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国交省、関空2期島の施設整備費用要求せず

2008-08-15 17:37:29 | Weblog
国交省、関空2期島の施設整備費用要求せず 2008年8月13日 産経
http://sankei.jp.msn.com/economy/finance/080813/fnc0808130033004-n1.htm
 日本航空と全日本空輸による関西国際空港発着便の大幅な縮小計画を受け、国土交通省が平成21年度の政府予算で、「2期島」関連の施設整備費用を要求しない方針を固めたことが12日、分かった。予算の前提となる年間発着回数の目標達成が、きわめて難しくなったためだ。
 昨年8月、2期事業のうち、第2旅客ターミナルビルや2本目誘導路などの整備を後回しにして、第2滑走路だけが暫定的にオープンした。20年度予算では、貨物施設の整備が一部認められ、駐機スポット5機分の整備費として35億5000万円(国費は15億円)が盛り込まれた。
 関空会社は当初、21年度予算で、ターミナルビルと2本目誘導路の地盤整備費の獲得に意欲を燃やしていたが、一度予算がつくと、総額600億円程度が必要とされるため、航空各社の路線縮小の動きを受け、要求そのものを断念し、貨物施設の拡充に絞る戦略に転換した。
 しかし、8月上旬に日航と全日空が発表した路線縮小は関空便に集中。廃止・減便は日航が計9路線、全日空が計5路線にのぼり、単純試算では関空の航空機発着回数は年間9000回程度減少する。
 関空は第2滑走路整備にあたり、今年度は13万5000回の発着回数を国から求められている。同社は事業計画で13万7000回を目標に掲げていたが、きわめて難しくなった。
 このため、財務省からは「需要が増えないのに、貨物施設を拡充してもしかたがない」「固定経費が増えれば、関空会社の負担になる」といった意見が出ているようだ。
 現在、関空会社は8月末の要求に向けて、国交省や大阪府などと内容の詰めを急いでいるが、貨物施設の拡充を含む2期島関連予算は要求しにくい情勢。仮に要求した場合でも、年末の財務省原案での予算獲得は厳しく、関空会社の村山敦社長は難しいかじ取りを迫られることになる。

「重い話だ」と関空幹部、予算要求見送りに 2008年8月13日 産経
http://sankei.jp.msn.com/economy/finance/080813/fnc0808130033003-n1.htm
 2期島整備のための平成21年度予算概算要求を国土交通省が見送る方針を固めたことに、アジアの「国際貨物ハブ(拠点)空港」を目指す関西国際空港会社や大阪府には重苦しい雰囲気が広がった。
 ライバルの韓国・仁川空港に国際貨物取扱量で大きく差をつけられた関空にとって、2期島貨物施設整備は早急な課題。関空会社幹部は「国交省から(概算要求の話を)正式に聞いたわけではない。現段階ではコメントできない」とし、重苦しい雰囲気が漂った。
 一方、関西3空港の運営組織の一体化などを視野に戦略的な取り組みを進めようという橋下徹知事の意向を受けて、6日に名称を「空港対策室」から「空港戦略室」に変更したばかりの大阪府。同室の幹部は「2期島の限定供用が続けられる中、来年度の概算要求を通して、勢いを付けようと思っていただけに残念」と落胆を隠せなかった。



 国内大手航空2社が関空発着便を大幅に縮小することを決めたことなどを受け、国土交通省は平成21年度の政府予算で、関空「2期島」関連の施設整備費用を要求しない方針を固めたようです。
 まあ、関空から見れば、このままではアジアのハブ空港の1つとしての地位を保てなくなるという危機感もあるのだと思いますが、全く同じ条件ならば、空港までの移動時間一つとっても、伊丹から関空に便を移すメリットは、航空会社は勿論のこと空港利用者にも全くと言っても良い程見当たらないのが現実。(例えば、主要駅から空港までバスで移動した時の所要時間と移動料金一つとっても、梅田・なんばー伊丹間はバスで25~30分程度で料金も各620円で行けるのに対して、梅田―関空間はバスで50分程度で料金は1300円、なんばー関空間もバスで48分程度で同880円。梅田へのアクセスはともかく、なんばからのアクセスでも、伊丹に負けているという笑えない現実があるんですね…。)
 まあ、関空が貨物施設を優先して整備しようとしているのは、おそらくは、日中は人の輸送では伊丹に対して競争力がないため、24時間空港のメリットを最大限に利用するためにも航空貨物を重視しようとしているのだと思いますが、それでも通関まで24時間化しなければ、いくら夜中に荷物が届いても、トラックを乗り付けてすぐに目的地に発送することもできませんし、本気で国際空港を目指すのならば、このあたりの法整備と運用をきっちり整える必要があるのではないでしょうか…。いくらハコものを作っても肝心の需要を取り込むことができなければ赤字が増えるだけ…。関空は伊丹の廃止という他力本願に頼るのではなく、独力で空港会社を安定的な黒字運営にできるように、もっと知恵を絞る努力が必要に思います。


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