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貸付信託「ビッグ」に幕 中央三井が取りやめ決定

2008-10-04 14:44:50 | Weblog
貸付信託「ビッグ」に幕 中央三井が取りやめ決定 2008年9月25日 産経夕刊
http://sankei.jp.msn.com/economy/finance/080925/fnc0809251817016-n1.htm
 中央三井信託銀行は25日、貸付信託「ビッグ」の募集を来年9月21日から取りやめると発表した。既に、他の大手信託銀行は募集を中止しており、中央三井の募集取りやめで信託銀行の代表的な商品が姿を消す。
 中央三井は、前身の三井信託銀行が昭和27年に貸付信託の取り扱いを開始。最近は、変動金利の定期預金や投資信託などが主力商品となっていた。ビッグを含む中央三井の貸付信託の残高は8月末時点で6867億円。


 信託銀行のビッグと言えば、ヒット同様、かっては信託銀行の主力商品でしたが、換金が不便で多様な金融商品が発売される中、市場競争力を徐々に失っていったことや、取り扱う金融機関としても資金調達の方法が増えたことから、次第に取り扱いを停止。来年9月で中央三井信託銀行が取り扱いを止めることで、とうとう日本の金融市場から姿を消してしまうようですね。
 ちなみに、私が新入社員だった頃は、まだ普通銀行や都市銀行では変動金利定期預金は取り扱っておらず、別の信託銀行で賞与が支給されるたび、その一部を定期預金感覚で預け入れていたのですが、期待に反して金利は更に低下してゼロ金利に突入。
 しかも、『自動継続扱いなのに、途中解約すると(当時の金利と比べると)法外な解約手数料をとられる。しかも解約は店頭に出向かなければならない)』ということで、解約のタイミングは事実上2年おきあるいは5年おきしかなく、満期になり、解約手数料がかからない1週間程度の解約期間中にお昼を抜け出して解約手続きに行かなければならなかったという、実に面倒な思いをした経験があります。
 まあ、ビックという商品が一種の金銭信託(金銭を信託財産として信託銀行に預け、その金銭を主に企業向け貸付により運用する合同運用指定金銭信託の一種)だったため、途中解約金利ではなく、一定額の解約手数料を取られるという仕組みそのものは致し方ないのでしょうが、個人が預け入れるにはあまりにも換金性の悪い商品だったことは相違ありませんし、信託銀行でも都銀や地銀と全く同じような変動金利の金融商品を取り扱い始めた以上、この商品の使命も終わりを告げたといっても過言ではないと思います。


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