星空研究Memo

ここは某天文屋の外部記憶装置である。

Skymonitor 復旧

2013-12-28 00:41:58 | 独り言

国立天文台 W 先生の集中講義 (太陽系天文学) が OUS であるということで、
数日岡山へ行って聴講してきました。

で、ついでに運用停止中だった OUS Skymonitor を復旧させてきました。
新アドレスは 此処 をクリック。

復旧といっても電源を確認して、撮影ボタンを押してきただけなのですが(w
因みにサーバー (簡易) は Opera Unite を使っていましたが、
Unite は半年ほど前に廃止になってしまったので、
とりあえず Dropbox の Public フォルダで代用することに。

ところが、Dropbox の Public フォルダも最近廃止になっていたらしく、
一瞬困ったなぁ・・・ と思ったのですが、なんと復活方法がありました。
情報に感謝。


メモ

2013-12-20 16:39:52 | 研究ネタ

Photometric evolution of Nova Del 2013 (V339 Del) during the optically thick phase
Munari et al. (2013), IBVS 6080
http://www.konkoly.hu/cgi-bin/IBVS?6080

これは見落としていましたorz
t2 は 10.5 日らしいです。カラー変化の図が凄い。
文中に lightcurve merging method (LMM) とかいう言葉が出てきました。
それに関連して、以下もメモ:

BVRI lightcurves of supernovae SN 2011fe in M101, SN 2012aw in M95,
and SN 2012cg in NGC 4424

Munari et al. (2012)
http://adsabs.harvard.edu/cgi-bin/nph-bib_query?bibcode=2013NewA...20...30M

ムナリ氏は自分のところで撮ったデータは何が何でも形にして公表してやるという
精神が垣間見えるような気もします (^^; 
私も身体をはったデータは死蔵させないよう頑張らねば。


惑星の偏平率

2013-12-18 16:46:31 | 教育ネタ

現在、高等学校で理科 (科学と人○生活) を担当している関係で、
地学を (+ 天文分野も) 授業で扱う機会があります。
太陽系の話を一通り終え、次は地球の話題に持っていこうと
地球科学の復習も兼ねてブルーバックスの「新しい高校地学の教科書」
を見ていたら、「太陽系惑星の自転周期と偏平率の関係」というグラフ
がありました。以下のような図です。
(E=地球, M=火星, J=木星, S=土星, U=天王星, N=海王星)



上図は、地球は完全な球ではなく、自転によって生じる遠心力によって
回転楕円体になるという説明の中に出てきます。他の惑星と比較し、
ほら、自転周期が短い (自転速度が速い) と偏平率が大きくなるでしょ、
ってことを補足したいのでしょう。

ところが、この図を見ていると勘の良い人ならすぐさま違和感を抱く
のではないでしょうか。何かと言うと、木星は自転周期が土星より
少し短いという程度だが、偏平率は土星のほうがかなり大きいのです。
これをこのまま授業のネタとして扱うにはいささか抵抗があり、
偏平率の大きさを「遠心力」だけで片付けてしまうのはちょっと
乱暴な気もします。

ただし、この点は生徒に「ナゼそうなると思う?」という問いかけ材料
としては非常に良い例だと思うわけです。で、偏平率の大きさは自転周期
(自転速度) 以外に何が効いてくるのかを考えさせ、グラフを作りかえる
(縦軸を何かで比をとる) ような演習を行えば、理解も深まるのではないかと
思いました。
# 授業では作業手順 (+ 意識付け) をかなり丁寧に説明しました。
# 個人的には問いかけ方次第で、学部レベルのレポート課題としても良い
# のではないかと思う。


で、実際、私が授業でやった演習 (手順) は以下の通り:

(1) 理科年表の 天2, 3 ページの惑星表を使って、各惑星 (地、火、木、土、天、海)
の偏平率、赤道半径、自転周期、密度、赤道重力の値をピックアップさせ、
プリント (自作) 内の表を埋めていく。

(2) 次に赤道円周、自転速度を電卓で計算させる。
# 工業高校なので生徒は関数電卓 or ポケコンの扱いに慣れており、
# この手の数値計算演習は普通科高校に比べればやりやすいのかもしれない。
# ただほとんどの生徒は円周や速度の計算方法を忘れており (or うろ覚え)、
# 個別に補足してやる必要がある。

(3) グラフ用紙を使って自転速度 vs 偏平率のグラフを描く。
# ここで「木星は自転速度が土星より速いにも関わらず、ナゼ偏平率は土星の
# ほうがかなり大きいのか?」といった問いかけを行う。

(4) 思考タイム。作成した表に再度注目させ、何か原因になりそうなことがないか
数値の大小を見て考えさせる。
# 鋭い生徒だと、「重力」や「密度」が効いてくることにすぐ気がつくことも。

(5) 自転速度と重力で比をとる。電卓で計算しプリントの表に書き込む。
# 比は "自転速度 / (密度 * 半径)" でも良いかと。

(6) 再度グラフ作成。(5) で計算した値 vs 偏平率を作る。
# するとほぼ直線になることが確認できる。

 

(7) 話をまとめる。

なお生徒によって作業にかかる時間にばらつきが出るので、
(特に計算とグラフ作成) 
45分授業では3回くらいに分けて行うのが良さそうであった。