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高千穂鉄道:「観光目的鉄道」として生き残り案浮上

2007-09-02 13:20:56 | Weblog
高千穂鉄道:「観光目的鉄道」として生き残り案浮上 宮崎 2007年8月30日 毎日
http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/wadai/news/20070830k0000e040003000c.html
 清算を進める宮崎県の第三セクター、高千穂鉄道が国土交通省に提出している休止・廃止届の期限が9月5日に迫っている。事業引き継ぎを目指す神話高千穂トロッコ鉄道(興梠亘社長)は、国交省の鉄道事業許可の取得のめどが立たないことから、高千穂鉄道に高千穂-槙峰間約21キロの休止届の延長を申し入れている。そんな中、経営面を許可要件から外した「観光目的鉄道」として生き残る案が浮上している。
 高千穂鉄道は2月、保有する資産の大部分を沿線3市町に寄付し、3市町がトロッコ鉄道に無償貸与することで合意。現在、トロッコ鉄道が国交省の許可を得るために事業計画を協議している。計画では観光だけでなく、通勤、通学用のダイヤなど「地域鉄道」としての再出発を組み込んでいる。このため、開業・運転資金として支援金(目標額2億円)を5月21日から全国公募しているが、今月24日現在で3413万円にとどまっている。
 こうした状況に国交省は「支援金の目標額が集まったとしても、将来にわたって資金が担保できなければ、許可はできない。どうしても鉄道事業をやりたいのであれば、中、長期の収支計画が要らない観光目的鉄道にすべきだ」と言う。
 浮上している「観光目的鉄道」は00年3月に施行された改正鉄道事業法に基づくもの。「特定目的鉄道」として、施行規則で「景観の鑑賞、遊戯施設への移動その他の観光目的を有する旅客の輸送を専ら行う」と規定されている。経営計画と事業継続性が許可基準から外される一方、通常の鉄道事業者と同水準の安全性が求められる。
 国交省鉄道局によると、特定目的鉄道が許可された例はない。同局の田辺道夫専門官は「たとえ鉄道が赤字であっても、観光客が町や周辺地域を訪れ、地域全体で黒字になればいい。そうなることで、地域全体が鉄道事業の存続に力を貸すようになる」と話す。
 高千穂鉄道は30日の取締役会で、休止届の延長問題を協議する。休止届延長も清算事務処理などを考慮すれば、年末までの延長が限界とみられている。高千穂鉄道社長の内倉信吾・高千穂町長は「観光特化案については聞いていないが、そういう話があるのなら、何としてでも存続できるよう協力したい」と話している。
 一方、槙峰-延岡駅間(約29キロ)の廃止届については、今のところ取り下げや延期申請の動きはなく、9月6日以降に踏切撤去などの工事が始まる。


高千穂鉄道、一部区間の廃線確定 後継会社の認可難航 2007年08月31日 朝日
朝日 http://www.asahi.com/national/update/0830/SEB200708300008.html
 05年9月の台風被害で全線運休が続く第三セクター高千穂鉄道(TR、宮崎県高千穂町)は30日、廃止対象路線の延岡―槙峰間(29キロ)の運行をあきらめることを決めた。昨年9月に国土交通省に廃止届を出しており、廃止猶予期限が切れる9月6日に自動的に廃線となる。経営を引き継ぐ民営新会社の神話高千穂トロッコ鉄道が鉄道事業者として認可される見通しが厳しいためで、残りの槙峰―高千穂間(21キロ)は引き続き休止する。
 TRは台風被害後、全線の休止届を提出。延岡―槙峰間は再開の見通しが立たず廃止届に切り替えていた。槙峰―高千穂間の休止期限は12月26日まで延長するよう国交省に届ける。同日までに協議が整わない場合、廃線となる可能性もある。
 新会社は、台風被害が少なく、観光路線として価値の高い槙峰―高千穂間の譲渡を優先して国交省と許可申請に向けた手続きを進めるが、資金計画や需要予測で協議は難航している。開業資金として2億円の支援金公募を5月に始めたが、募金額は約3500万円にとどまっている。


 高千穂町といえば、神話の里としても有名で、高千穂神社や天岩戸神社、高千穂峡などの観光資源にも恵まれ、夜神楽も全国的に知られるなど、観光地としてはかなり魅力がある場所なのですが、その高千穂と県の主要都市の延岡市を結ぶ高千穂鉄道が、1昨年の9月にこの地を襲った台風の影響で橋梁が流されるなど甚大な被害を受け運行を停止。現在はバスで代替移送を行っていますが、再建のためのお金が中々集まらずに苦労しているようですね。
 いくら素晴らしい観光地でも、やはり鉄道という足がなければ、どうしても観光客は減少するでしょうし、一時期は観光客と地元客との二重価格を設定することで観光鉄道として復活させる案も検討されていたようですが、こちらにしても、延岡駅から高千穂駅まで全線を開通させなければ意味がないだけに、延岡―槙峰間は再開の見通しが立たず廃止届けを出さざるを得なかったのは、鉄道の存続を願っていた方にとっては、ますますその立場が苦しくなってしまったと思います。
 ちなみに、今でこそ、この路線に代替バスを出している宮崎交通は、鉄道時代とほぼ同じペースで、運賃も鉄道時代からそれ程多く値上げすることなく運行していますが、おそらくは赤字路線でしょうし、この宮崎交通もかっては産業再生機構の支援を受け、大幅に路線を見直した過去があるだけに、いずれは発着本数あるいは路線そのものの見直しの可能性さえあると思いますが、もし路線がなくなってしまうと高千穂の観光業者にとっては死活問題にもなりかねないだけに、地域の足がなくなるというだけでなく、どう観光客を誘致していくかも問われることになりそうな気がします。

高千穂鉄道ホームページはこちら http://www.t-railway.co.jp/
高千穂鉄道の今後のあり方についてとして、復活した場合の利用者数の予想や収支の予想、運行試算といった様々なシミュレーションを行ったページ(http://www.t-railway.co.jp/saigai/saigai1.htm)もメニュー内にあります


1 コメント

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Unknown (高千穂鉄道応援者)
2007-09-02 19:18:42
どうしてもっと地元住民は、公共交通機関を利用しようとしないんでしょうかね?多少不便でも利用すべきだとおもうんですが。
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