衣・考

松本衣デザイン専門学校校長・太田が、衣服とその周辺、デザイン他について感ずること考えることを書きます。

美の基準・・・・・・

2010-09-01 12:39:07 | 衣・考
デザインに携わる者は皆、少なくともある時期「美の基準はあるのか?」という問題にぶちあたったことがあるだろうと思う。

私など、未だずーっと疑問のままであります。

そんなところへ

昨日、8月31日 朝日新聞 12版 
凄腕つとめにん・吉忠マネキン デザイン統括部長・岡田茂樹さん(49)の記事が目にとまった。

これまでにつくったマネキン原形630体 とのこと。

以下、記事の抜粋です。・・・・・略・・・・

大きな影響を受けたのが、吉忠が1992年に買収した英マネキン会社のジョン・テーラー氏との出会い。マネキンブランド「アデル・ルースティン」をつくり、原形作家の神様と言われる人物だ。
 テーラー氏が作った原形を92年に初めてみたときは美しさに言葉を失った。96年には作業を見せてもらい「努力の人ではなく天才」と感じた。無造作な作業ぶりは素人っぽいが、センスはこの上ない。
「この人のまねはできない」。センスに頼らず、自分なりの原形製作の「法則」を作る必要性を、強く感じた。・・・・・・略・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ここまで記事の抜粋

女性マネキンの身長は180センチ、着せる服のサイズは9号。それなのに見たときには「ジャストサイズ」に見える。

それは、岡田さんいわく「人間の姿の、ある法則に沿っているから」

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衣服デザインを学ぶ学生に「センスで勝負しようとしてはダメ」と言い続けている。

服を買い付けるバイヤーも、店頭のお客さまも「様々なセンス」の持ち主だ。

「センスを買ってください」と言ってみたところで、そんなものは不要でしょう。

でなくて、「プロの仕事」を買いたいのですよ。