4月より転職 (某 museum) 。ありがたいことに一応天文の業界に戻ってこれました。
場所(住居)は岡山の中でも指折りの夜空があるところになりました。
そんなところに住んでいたら、絶対に望遠鏡を動かしたくなります(w
というわけで先日お借りしている Advanced GT を出してみました。
姫路のときから PC まわりで色々と懸案はあったのですが、制御ソフトの
バージョンを上げたりすると解決。
しかし、どうしても解決しない大問題が。
姫路では成功していたオートガイド(PHD Guiding)がなぜか成功しない
のです。 なんで?と思って調べた結果、どうやら RA と Dec が勝手に (?)
早送り状態になっているではありませんか。
最初、CCD の視野から星がどんどん逃げていくので、たぶんこれは極軸が
いい加減なせいだろうと思ったわけです。しかし2時間も3時間も望遠鏡と
格闘しているのに、再度他の天体を PC から導入すると一発で視野内に
天体がおさまります。
あれあれ?単に極軸に関する追尾エラーならこうはいかないはず。
おかしいなと思って、ハンドコントローラーの RA, Dec の値を見ると、
両方ジワジワと勝手に動いているじゃないですか(w PCの値を見ても同じ。
ということは、赤道儀は早送りになっていることを自分で知っているので、
多少の極軸ずれはあれど、再導入をやるとちゃんと天体が入るわけです。
さて、いつのまにこんな設定になったのかw
まず追尾モードが恒星時なのかを確認。OK でした。
追尾速度をいじくる項目があるのか調べたのですが、これがわかりませんorz
うーむ。ちょっとお手上げ状態 ・・・
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PS. 転職もしたのでこれを機に近々ブログを引っ越す予定です。
またアドレスとかはここにお知らせします。
リアル引っ越しのほうはかなりドタバタだったのですが、数回にわけてなんとか
落ち着き、新しい環境にも少しずつ慣れてきました。
今年も面白そうな新星が出てますね。やはり自分で観測(分光)したいです。
ウズウズします。空も良いし。Alpy 600 とか魅力的ですが、厳しい買い物です(w
Alpy 600 に必要なものを揃える金があるなら通勤用の車(中古)が買えそうですorz
(なら StarAnalyzer を買う?確認観測には十分使えそうな気がしている)
まぁ岡山にいるので、OUS に突撃するという手段もあるわけですが(車で一時間半くらい)。
vsnet-alert 16886 で回帰新星 V745 Sco が 9等にまで明るくなっている
との情報が。 えらいこっちゃです。本当だとすると t2 は約6日とかなので、
すぐ暗くなってしまう。 これまでの記録では極大は9.4等だとか。
こんなとき Schaefer (2010) が役立ちます。
す、スペクトルを撮ってみたいー! (>_<)
T Pyx 関係の論文をメモ。
Godon et al. (2014) http://arxiv.org/abs/1402.0128
Hubble Space Telescope Far Ultraviolet Spectroscopy of the Recurrent
Nova T Pyxidis
Surina et al. (2014) http://arxiv.org/abs/1402.1109
The Detailed Photometric and Spectroscopic Study of the 2011 Outburst of
the Recurrent Nova T Pyxidis from 0.8 to 250 Days after Discovery
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後者の論文では可視観測 (分光・測光) が総合的に報告されています。
スペクトルも我々 (OUS) より早い段階が報告されており、同定され
ているラインの中には C III, O III, Ne I などが。膨張速度の変化に
ついては我々の報告と同じ感じで、引用もして下さっていた。ありが
たやぁ。
SMEI のデータも使われており、周期解析がされています。極大前に
約1.44日の周期性を見つけたそうです。後半には Swift や VLA のデ
ータも示されていました。
以下、本筋には関係無い感想:
ところでスペクトルの図を見ていてちょっと気になることが。いろん
なところで観測されたデータをそのまま並べているせいか、縦軸のス
ケールが明らかに異なるものがあります (例えば Fig. 20)。それぞれ
観測所で行われる flux 校正の問題だと思いますが、このあたりは規
格化した上で並べられたものが見れたら、もっと幸せだったかも。
Fig. 21 にしても星雲期のスペクトルがたくさん並んでいて素晴らし
いと思うのですが、ラインが同定されているものの、強度の情報が潰
れていて、これももうちょっと工夫した見せ方だったら、更に幸せだ
ったかも。
国立天文台 W 先生の集中講義 (太陽系天文学) が OUS であるということで、
数日岡山へ行って聴講してきました。
で、ついでに運用停止中だった OUS Skymonitor を復旧させてきました。
新アドレスは 此処 をクリック。
復旧といっても電源を確認して、撮影ボタンを押してきただけなのですが(w
因みにサーバー (簡易) は Opera Unite を使っていましたが、
Unite は半年ほど前に廃止になってしまったので、
とりあえず Dropbox の Public フォルダで代用することに。
ところが、Dropbox の Public フォルダも最近廃止になっていたらしく、
一瞬困ったなぁ・・・ と思ったのですが、なんと復活方法がありました。
情報に感謝。
Photometric evolution of Nova Del 2013 (V339 Del) during the optically thick phase
Munari et al. (2013), IBVS 6080
http://www.konkoly.hu/cgi-bin/IBVS?6080
これは見落としていましたorz
t2 は 10.5 日らしいです。カラー変化の図が凄い。
文中に lightcurve merging method (LMM) とかいう言葉が出てきました。
それに関連して、以下もメモ:
BVRI lightcurves of supernovae SN 2011fe in M101, SN 2012aw in M95,
and SN 2012cg in NGC 4424
Munari et al. (2012)
http://adsabs.harvard.edu/cgi-bin/nph-bib_query?bibcode=2013NewA...20...30M
ムナリ氏は自分のところで撮ったデータは何が何でも形にして公表してやるという
精神が垣間見えるような気もします (^^;
私も身体をはったデータは死蔵させないよう頑張らねば。
現在、高等学校で理科 (科学と人○生活) を担当している関係で、
地学を (+ 天文分野も) 授業で扱う機会があります。
太陽系の話を一通り終え、次は地球の話題に持っていこうと
地球科学の復習も兼ねてブルーバックスの「新しい高校地学の教科書」
を見ていたら、「太陽系惑星の自転周期と偏平率の関係」というグラフ
がありました。以下のような図です。
(E=地球, M=火星, J=木星, S=土星, U=天王星, N=海王星)
上図は、地球は完全な球ではなく、自転によって生じる遠心力によって
回転楕円体になるという説明の中に出てきます。他の惑星と比較し、
ほら、自転周期が短い (自転速度が速い) と偏平率が大きくなるでしょ、
ってことを補足したいのでしょう。
ところが、この図を見ていると勘の良い人ならすぐさま違和感を抱く
のではないでしょうか。何かと言うと、木星は自転周期が土星より
少し短いという程度だが、偏平率は土星のほうがかなり大きいのです。
これをこのまま授業のネタとして扱うにはいささか抵抗があり、
偏平率の大きさを「遠心力」だけで片付けてしまうのはちょっと
乱暴な気もします。
ただし、この点は生徒に「ナゼそうなると思う?」という問いかけ材料
としては非常に良い例だと思うわけです。で、偏平率の大きさは自転周期
(自転速度) 以外に何が効いてくるのかを考えさせ、グラフを作りかえる
(縦軸を何かで比をとる) ような演習を行えば、理解も深まるのではないかと
思いました。
# 授業では作業手順 (+ 意識付け) をかなり丁寧に説明しました。
# 個人的には問いかけ方次第で、学部レベルのレポート課題としても良い
# のではないかと思う。
で、実際、私が授業でやった演習 (手順) は以下の通り:
(1) 理科年表の 天2, 3 ページの惑星表を使って、各惑星 (地、火、木、土、天、海)
の偏平率、赤道半径、自転周期、密度、赤道重力の値をピックアップさせ、
プリント (自作) 内の表を埋めていく。
(2) 次に赤道円周、自転速度を電卓で計算させる。
# 工業高校なので生徒は関数電卓 or ポケコンの扱いに慣れており、
# この手の数値計算演習は普通科高校に比べればやりやすいのかもしれない。
# ただほとんどの生徒は円周や速度の計算方法を忘れており (or うろ覚え)、
# 個別に補足してやる必要がある。
(3) グラフ用紙を使って自転速度 vs 偏平率のグラフを描く。
# ここで「木星は自転速度が土星より速いにも関わらず、ナゼ偏平率は土星の
# ほうがかなり大きいのか?」といった問いかけを行う。
(4) 思考タイム。作成した表に再度注目させ、何か原因になりそうなことがないか
数値の大小を見て考えさせる。
# 鋭い生徒だと、「重力」や「密度」が効いてくることにすぐ気がつくことも。
(5) 自転速度と重力で比をとる。電卓で計算しプリントの表に書き込む。
# 比は "自転速度 / (密度 * 半径)" でも良いかと。
(6) 再度グラフ作成。(5) で計算した値 vs 偏平率を作る。
# するとほぼ直線になることが確認できる。
(7) 話をまとめる。
なお生徒によって作業にかかる時間にばらつきが出るので、
(特に計算とグラフ作成)
45分授業では3回くらいに分けて行うのが良さそうであった。
先月から PASJ の投稿方法が変わりました。
http://www.asj.or.jp/pasj/ja/index-J.html
これまではメールで PASJ 編集部に manuscript を送っていたわけですが、
これからは電子アカウントを作ってブラウザから投稿できるみたいなのです。
以下、アカウント作成のメモを残す:
http://www.oxfordjournals.org/our_journals/pasj/
まず ↑ このページに飛ぶと、でっかいバナーでメールアラートに登録してね、
とあるわけですが、これは投稿用のアカウントを作るわけではなく、
最新号の目次をメールで受け取るためのアカウントになっている。
なので、こちらの登録は任意で良いと思われる。
# TENNET にも目次アナウンスは出るしね。
# もしかしたら今後は TENNET には流れなくなるのかな (?!)
で、肝心の投稿用アカウントの作成は、上記ページの右のメニューにある
「Submit Now」 というバナーをクリックして、以下のページに飛ぶ。
http://mc.manuscriptcentral.com/pasj
このページの右上に「Create Account」というのがめっちゃ小さい文字があるので、
それをクリックします(下図参照)。
あとは必要情報(名前とか所属とか任意のパスワード)を入力して設定すれば OK でした。
途中、キーワードを入れろと言われるので、下記より自分が関連していそうなやつを3つ選びました。
http://pasj.asj.or.jp/info/keywords.html
BVRI photometry of Nova KT Eri 2009 in quiescence and the 752 day period
http://ads.nao.ac.jp/abs/2014NewA...27...25M
Munari and Dallaporta (2014)