRISというフリーソフトを使用しました。
http://www.astrosurf.com/~buil/us/iris/iris.htm
なんとRAW画像も読み込めるのです。
RAW画像をFITS形式に書き直すことも試みましたが
ナゼか行えませんでした・・・残念;

というわけで6個ほど比較星をとりアパーチャー測光した。
測光結果に等級値を出してくれるがどれも
-12等やら-11等やら、やたら明るい数値をはじき出す。

どういう計算過程なのかはとりあえず謎。
とりあえず、比較星等級(VT mag)と測光で出した等級のグラフを作成。
どのくらいの線形性があるのかを最小二乗法を用い見てみた。


ほうほう。
一応、リニアリティはありそう。
 Y = 1.17(±0.07)X + 17.82(±0.82)
でフィットできます。

この結果とepsilon Aurの測光結果から
等級値 = 3.25 (±0.17)
を得ることが出来た。
(エラーは回帰直線が予測出来なかった量の標準偏差)

うーむ。
果たしてこれは使える結果なのか・・・
まったく無意味なことをしているのか・・・
いまいち自信が持てません。


☆今後の課題など
 IRISの出す等級値の計算過程の解明。
 コンポジットを用いるべきか。
 露出時間は適当か。
 固定撮影でいいのか。
 ダーク・フラットの補正。
 比較星の数はどれくらいいるのか。
 目的星と比較星の等級差はどれくらいが適当か。
 リニアリティはどこまで保たれるのか。
 比較星等級は本当にVT等級でいいのだろうか。

などなど
書き出すとキリがありませんのでこの辺で・・・
あと別の観測者の方と比較検討が出来ればもう少し議論できそう。


今回、下記の資料・サイトを大変参考にさせて頂きました。
この場を借りて御礼申し上げます。
 ・天体観測の教科書変光星観測, 日本変光星研究会[編], 2009, 誠文堂新光社
 ・永井和男さんのHP
 (http://homepage3.nifty.com/nga_star/)

眼視観測(2009.10.26)

2009-10-27 04:04:13 | 眼視観測
今晩の眼視観測結果です。
21時くらいはベタ曇りでしたが
24時過ぎに空をみると、ほぼ快晴!
台風の影響か透明度も良い。

ミラは4.6等。10月21日では5.2等。
明るくなってきたのをヒシヒシと感じます。

VSOLJのHPを見ると
「みんなで見よう!おすすめ変光星 2009冬」のお知らせ
があったので、その中のT MonとU Monに初挑戦。
なんとか探し当てて目測。

星図と睨めっこして、目的星を探すのにもだいぶ慣れてきた。
CCD画像と星図の睨めっこは得意だが
眼視となると少し違った難しさがあり、もっと特訓しなアカンな~。


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ARIbeta 200910262552 30 Iak
AURepsilon 200910262609 36 Iak
CASdelta 200910262607 28 Iak
CASgamma 200910262559 23 Iak
CETomicron 200910262604 46 Iak
MONT 200910262642 65 Iak
MONU 200910262628 59 Iak
ORIalpha 200910262615 07 Iak
ORIdelta 200910262619 20 Iak
ORIlambda 200910262617 37 Iak
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計10目測
機器:7x50双眼鏡(MEADE)