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幼児放置死事件、母親に懲役6年 さいたま地裁

2008-09-04 15:56:31 | Weblog
幼児放置死事件、母親に懲役6年 さいたま地裁 2008年9月3日 朝日夕刊
http://www.asahi.com/national/update/0903/TKY200809030101.html
 埼玉県三郷市で2歳の双子の世話を6歳の長男に任せ、次男を死亡、長女を衰弱させ、保護責任者遺棄致死傷の罪に問われた母親の無職島村恵美被告(30)に対し、さいたま地裁の中谷雄二郎裁判長は3日、「親としての自覚や愛情、人間性に疑問を感じさせるあまりにも冷酷で非人道的な犯行」と述べ、懲役6年(求刑同8年)の判決を言い渡した。
 判決によると、島村被告は3月3日、子育てから逃れて自分の時間が欲しいとの理由から、一人で世話をしていた子ども3人を自宅に放置。次男(2)は同12日に餓死し、長女(2)は脱水症状などを起こして激しく衰弱した状態で発見された。

子の放置死、6歳を責めた母に裁判長「過酷で非道」 2008年9月3日
朝日夕刊 http://www.asahi.com/national/update/0903/TKY200809030129.html
毎日夕刊 http://mainichi.jp/select/jiken/news/20080903k0000e040028000c.html
産経夕刊 http://sankei.jp.msn.com/affairs/trial/080903/trl0809031020001-n1.htm
読売夕刊 http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20080903-OYT1T00367.htm
  「何の罪もないわずか6歳の長男に責任を転嫁し、多大の精神的苦痛を与えた過酷で無責任な言動は悪質極まりない」。埼玉県三郷市の保護責任者遺棄致死傷事件。さいたま地裁の中谷裁判長は判決言い渡しの中で、事件後、自分を責め、被告をかばう長男に深く同情した。約20分の判決の間、被告はまっすぐ前を見てほとんど動かず、聴き入っていた。
 3月3日、被告は「ママはもう戻らない。後はよろしく」と双子の世話を長男に託して家を出た。長男には、同じ3階建て住宅に住む被告の祖母を部屋に入れさせないよう厳しく言いつけもした。
 被告の家出後、死亡した次男はずっと泣いていたという。不安や寂しさを感じた長男が1日数十回、母親の携帯に電話をしても、ろくに相手をしてもらえなかった。泣き声を聞いた被告の祖母は部屋に入ろうとしたが、「ママに怒られるから」と長男に拒まれたという。
 交際相手と遊んでいた被告は1日1、2回程度、ファストフードのハンバーガーやパン、菓子などを玄関まで持ってくるだけ。量は足りず、長男は常に腹をすかせていた。双子のおむつは一度も替えられず、部屋は次第に残飯やゴミで覆われていった。
 3人が生活を始めて約10日後の12日夕。「弟が大変。起きない」。長男のSOSに被告は家に戻ったものの、部屋に入る勇気がなく、再び家を出て居酒屋で酒を浴びるように飲んだという。
 翌13日、長男から再度、電話。「弟はまだ起きない」。被告が14日未明、次男がいる部屋に入ると、次男はゴミや便が散乱するベビーサークルの中で仰向けになり、口を半開きにして死んでいた。
 島村被告は泣き叫びながら、次男の名前を呼んだ後、長男の顔を平手でたたいた。「ママの子として失格。ママも悪いが、お前も悪い。自分一人でご飯食ってんじゃない」
事件発覚後、長男は検察官の調べに対し、「ママにお前はクビだと言われた。僕が世話しなかったから。僕が全部悪い」と自分を責めたという。一方、公判で島村被告は「育児が大変で自分の時間が欲しかった。(子どもたちを放置すれば死に至ることは)分からなかった」と述べていた。弁護側は「親族らの協力が得られず、育児放棄になりやすい状況だった」と情状酌量を求めた。
 中谷裁判長は判決言い渡し後、島村被告を証言台の前に立たせて、「子どもたちにしたことはあまりに過酷で非道。十分反省して、二度とこういうことをしないよう強く期待します」と説諭した。
 埼玉県越谷児童相談所によると、長男と長女は現在、同相談所のもとで保護されているという。



 この事件は、地元では有名な資産家一家だというのに、子供を虐待&育児放棄し続け、次男を衰弱死させたあげく、両親に『次男がひっくり返っているから見に行って。もう死んでいるかもしれないから。』などという思いやりのかけらも感じられない電話をかけて、実の親を第一発見者に仕向けるショッキングな事件だったこともあり、1歳の子供を餓死させた山崎愛美被告の事件(こちらは懲役15年の判決が出ています http://www.tomamin.co.jp/2007/tp071217.htm)同様、どうしても許せない事件という意味で、強く印象に残っていたのですが、3日にさいたま地裁で6年の実刑判決が下されたようです。
 それにしても、母親としての適性が決定的に欠けているのならば、お金持ちの一家なんだから、祖父母の方でお手伝いさんの1人も雇ってあげればいいものを…。
 どうやら、島村被告は祖母が居室に入ることを許さず、長男には祖母が居室に入ることを拒むよう強く命令していたようで、自らを孤立させるように追い込んでいたようですが、親が子供を選べないのと同様、子供だって親を選ぶことができないことくらいは、子供よりも何十年も長く生きているのだから、そのくらいのことには気づいて欲しいもの。
 ごくごく個人的には、求刑8年そのものが甘すぎると思いますし、減刑の必要もないと思うのですが、そんな母親でも必死に庇っている健気な長男のためにも、獄中にいる間に心を入れ替えて、出所後は残りの人生を子供のために捧げて欲しいものだと心から願わずにはいられません。


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