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大企業の交際費、損金算入拡大を検討 麻生財務相

2013-02-19 06:46:18 | Weblog
大企業の交際費、損金算入拡大を検討 麻生財務相 2013年2月19日 日経
 麻生太郎財務相は18日の参院予算委員会で、大企業の交際費について、法人税がかからない損金への算入を検討する考えを示した。中小企業は2013年度から、年800万円を上限に交際費をすべて損金算入できるようになる見通し。財務相は「大企業に広げていくのは方向として考えられてしかるべきかなと思っている」と述べた。
 資本金が1億円を超える大企業は現在、1人あたり5000円以下の飲食費以外は原則として、交際費を損金算入できない。
 デフレ脱却を狙う安倍晋三首相は経済界に、業績が回復した企業は賃金を引き上げるよう要請している。財務相は交際費の損金算入は「(企業の)内部でたまっているカネが外に回っていく一つの手段だ」と説明。賃上げ以外の手段でも、企業の内部留保を循環させる必要があるとの認識を示した。
 損金算入の拡大には税収減を懸念する財務省が慎重。政府内では全面的な見直しは14年度税制改正での検討課題との見方が多い。



 交際費制度については、過度の接待や飲食等に対する社会的モラルが問題視(いわゆる社用族の問題)されたことや、冗費を抑制して企業の内部留保の充実と体質強化を図る名目(当然ながら、本音部分では税収増の狙いもあります)から昭和29年より支出した交際費等の一定額を損金に算入しない制度が始まり、それでも依然として巨額な交際費等の支出が発生&しかも連年増加していることに業を煮やした大蔵省(当時)が中小企業など一部例外を除いて昭和57年に原則全額損金不算入にした経緯があり、その後平成18年4月から「得意先との飲食接待は、一人当たり5000円以下で所定事項記載を要件に交際費等から除く」といった緩和事項(企業規模要件なし)も導入されたものの、
平成22年度改正では資本金1億円以上の100%子会社は資本金が1億円以下であっても全額損金不算入とするなど大企業やその子会社にとっては厳格化の方向で進めてきた経緯があったのですが、ここにきてこれまでの流れを180度転換して、中小企業全額損金算入に続いて大企業にまで交際費の損金算入枠設置検討ですか…(当惑

 個人的な意見を述べるならば、もし大企業の交際費損金算入を認めたら、これまでの課税強化の経緯は一体何だったんだ???ということにもなりかねませんし、中小企業の交際費損金算入を一定限度の範囲内で認めているのも、個人事業が法人成りした時との公平性の確保のため。
 真に収益をつけて貰わなければならない中小企業ではなく飲み屋を儲けさせても意味がありませんし、それだけの財源があるなら、真に頑張っている中小企業の減税に回せばいいとさえ思います。