火花 又吉直樹

2015-09-03 | Weblog

直木賞を受賞した「火花」を文藝春秋で読みました。

母が定期的にこの本を購読してるので 私が先に読む訳にはいかず 母の後、私には3週間遅れで回って来ました。

お笑いタレントの又吉が書いた小説だから さぞ面白いだろうと読み始めましたが どうも前半は遅々として読み進めなかったのです。

それは、神谷が24歳、徳永(又吉?)が20歳、 熱海の花火大会で出会った設定から始まるのですが 私には読めない漢字や 難しい表現の仕方、それに漫才師を目指す男性二人の理解しにくい会話に 私は付いて行けなかったからかも知れません。

中盤に来てやっと神谷さんと同棲中の真樹さんが登場。(小説と言えども私は恋愛関係話があった方が好き。)

そのあたりからは どんどん引き込まれるように読み進めました。

芸人と言う人気商売は いくら才能があっても 売れる人は ホンの一握り。

文中にこんなことが書いてありました。

「一度しかない人生において 結果が全く出ないかもしれないことに挑戦するのは怖いだろう。 無駄なことを排除するということは、危険を回避するということだ。 臆病でも、勘違いでも、救いようのない馬鹿でもいい。 リスクだらけの舞台に立ち、常識を覆すことに全力で挑める者だけが漫才師になれるのだ。」と。

私も本当にそうだ、と思いました。 淘汰されていく人生の光と影がはっきり出る世界、まさにそうだ思いました。

相方とコンビを組みスパークスとしての十年、 解散ライブ時のボケと突っ込みは  今までの徳永さんの生き方を知ってるようで切なかったです。

師匠神谷さんから徳永が学んだことは、「自分らしく生きる」という 居酒屋の便所に張ってあるような単純な言葉の、血の通った激情の実践編だった、と言う一文がこの本の言いたいところだったのかなぁ・・・・

お笑いの世界をちょっとだけ垣間見たような気がしました。