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中国四川大地震 死者34000人に、日本救助隊は撤収&医療部隊派遣へ…。

2008-05-20 19:13:43 | Weblog
四川大地震、死者3万4千人超…土石流200人生き埋め 2008年5月20日
読売 http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20080519-OYT1T00654.htm
日経 http://www.nikkei.co.jp/news/main/20080519AT2M1902B19052008.html
 中国の四川大地震から1週間がたった19日、政府は地震の死者が四川省や甘粛省などすべての被災地で前日の発表より約1600人増えて3万4073人に、負傷者が24万5108人に達したと発表した。
 四川省内の工場など工業分野の直接の経済損失だけで670億元(約1兆円)に上った。
 中国の交通運輸省は、被災地で土石流が発生して、道路復旧作業中の大型重機2台がのみこまれ、6台のトラックに乗っていた作業員らと17日以来、連絡がつかなくなっていることを明らかにした。
 新華社電は、土石流にのみこまれ、生き埋めになったのは、作業員計200人と伝えている。余震が続く中、省内21か所にできた土砂崩れダム(堰止め湖)や水力発電所について、決壊などの大規模な「二次災害」を引き続き警戒している。
 19日の中央人民放送(ラジオ)によると、四川省綿竹市で同日、ダム決壊などの恐れがあるとして、約900人が避難したという。
 また、避難民に対する救援物資の不足は依然として深刻。鉄道省は14万5000張りのテントを被災地に輸送したが、外務省は19日、テントが大幅に不足していることを明らかにした上で、国際社会に対し、救援物資提供の際に、テントを優先的に提供するよう呼びかけた。
 一方、地震犠牲者の「全国哀悼日」の初日となった19日、地震が発生した午後2時28分(日本時間同3時28分)から3分間、全国各地で自動車や列車、艦船が一斉に警笛や汽笛を鳴らし、防空警報が鳴り響く中、国民が黙とうした。

「まだ子どもたちが…」撤収指示に日本救助隊無念 2008年5月20日 読売
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20080519-OYT1T00711.htm
 「まだまだやれることはあると思っていたのに……」。中国の四川大地震で19日午後、被害が大きかった北川チャン族自治県から引き揚げが決まった日本の国際緊急援助隊救助チームには、疲労とともに深い徒労感が広がった。
 実質3日間の救助活動で、日本の援助隊が見つけだせたのは約20の遺体だけ。過酷な環境の中での乏しい成果は、災害救助活動を巡る国際協力の難しさも浮き彫りにした。
 日本の救助チームの第1陣32人が最初に同省青川県関荘地区に到着したのは、地震発生5日目の16日午前10時(日本時間午前11時)ごろ。ところが、ここは土砂崩れの現場で、都市型災害への装備を中心としたチームの特徴を生かせないため、午後4時すぎ、喬荘地区にある病院の倒壊現場に移らざるを得なかった。
 行方不明者の捜索は夜を徹して行われたが、この現場に埋まっていた母子2人は死亡しており、17日には第2陣29人の合流を受け、北川チャン族自治県にある曲山地区に移動。倒壊した北川第一中学や民家で行方不明者の救助を続け、約15体の遺体を収容したものの生存者はいなかった。
 成都への撤収の指示が伝えられたのは19日午後1時すぎ。別の現場での活動に備えていた隊員たちは「一人でも救出を」と朝早くから、出番を待っていただけに全員が無念の表情を浮かべた。
 「今の思いは簡単には言い表せない」。警視庁から派遣された斉藤昌巳さん(42)は、報道陣の前で唇をかみしめ、海上保安庁の石塚智幸さん(29)は「中学校では、まだ子どもが生き埋めになっている可能性があるのに」とうなだれた。
 第1陣が現地入りしてから4日目。テントの中で寝た18日をのぞき、隊員たちはバスの中で宿泊し、日中は30度近くになる暑さで作業を続けており、「頭がくらくらして宙に浮いているようだった」と明かす隊員もいた。成都への帰路、バス4台に分乗した隊員たちはシートを深く倒し、疲労を隠しきれない様子。
 「土砂崩れ現場ではなく、別の場所に案内されていれば、生存者を救出できた可能性もある」。ある若手隊員はそうつぶやき、パキスタンの大地震やインドネシア・スマトラ島沖地震の救助活動にも参加したという隊員は「今回の活動が一番つらかった」と話した。

M7の余震予報で不安の一夜 「暴風雨も」と追い討ち 2008年05月20日 朝日夕刊
http://www.asahi.com/international/update/0520/TKY200805200077.html
 中国の四川大地震の相次ぐ余震が被災者を脅かしている。19日深夜には余震の警告で多くの市民が屋外に避難し、不安な夜を過ごした。中央気象台は20日以降、被災地で局地的に強い雨が降ると予報しており、雨と余震で土砂崩れでできたダムが決壊する懸念も高まっている。
 中国地震局によると、20日未明までにマグニチュード(M)4を超す余震が157回発生し、このうちM5以上が25回起きている。四川省政府は19日から、テレビなどで最大M7の余震が20日までに起きる可能性が高いと呼びかけている。甘粛省も22日までに最大M6.5の余震が起きる可能性を予測。大規模な余震の警告は異例で、本震の被害があまりなかった成都市中心部でも、市民が寝具を持って自宅から逃げ出し、広場や道路わきの歩道は一夜を明かす人で埋まった。
 家族や親類6人で広場の芝生に布団を敷いて寝た劉冒銘さん(74)はテレビで警告を知り、あわてて家を出てきた。「本震では家は何ともなかったが、すごく怖い。次に同じ情報を知ったらまたここで寝る」。実際に20日未明、M5.0の地震があったことから「本震は予知できなかったのか」と不満も漏らしていた。
 また、中央気象台は20日から22日にかけて、被災地で所によって暴風雨や雷雨があると予報。ダム決壊や土石流の発生に注意するよう呼びかけている。
 発生から8日が経過した20日現在も、震源地の四川省アバ・チベット族チャン族自治区ブンセン県などでは、道路が寸断され救援活動が進んでいない地区が多い。国営新華社通信によると、温家宝首相は19日午後、北京での地震対策会議で、被災したあらゆる村に24時間以内に入るよう指示。これを受けて四川省政府は孤立した77の集落に救助チームを派遣し、被災した約3700の集落にすべて救援が入ったことを明らかにした。
 また新華社通信などによると、震源地のブンセン県で20日未明に、倒壊した発電所の事務棟のがれきから男性職員(31)が助け出されたほか、19日夜にも鉱山労働者1人が救出されたことがわかった。

「小学校舎倒壊は手抜きが原因」児童の遺族、市を告訴へ 2008年5月20日 読売
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20080519-OYT1T00872.htm
 四川大地震で校舎が倒壊し、児童数百人が死亡した中国四川省都江堰市・新建小の児童の親たちが「校舎倒壊は手抜き工事が原因」として、同市政府を告訴する準備を進めていることが19日分かった。
 中国で横行する公共施設の手抜き工事は汚職の温床とされているが、大地震で学校校舎の倒壊が多発したことで、政府に対する親の怒りが高まっている。
 同小は震災前の児童数約1000人。校舎は1990年代に建てられたが、地震で一瞬のうちに崩れた。だが、周囲のアパートなどは大きな被害がなかったことから、遺族の間で市政府の手抜き工事を追及する声が強まった。
 遺族数人が中心となり、テントで暮らす数百人の遺族に告訴への参加を呼びかけている。2年生の息子を亡くした董勲(とうくん)さん(37)、筍忠琴(こうちゅうきん)さん(31)夫妻は「役人がわいろを受け取るために工事費を安く上げた結果だ」と話した。6月1日に告訴する予定で、同市市長らを相手取った刑事告訴となる可能性が高いという。
 中国の学校の校舎は、簡単に崩れることから「おから工事」と呼ばれる手抜き工事の象徴となっており、今回の地震では各地で計約6900棟が倒壊した。



 中国四川の大地震ですが、死者数は34000人を突破したようです。また200人の作業員が土石流に飲み込まれたことは、昨日のブログでお伝えしましたが、日本の救助隊は(得意分野が異なることもあるのか?)その救済に加わることなく、成都に撤収。被災者の家族や親族などから、人命救助を期待されていた救助隊としては、人命救助という成果を出すことなく撤収することになってさぞかし悔しい思いでしょうね…。場合によっては、帰国という選択肢も出てくると思うのですが、この先、活躍の場はあるのでしょうか…。
 また、この地震では、大きなものを含めて余震が何度も続いていることが特徴で、M4を超える地震は既に150回を超え、M5以上も25回発生。
 最大M6.5の余震がおこる警報が出たこともあり、不安に思った住民達が、寝具を持って自宅から逃げ出して、広場や道路わきの歩道が夜を明かす人で一杯になるなど、被災地特有の不安が非常に高まっていることが伝わってきます。

 その一方で、周囲のアパートは無事なのに、学校だけが倒れた地域では、亡くなった子供の遺族が「校舎倒壊は手抜き工事が原因」として、同市政府を告訴する準備を進めているようです。まあ、中国の場合、建築確認とか、建築基準法のような、建設業者を縛るような法律もありませんし、日本以上に手抜き工事が横行しているようですが、今回はそのことが逆に被害を大きくした(鉄筋の建物は倒れるまでは木造よりも頑丈ですが、一旦崩れてしまうと、空気の通る隙間がない分、巻き込まれた人を救出することはより困難になります)だけに、遺族としては怒りが収まらないでしょうし、今後このような訴訟が他の地域でも起こる可能性は十分ありそうですね。

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