星空研究Memo

ここは某天文屋の外部記憶装置である。

スペクトルの強度較正 (メモなど)

2010-10-28 20:47:56 | 独り言
DSS-7で取得したデータをIRAFで処理できないかと
かれこれ1年近く模索し続けていますが、一向に進展しません;
apallが使えれば良いのですが、これがまたうまくいきません。

画像データは縦方向にだけ×4でビンニングして撮っていて
5本のスリットのうち、最も細い中央のスリットを用いて撮影しています。

現状、スペクトルの一次元化に関しては
BeSpecなどを用いれば、簡単にできるので今の所問題はなし。

残りの作業(波長較正やグラフ化)はRでコードを書いたので
こちらも特に問題はなし。


問題は強度較正。
分光標準星はIRAFにHRカタログからのリストがあるので、それを使おうと考えています。
# それほど数はありませんが...美星天文台では、このリストから選出されていました。

IRAFで一次元化から全部処理できれば、美星天文台のIRAF分光マニュアル通りに
事を進められるので嬉しいのですが...


そこで、強度較正って結局何をやってるのか調べてみたのですが
なかなかパッとした解説が見つかりませんね(-_-;

美星のマニュアルを読むと概ね理解は出来るのですが
いざRなんかでコードを書いてやろうと思うと、細かい所でよくわからない。

ちなみにIRAFが持っている分光標準星の.datを見てみると

# HR 5501
6052 5.787 16
6068 5.788 16
6084 5.791 16
6100 5.796 16
6116 5.803 16





という感じになっています。16ってのは16Å刻みって意味だろう。
真ん中のカラムは強度なんでしょうが、これは等級?!
 HR 5501: V = 5.68, B-V = -0.02, Sp. = B9.5V
らしいので等級っぽいですね。

こんなの発見。
http://www.eso.org/sci/observing/tools/standards/spectra/stanlis.html
# てか、これは昔見たな・・・ESOのページやんか。

うーむ、とにかく分光標準星を使って感度曲線を求め
求めた感度曲線を使って、目的星に対して較正すれば良いのかな。
# とまぁ、ここまでの話しは、一年前にほぼ到達していたり...(-_-;

結局、うだうだと生産性の無い話を整理しただけなのでした_| ̄|○


[追記]
> らしいので等級っぽいですね。

これはAB等級のことか!
さらにAB等級ってなんやねん!とずっと思っていましたが
天文月報1997, 1月号, pp.23-28に解説がありました。

[追記2]
「可視光域撮像データ・解析入門」
http://astro.u-gakugei.ac.jp/~nishiura/FILES/optred_man_v04.pdf

これに、分光標準星に関する論文のまとめがありました。

眼視観測 (2010.10.26)

2010-10-27 07:43:59 | 眼視観測
久々に眼視観測をやりました。
月がありましたが、透明度は高く、冬の星たちが美しかったです。
秋物の服装だったので、寒くて寒くてたまりませんでした。
夜は冬装備じゃないと、やってられませんね...

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AURepsilon 201010262655 37 Iak
AURPU 201010262658 55 Iak
CETomicron 201010262652 29 Iak
LEPRX 201010262701 57 Iak
LEPSS 201010262705 49 Iak
MONT 201010262708 63 Iak
MONU 201010262712 64 Iak

instruments: 7x50B

大先輩のblog

2010-10-26 09:13:35 | 独り言
我らがT研の大先輩、中島淳一さんのblogに
こんな記事がありました。

将来的に自分で観測をする天文学者が減るそうです。
私の先生も日々この事を言われています。

まだまだ私も未熟者でありますが
夏の学校に行くと、「観測している」という方が少ないなぁと感じます。

仮に観測をされていたとしても、す○る望遠鏡なんかを使われていて
当然?!ですが、我々の観測の感覚とはギャップがあります。

大口径には大口径の、小口径には小口径の仕事(観測対象)があり
大は小をかねない、というのが天文学(観測)の面白い所だとも思います。

> 面白いのは、天文学者の履歴書には、
> 出版した論文リストと一緒に、
> 取得した観測データリストを書くことになるだろう、
> という予想がなされていること。


しかし、これが当たり前になったら
人によっては膨大なリストを作らなくてはならない気が...w