星空研究Memo

ここは某天文屋の外部記憶装置である。

地球科学の復習

2010-12-29 19:05:20 | 独り言
学部1年時に、地球システム科学という講義がありました。
その内容の一部をちょっと復習がてらメモ。

●地球の形について
かつては平らな円盤と認識されていた。
古代ギリシャのピタゴラス学派によって球形だという考え方が現れる。
# 理由のその一つとして月食。
# さらに海岸から遠くの船を見ると船体が沈んでいるように見えるなど。

エラトステネスによって地球の円周と半径が算出される。
# 夏至の日にシエネとアレキサンドリアで太陽の南中高度を測定して求めた。
# これで半径が決まる。

1600年代後半に地球は完全な球ではないという考え方が現れる。
# 振り子時計の刻む時刻が、緯度によって異なる。
# 振り子時計はホイヘンスが発明。

ニュートンが地球は回転楕円体であると提唱。
1700年代にモルペテュイの測量によって実証される。


●ジオイド(geoid)について
地球の形と大きさは「ジオイド」で表される。
# 1872年にリスティングによって名づけられる。

-ジオイドの定義-
海域では平均水平面に一致し、陸域では
「その下にトンネルを掘って海水を導きいれたとき」の
海水面の延長と一致する曲面。
# ジオイドの形は地形や地球内部の不均質な構造に影響されるので凸凹な曲面となる。

ジオイドの形に最も近い回転楕円体を地球楕円体という。
以下、これまで提案されてきた代表的な地球楕円体のモデル:
 ベッセル(1941): 赤道半径=6,377,397m、扁平率=1/299.152813
 ヘイフォード(1909): 赤道半径=6,378,388m、扁平率=1/297.0
 測地基準系1980(GRS80): 赤道半径=6,378,137m、扁平率=1/298.257222101
 WGS84: 赤道半径=6,378,137m、扁平率=1/298.257223563


●2種類の緯度



●地球楕円体と地図
地図を作るとき、ジオイドは凸凹していて扱いにくいので、
シンプルに表現できる地球楕円体が用いられる。

日本の地図は明治時代からベッセル楕円体を基準とする東京系という座標系を使ってきた。
しかし、2001年4月からGRS80楕円体を基準とする世界座標系を使うことに。
これを日本測地系2000という。
# 東京系の原点は地心からずれている。
# さらにベッセル楕円体はGRS80楕円体に比べ小さい。
# GPS(地心系)の普及でこれらの問題が無視できなくなった。
# 座標系が変わって、世界地図の中で日本列島が南東へ約450mもずれたらしいw


●GPS(Global Positioning System)
GPSはWGS84楕円体と地心座標系が使用される。
# ちなみにgoogleで調べられる値はWGS84楕円体を使っているみたい。
# WGS84≒GRS80らしい。

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