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アルゼンチンが100年債 3400億円、運用難で需要集める

2017-07-14 07:02:58 | Weblog
アルゼンチンが100年債 3400億円、運用難で需要集める 2017年7月12日 日経有料記事
http://www.nikkei.com/article/DGXLZO18735140R10C17A7EE9000/?n_cid=NMAIL002
 アルゼンチン政府は償還までの期限が100年に及ぶ「超長期債」を発行した。発行額は30億ドル(約3400億円)弱だが、投資家から3倍超の申し込みがあったようだ。同国は債券の元利金の返済が滞る「債務不履行」の常連で、信用力に不安を残す。それでもマネーが殺到するのは、世界的な低金利に悩む投資家の運用難の深刻さを映しているといえそうだ。
 国債の発行は6月末で利回りは約7.9%。30億ドル弱の発行額に対し、「90億ドル程度の申し込みがあった」(国内証券の債券担当者)という。欧州の保険系金融機関などが購入したもようだ。
 米格付け会社S&Pグローバル・レーティングによると、同国の長期債務の格付けは「シングルB」。投資不適格の部類に入るが、2015年末に就任したマクリ大統領の経済改革などに期待する向きがあるようだ。
 100年債は過去にもアイルランドやベルギーなどが発行。企業でもブラジルの国営石油大手ペトロブラスなどで実績がある。長期に資金を安定調達するねらいがあるが、償還までの期限が長くなるほど投資家にはリスクも高まる。
 一方、アルゼンチンは「過去100年に6回、債務不履行を起こしている」(みずほ総合研究所の長谷川克之市場調査部長)。信用力は低い。00年代初頭の債務不履行では、日本の個人投資家も国債を保有していたことから大騒ぎとなった。それでも資金が集まるのは世界的な金融緩和で生まれた大量のマネーが投資先を探すなか、アルゼンチンの国債の金利が相対的に高いためだ。
 足元では米国が利上げを進めているが、政策金利はなお1%台。日本ではマイナス金利が続くなど、債券市場を中心に世界の投資マネーの運用環境には逆風が吹く。SMBC日興証券の服部博則クレジット市場部長はアルゼンチンの国債について、「多少信用力が低くとも、運用に困った投資家が消去法的に買っている」とみる。


 ん…。償還が100年先、しかも融資先がアルゼンチン政府というだけでも、誰がこんなもん 買うか!(現地通貨建てならインフレ負けしますし、米ドル建てでも投資対象が当てになりません。リスクをとって高金利狙いならまだアフリカの有望国の10年米ドル建て債に投資する方がマシです)と思うのですが、運用しないことを選べる個人とは異なり、機関投資家は期間中に6回程度はデフォルトリスクのあるこのような投資不適格債権にも投資せざるをえない運用難に陥っているんですね。
 個人には直接関係のない話と割り切りたくなりますが、昨年の12月末に経営破綻したフィリピンの地域銀行イースタン・リサール・ハラハラ・ルーラルバンク(正式な銀行ではないものの預金保護機構の保護対象になるという、日本では理解しがたい存在のようです。フィリピンでのペイオフ上限額は50万ペソのため日本円換算では110万円程。)が、1000万円以上を5年定期で預けると利息を年利11.5%もつけてくれる(参考までにフィリピンで定期預金を組んだとしてもまともな銀行なら0.2%~0.8%位の利率しかつかないそうです)とアピールして日本語ネット口座開設ページまで設ける(日本人をターゲットとして狙い撃ちするということです)、かなり怪しげな行為を行っていたのだとか。
 東南アジアでエビなどの魚介類養殖の投資に必要などと適当に理由をでっちあげて数年で2割あるいは3割戻ってくるという怪しげな詐欺話が一昔程前に流行りましたが、最近は自称銀行を名乗る話にまで拡大しているようで、この手の海外発の上手い話(詐欺話)には、十分気を付けて欲しいと思います。