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マツダとトヨタが賃金カットやワークシェアリングを導入

2009-01-17 11:21:06 | Weblog
マツダが「ワークシェア」導入、工場勤務の正社員1万人に 2009年1月14日
読売 http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20090114-OYT1T00028.htm
朝日 http://www.asahi.com/business/update/0114/OSK200901140032.html
産経 http://sankei.jp.msn.com/economy/business/090114/biz0901141110005-n1.htm
 マツダは1月、工場勤務の正社員を対象に、雇用維持の代わりに勤務時間と給与をカットするワークシェアリングを導入した。
 自動車各社は新車販売の不振が深刻化しており、同様の動きが広がる可能性がある。
 対象は、本社工場(広島県)と防府工場(山口県)の完成車2工場に勤務する約1万人。従来は昼夜2交代制だったが、夜間操業を今月から中止し、1人あたりの勤務時間を半減した。
 マツダは人件費の削減額を明らかにしていないが、関係者によると、1月分の基本給が約2割削減されるという。時間外勤務や休日出勤などの手当も大幅に減るため、全体の削減額はさらに大きくなると見られる。2月以降も継続するかどうかは、新車の販売状況などを見ながら検討する。
 マツダは2009年3月末までに15万台規模を減産する方針を打ち出しており、派遣社員を1月末までに1500人削減して、500人にするなど、生産体制の見直しを進めていた。

トヨタ、2割賃金カット 工場停止2日分 2009年1月14日 朝日
http://www.asahi.com/business/update/0113/NGY200901130015.html
 トヨタ自動車は、2~3月に国内全12工場で操業停止する計11日間のうち、2日間を「休業日」とし、この日の賃金を2割カットする方針を固めた。これまでは操業を停止しても賃金を全額支払ってきた。大幅な減産で収益が悪化しているため、賃金の削減に踏み切る。
 残りの9日間は、出勤して別の作業をする「非稼働出勤日」か、「有給休暇」として扱い、賃金を全額支払う。
 対象は期間従業員を含む約3万5千人。組合側もすでに大筋で同意しており、来週初めにも正式に受け入れを決める見通し。
 4~8月については、賃金を2割カットする休業日を設けるとしても、非稼働出勤日の日数以下に抑える方向で労使間で調整している。


 う~ん。昨年のクリスマスに日経が『いすゞ自動車が全社員の賃金カットを、取締役は1月から、従業員に対しても4月から行なう』という衝撃的なニュース(http://blog.goo.ne.jp/ibarakiisuzu/e/81037be65cc6849f3b21195362d5f88c)をスクープしましたが、実際の賃金カットは予想外というか、あのトヨタと90年代の経営危機からすっかり立ち直ったと思われていたマツダが先行して行なってきました。
 まあ、トヨタの場合は、事前に発表していた操業停止のうち、実際に賃金カットするのは2日間でカットする額も2割(実質半日弱の賃金カット)ですから、基準内賃金の5カ月分の賞与が保障されている(http://blog.goo.ne.jp/ibarakiisuzu/e/45dd4899c3974375f26bc1711ddfdd3b)トヨタ本体の従業員に与える影響は(いくら手取りが減っているとはいえ)相対的に少ないものと思われますが、マツダの方は、地元に他に大きな雇用先がないこともあり、ワークシェアリングまで一気に踏み込まざるをえないようで、夜間操業も今月から中止され、1月分の基本給そのものが2割もカットされるというかなり厳しいものになるようです。
 派遣社員を4分の1まで削減して、それでもワークシェアリングを実施せざるをえないところに、マツダの経営の厳しさが現れていると思いますが、さすがに2割も賃金カットが何ヶ月も続いたのでは、特にぎりぎりまで住宅ローンを組んでいる家庭の生活を直撃するのは必至…。
 経営側もさながら、正社員の側も どれだけ家計と言う名の経営体力が持つのだろう…と、他人事ながら心配になります。


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