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「株価上昇で損害回復」西武鉄道偽装訴訟、株主の請求棄却

2007-09-03 11:54:42 | Weblog
「株価上昇で損害回復」西武鉄道偽装訴訟、株主の請求棄却 2007年8月29日 読売
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20070829ic01.htm
 西武鉄道の有価証券報告書虚偽記載事件を巡り、損害を被ったとして、東京都内に住む個人株主の男性が、西武鉄道や堤義明・元コクド会長などに約1717万円の賠償を求めた訴訟の判決が28日、東京地裁であった。
 橋本昌純裁判長は、西武鉄道が上場廃止後、企業再編されたことを踏まえた上で、「その後の株価の上昇により、損害は完全に補てんされた」と述べ、株主側の請求を棄却した。
 西武鉄道によると、同社の上場廃止に絡む損害賠償訴訟は、集団訴訟を含め15件あり、請求総額は計約420億円に上るが、判決は初めて。上場廃止で一時的に損害を被っても、企業再生により株価が上昇すれば被害は回復されるとの司法判断で、企業不祥事による上場廃止で頻発した同種訴訟にも影響を与えそうだ。
 判決によると、男性は2004年10月、西武鉄道株を1株当たり1114~1149円で計2万株購入。しかし、その直後、西武鉄道が有価証券報告書の虚偽記載を行っていた事件が発覚し、株価は翌11月に1株当たり268円まで下落した。男性は「結果的に高値で株を購入させられた」などと主張していた。
 一方、西武鉄道は同年12月に上場廃止となった後、西武ホールディングス(SHD)の事業会社となった。男性を含む西武鉄道株の株主には1株につきSHD株1株が割り当てられた。
 判決は、訴訟の終結直前にSHD株の価格が1175円だったことなどから、「事件が公表される直前の株価を上回っており損害は認められない」と判断した。


 これまでも、会社の不祥事を巡って情報を知らされないために株式を購入して損失を出したことで企業が訴えられた株主代表訴訟の事例はありましたが、現在株価が当時の株価を上回っているという理由で、株主請求が棄却されるとは…。
 とはいえ、投資する立場からみれば、2004年10月頃といえば、日経平均株価も11000円前後をうろついていた時期で、もしこの時期に別の株式に投資していれば、かなりの確立で大儲けできていただけに、投資家男性から見れば、この判断は納得いかないのではないでしょうか。
 現実の損がでてきないから、請求を棄却するのか、機会損失を蒙ったから投資家男性を保護するのかは、中々難しい判断になると思いますが、個人的にはこの判断は企業側有利で、ちょっと納得がいかないのが正直な印象です。


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