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「偽装請負」内部告発者らを直接雇用 キヤノンが表明

2007-09-03 11:50:57 | Weblog
「偽装請負」内部告発者らを直接雇用 キヤノンが表明 2007年08月29日 朝日夕刊
http://www.asahi.com/national/update/0829/TKY200708290104.html
 キヤノン宇都宮光学機器事業所(宇都宮市)で働く請負労働者ら82人について、キヤノンは29日、期間社員(期間工)としての直接雇用を申し入れる方針を明らかにした。請負労働者の大野秀之さん(32)らが違法な偽装請負で長年使用されてきたとして正社員としての雇用を求めていた。同社は「事態の早期解決を図る」と説明したが、最長2年11カ月で職を失う可能性のある期間工にとどまったことに、労働者側からはなお不安の声もあがっている。
 キヤノンによると、昨年5月以降に離職した19人を含む請負労働者82人に10月1日付で期間工として採用したいと申し入れる。契約期間は5カ月で、最長2年11カ月まで更新する。正社員への登用試験も受けられるが、何人が正社員になれるかは「めどがたたない」という。請負会社とキヤノンの契約は終了するため、請負労働者が職場に残るには直接雇用に応じなければならない。
 キヤノングループでは昨年、労働者の派遣を受けている実態があるのに形式的には「請負契約」を結ぶ偽装請負が各地の工場で発覚。大野さんらは、自分たちも偽装請負の状態で働かされているとして昨年10月、職場の偽装請負を栃木労働局に申告し、正社員雇用をキヤノンに指導するよう求めていたが、まだ結論は出ていない。
 栃木県庁で記者会見したキヤノンの諸江昭彦(あきよし)常務は「労働局への申告から10カ月が経過し、直接雇用への社会の関心、キヤノンに対する注目を考慮した」と述べた。
 大野さんは「不安はあるが、正社員になる話に期待して申し入れを受けようと思う」と述べた。栃木労働局には引き続き、偽装請負の認定と正社員採用の指導を求めていくという。


 キャノンの偽装請負問題ですが、会社側は、結局5ヶ月契約で最大6回まで(2年11ヶ月=35ヶ月=5ヶ月×7回)契約を更新する期間工としての雇用で問題を解決しようとするようですね。
 それにしてもこの5ヶ月契約というのは、契約期間としては中途半端ですし、形としても不自然。それに現実問題として、契約を6回も更新すれば、事実上正社員と同様の扱いをされ、もし解雇しようと思えば、30日以上前の解雇予告が必要になる可能性が非常に高いのですが、そこまでして正社員を増やしたくないのでしょうか?
 確かに、正社員と比べれば、請負や派遣、期間工として来てもらう方の場合、正社員としてきてもらう方よりは採用基準も大幅に緩やかでしょうし、中には正社員として期待できるレベルに達していない職員も紛れ込んでいるかもしれませんが、これからは労働力が不足することがわかっているだけに、使える人材ならば正社員登用して、人材の定着を図りたいところ。
 ごくごく個人的な意見を述べるならば、キャノンの正社員として期待する能力を示す客観的基準を示して、そのラインに達した人ならば、この最大2年11ヶ月を待たずに、どんどん正社員としての登用を検討して欲しいと思います。

ニュースリリースはこちら http://web.canon.jp/pressrelease/2007/p2007aug29j.html


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